ドライブに行こう |
◆ドアミラーがなくても大丈夫?旅行中にふいにレンタカーを借りてみようと思い立ちInformation Centreの壁に貼ってあったチラシの電話番号にかけて持ってきてもらったのは、これで本当に大丈夫?と目を疑いたくなるようなヨレヨレのAustin Metro(小型リッターカー)。 この車には、なんとサイドミラーさえついていなかった。イギリスでは車にサイドミラーがついていなくても、何ら問題ではないらしい。そういえばスーパーの駐車場や道路でよく他の車を観察すると、サイドミラーのついていない車などゴロゴロしている。全般的に古くて埃をかぶった車が多い。日本でよく見るようなワックスで念入りに手入れされたぴかぴかの車なんてめったにお目にかかれない。 ◆真夏の路肩はオーバーヒート車御用達夏といっても日本ほど極端に暑くならないイギリスだが、それでもウィンブルドンの前後には急に狂ったような陽気になることがある。私たちが訪れた時もそうだった。 一年を通して基本的に温暖な気候のためか、イギリスの車は急な暑さに弱いようだ。路肩にはオーバーヒートのためか、ボンネットを開けて困ったように中を覗き込んでいる車がずらり。 車のエア・コンディショナーも役立たず。いくら待っても排気口からは熱風が出てくるだけで、クーラーとしての用をなさない。窓を大きく開けて自然に流れ込んでくる風にあたったほうがいいようだ。 ◆Roundaboutイギリスを走っていると頻繁に出会う、ロータリー式交差点のことを「Roundabout」という。Roundabout内は時計周りに車が流れているので、右側から来る車に注意しつつスッと左折で入り、目的の道路のところでスッと左折で出るという仕組みになっている。 高速道路や幹線道路にみられるRoundaboutはかなり大掛かりなもので時に2つ3つと連続しているものも珍しくないが、標識もわかりやすいので回っているうちに目的の道路を見逃してしまっても、もう一回りすればいいだけなのだから気にすることはない。 思わず笑ってしまうのが、村外れの小さな三叉路などで発生する直径10メートル足らずの可愛いRoundaboutに出会った時である。車どころか人間もめったに通らないような農道なのだろうが、突っ切らずに敬意を表して一応くるっと回るのだ。 ◆「The Long and Winding Road」 v.s.「Roman Road」道の太さ・細さにかかわらず、イギリスの道路は妙に「ふわぁ〜」っとしたカーブを描いているものが少なくない。こんな道を走っていると思わずビートルズの「The Long and Winding Road (=長くくねくねした道)」が口をついて出てくる。牧草地を縫って走る道でも、BootsやW.H.Smithなどの商店が立並ぶHigh Streetでもやっぱりクネクネ、フワァー・・・ 反対にまるで定規できっちり線を引いたように真っ直ぐな道路に出会うこともある。そんな時手元の地図に目をやると書いてある言葉は「Roman Road」。ブリテン島をローマ人が支配していた時代に、正確な測量によって作られた道路なのだ。古代ローマ人の技術水準の高さは、イギリスだけでなくフランスなどにも残っている水道遺跡や道路にも見て取れる。 イギリスに点在する「-cester」という系統の地名は、そこがローマ人の支配下に有ったことを示すものなので、近くに真っ直ぐな道があったらかつてのローマ人の仕事に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。(例:CirencesterやWinchesterなど) ◆安上がりな高速道路「まったくさぁ、イギリスって国は道路も映画も安上がりに作れていいよな(*注)」・・・これは夫がよく言う台詞であるが、ある意味で非常に的を射ている。ウェールズやスコットランドの一部を除いて、イギリスにはほとんど険しい山がないため、トンネルを掘る必要なく簡単に道路が作れてしまうのである。だから当然高速料金も無料。ただ、例えばブリストル近くにある大きな吊り橋を渡る高速道路のように建築費がかさんでいると思われるところは、部分的に料金を徴収していたりもする。 (*イギリスの映画は、古い建築物の保存状態が良いので簡単に時代劇が撮れるし、現代劇・時代劇を問わずSFXやCGを駆使した膨大なお金をつぎ込むハリウッド映画とは比較にならないほど低予算で作った作品が多い。) ◆高速道路のお楽しみ 〜サービス・エリア〜Motorway(高速道路)をドライブしていて、ふと喉が渇いた時、何かつまみたくなった時、休憩したくなった時に助かるのがサービス・エリアである。「Services」の看板を見落とさないように。 大きなサービス・エリアにはちょっとしたファースト・フードのお店はもちろん、レストラン、カフェテリア、ツーリスト・インフォメーション、ガソリン・スタンド、長距離ドライブに疲れた子供が遊べる芝生の広場など、ありとあらゆる施設が揃っている。こういうところの売店が充実しているのは非常に嬉しい。飲み物やお菓子は言うに及ばず、ぐずった子供をなだめるための(?)ぬいぐるみやおもちゃ、絵本の種類の豊富さ。新聞やペーパーバッグ、雑誌、スポーツ道具、地図、カーステレオで楽しむための音楽テープなど、およそドライバーと同乗者が欲しいと思うような商品がすべて揃っているのではと思えるほどの充実ぶりである。サービスエリアだからといって特に一般の店より値段が高くなっているわけではないのも良心的。 |
◆Shogunって?よく見ると日本車もけっこう走っている。日本の自動車メーカーの現地工場も多いからだろう。トヨタのRAV4、ホンダのアコード、スズキのエスクード、三菱パジェロ・・・んん?よく見るとパジェロには「Shogun(将軍)」というロゴがついているではないか。念のためにパジェロが通るたびに後ろに目をやったが、間違いなかった。 *** その後いくつか情報を頂きました。ありがとうございます 三菱パジェロ
日産、トヨタ
スズキ エスクード 日英の違い
◆Vauxhall and I「Shogun」のように車種の名前だけが変わっている例にひきかえ、メーカーの名前自体が違うのがドイツの「オペル」。なぜかオペル車はイギリスでは「Vauxhall(ヴォクソール)」として売り出されているのだ。 *** Vauxhall社とOpel社の関係について詳しい情報をお寄せ頂きました。ありがとうございます!(情報提供:VPNさん 2004/3/18)
Vauxhall社のサイトで調べてみたところ、Company Information - Fact Fileの中に「The Vauxhall story」というファイルがあり、Vauxhall社の歴史が豊富な写真とともに紹介されているのを見つけました。ご興味のある方はどうぞ。 |