Food (英国人の食卓)


イギリスの料理といえば「おいしくない」というのが世間一般の評価ですが、幸いにも「これはまずい!」というものにあったことは数えるほどしかありません。 どの国にもそれなりに美味しいものはあるものですから、そういうのを探すのも旅の醍醐味ではないでしょうか。

パブ料理

イギリスのパブはただお酒を飲むところではなく、簡単な食事もできる。 いや、ランチタイムはむしろ酒より食事を目的に来る人も多数いるかもしれない。 ここで出す食事にまあハズレはない。できれば観光向けでなく地元の人が集まるような店ならなお良い。ステーキ&キドニーパイステーキ&エールパイチキンクリームパイシェパーズパイラザニアチリビーンズetc. たいてい温野菜とチップス(ジャガイモの細切りを揚げたもの。日本でいうフライドポテト)も山ほどつけてくれる。 「Say when! (どのくらいほしいか言ってね)」と言いつつ、もういいというまでいくらでも盛ろうとする店まで。

実は私もこのパイの類がこよなく好きで、パブに行くとたいていこれを頼んでいる。ステーキ&キドニーパイは牛肉と内臓を煮込んだものを容器に入れて、その上からパイ皮のようなものをかぶせてオーブンで焼いたもの。 チキンクリームパイは、チキンと野菜をクリームで煮込んでパイ皮をかぶせて焼いたもので、どちらも、皮が膨れてサクサク、アツアツで、食べていると幸せな気分になる。

シェパーズパイは挽肉というか細切れ肉をで煮込んで、上にマッシュポテトをかぶせてオーブンで焼いたもの。 (うちでも時々作っているので、よろしかったらレシピもご覧ください。)

こんなパブ・フードを食べつつ、エールやビター(ビールの一種)を飲むのは最高! "Half pint of Ale, please!"

インド料理と中華料理

大英帝国時代の旧植民地からの移民がたくさん住んでいるだけあって、インド料理と中華料理のレベルはかなり高い。 ロンドンのソーホーにはチャイナ・タウンもあるし(漢字の看板ばかりで、ここがイギリスであることを忘れてしまうほど)、インド料理も高級なものから庶民的なものまでたくさんある。

「チャイニーズ・テイクアウェイ」というえば、安くてボリュームあるファーストフードの代名詞。 普通のレストランでもTake Away(お持ち帰り)をお願いすれば、たいてい定価から10%割引にしてくれるところが多いし、チップも不要。 カレーのような汁物も専用のお持ち帰り容器を用意してくれるので心配御無用!(以前、お持ち帰りは10% offと明記してあったにもかかわらず、日本人はそんな表示読んでないだろうと見くびって額面通り請求してきた中華料理店もあったが…もちろんちゃんと指摘して割引してもらった。味は抜群に美味しかったけど油断大敵)

サンドウィッチ

さて、イギリスはご存知サンドウィッチ発祥の国である。スーパー、キオスク、街中のグローサリー・ショップ、Bootsなどどこでも美味しいパックが手に入るが、ぜひサンドウィッチ屋のものも試して欲しい。

サンドウィッチ屋では、パンの種類(Brown/White)と中身を選んでその場ですぐ作ってもらう。 中から溢れ出さんばかりのたっぷりした具は20種類以上のメニューから選べる。ハム、ツナ、キュウリ、チーズといった定番から、ローストビーフ、ローストターキー、小海老までなんでもありだ。ちなみに私のイチオシはブラウンブレッド全粒粉のパン)にローストターキーの組み合わせ。海老とアボガドのマヨネーズ和えも大好き。

日本にも進出した「プレタ・マンジェ」はサンドウィッチの代表的チェーン店のひとつで、どこにいってもあの看板を目にする。

料金には「eat-in(店内で食べる」と「take away(お持ち帰り)」の2種類があり、当然同じメニューでもテイクアウェイのほうが割安。雨さえ降っていなければお持ち帰りにしてもらって、公園の芝生の上で食べてみよう。

何でも一皿に盛りたがる

ひとりずつ大皿にメインから付け合わせまでなんでも一緒に盛りたがるのがイギリス人の特徴と言えるだろう。 たとえば朝食なら、トースト、タマゴ、ベーコン、ソーセージ、焼きトマト、焼きマッシュルームまで全部一皿。 たとえば夕食にスープがついたとしても、そのカップまで皿の隅に載せてしまう。 うちでもたまに「イギリス式盛り付け」を真似してやってみたりする。 お皿洗いが楽なので忙しい人にはぴったり。

野菜は何でもくたくたに茹でたがる

イギリス人は"野菜はくたくたに茹でるべし"と思っているフシがある。 色よく歯ごたえを残して茹でようなんて考えはないのかもしれない。 ブロッコリーもさやインゲンもうす茶色になるまで茹でてしまうのだから。 でも付け合わせの野菜の量はケチらず鬼のように盛ってくれる。

フィッシュ&チップス

フィッシュ&チップスとは、タラなどの白身魚のフリッターにジャガイモを揚げたものを添えて食べる軽食のこと。 ただしオックスフォード・ストリート(ロンドンの繁華街)あたりの小綺麗な店で座って食べるのは高い上に必ずしも美味しいとは限らない。 観光客がなんだこんなものか、と思ってしまうのもうなずける。 実は公園などに屋台で売りにきているような店で美味しいものが食べられることが多いのだ。 揚げたてのものに塩とモルトヴィネガー(酢)をたっぷりふって、ハグハグ食べるのが一番美味しい。 さらにスコットランドの港町などならもっと本格的なF&Cにありつける。


Home