一杯のおいしい紅茶


◆イギリスの普通の店で飲むと、紅茶はとにかく安い、そして量もたっぷり。 メニューを見ると、コーヒーの2/3くらいの値段である。 しかも、コーヒーはカップで出てくることのに対して、紅茶は空のカップ+ティーポット+ミルク(+濃度調節用のお湯が入ったポット)という組み合わせで出てくることが多い。 当然、ポットの中のは全部飲み干し、濃くなり過ぎた紅茶を薄めるためのお湯も使うから、十分満足できるのだ。 庶民的な店ならお湯は頼めばいくらでも継ぎ足してくれるのでは・・・?

◆硬水と軟水/美味しい紅茶のいれかた

イギリスと日本では水質が違う。 日本の水は、軟水と言ってミネラル分を殆ど含まないのでご飯を美味しく炊いたり、緑茶などをいれるのに最高。 硬水のようにさまざまな成分が溶け込んでいるとデリケートな緑茶の風味を変えてしまうし、カルシウムはお茶の出を押さえるからだ。 だから、紅茶も本当は日本のような軟水で入れるほうが美味しいのだと言う方もいらっしゃるが、私はどちらかと言うと硬水でいれるほうが好きだ。

軟水では紅茶の成分が出過ぎてしまう。 毎回ポットに入っている分を最後の一滴までつぎ切ってしまうなら問題はないが、私のようにポットにティーコゼー(ポットを保温するためにかぶせておくもの)をかぶせていつまでもだらだら飲んでいる向きには、紅茶がすぐ渋くなってしまう。 硬水なら多少時間が経ってもお茶の成分が出過ぎることはないので、長く楽しめる。 軟水でいれるときは心持ち葉の量を減らせば、じっくり蒸しても渋くなりすぎない。 ただ、どちらの場合もお湯はぐらぐらと沸騰させ、ポットも事前に温めておくこと。 ポットの中で対流するお湯で葉がくるくる回れば回るほど美味しい紅茶になる。

紅茶に入れるミルクは、普通の牛乳がベスト。 コーヒーに使うとろっとしたクリームや、ましてや粉末ミルクパウダーは避けたほうが良い。 牛乳は温める必要はない。 もし冬場に紅茶が冷めるのが嫌ということなら、カップのほうを温めておけば大丈夫。

◆ティーバッグにひもがついていない?

全部が全部というわけではないが、今までスーパーで買ったことがあるティーバッグにはひもがついていないものが多かった。 形も四角だったり丸かったりさまざま。 ピラミッド型のものまである。 カップに直接入れるのではなく、ポットの中にティーバッグを入れて使うせいかもしれない。 確かに、”お湯を入れたマグにジョボジョボとティーバッグを浸して、引き上げたものは小皿に乗せておいて、また飲みたくなったらそれを再びマグの中へ”というやり方より衛生的。 ポットのほうがお茶の香りも良く出る。

◆スコーン(Scone

すっかり紅茶のお供として日本でも有名になったスコーン(Scone)…焼き立てをいただきながら紅茶を飲むのは至福。スコーンにつけるクリームは「クロテッド・クリーム」または「デボンシャー・クリーム」といって、クリーム色をしたこってりねっとりしたあまり甘くないクリーム。二つに割ったスコーンにこのクリームをつけ、ジャムを塗っていただく。旅行中はスーパーで10個入り49ペンス(=100円)くらいのを買っておいて、おなかが空いたらつまんでいる。レシピはこちら

◆ジャム/マーマレード

ティータイムのお供に活躍するジャムだが、一般的ないちごジャム、マーマレードのほかに、ありとあらゆる種類のジャムが売られている。 その中でも好きなのがグーズベリーとルバーブのジャム! カリカリのトーストや熱々のスコーンにつけると、紅茶を何杯でもお代わりしたくなってしまう。


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