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『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe (2005)

監督:Andrew Adamson
原作:C.S. Lewis

Story

第二次世界大戦中のイギリス。ペベンシー家の四兄妹は疎開先のお屋敷で古い箪笥を見つけ、その中を通って人間のように言葉を話す動物たちがいつ不思議な国ナルニアに来てしまう。そこは白い魔女が100年もの間クリスマスも来ない辛く長い冬にしてしまっていた・・・。

Check!

戦火を避けて疎開先へ

この作品の時代設定は第二次世界大戦中。庭に防空壕が掘られており、ドイツ軍の空襲があるとそこに逃げ込むようになっている。ペベンシー四兄妹は安全のために母と別れて田舎に疎開することになった(Didcot行きの列車が出ていることから、おそらく母子が別れを惜しむ駅はパディントン駅という設定)。
戦時下のイギリスは食料をはじめとする物資も大変不足していた(『チャーリング・クロス街84番地』 84 Charing Cross Road (1986)からも当時のイギリスが食糧不足だったことが分かる)。エドマンドがターキッシュ・ディライト(菓子、別項で説明)に釣られるのはまだわかるが、ルーシーがタムナスさんの"イワシの缶詰をあけてあげる"という言葉に目を輝かせて付いていってしまうのも食糧不足のなせる業だろうか。

ターキッシュ・ディライト(Turkish Delight)

エドマンドを誘惑するために白い魔女が与えたお菓子「ターキッシュ・ディライト」。"トルコの悦び"という意味を持つこのお菓子は、現代のイギリスでもよく食べられている。和菓子の"ぎゅうひ"というか、オブラートの付いていない"ボンタン飴"のような食感で、ピンク色のものはローズウォーター、黄色いものはレモン汁が香り付けに入っていることが多いようだ。表面には白い粉をまぶされており、エドマンドも口の周りを粉だらけにして食べていた。
http://britannia.cool.ne.jp/a_z/turkish_delight.html

wikipediaのTurkish Delightの項(英語)
レシピなど詳しい解説が掲載されている
http://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_Delight

カーク先生の屋敷

ペベンシー四兄妹の疎開先となったのは、カーク先生という学者の屋敷。駅に着いた四人を家政婦のマクレディさんが簡単な馬車で迎えに来ていた。映画にはあまり登場しないが、原作ではこの屋敷に何人もの使用人が働いていることが分かる。(原作にはこの屋敷は見学者がよく訪れるほど見所のある立派な屋敷であることが描かれており、マクレディさんが見学者たちを案内しようとやってきた足音を聞いて四人がたんすの中に逃げ込む場面がある。)
ナルニアへの入り口となる箪笥(ワードローブ)をはじめ、この屋敷には由緒ありげなアンティークがあふれている。この箪笥の中には高価そうな毛皮のコートがたっぷり吊られており、かなり裕福な家庭のものであることが伺える。

クリケット

ルーシーはまだ小さいので参加しないが、ピーター、エドマンド、スーザンの3人はカーク先生の家の庭でクリケットをして遊んでいる。クリケットを好むということも、アッパーミドルクラスの子供たちらしい。原作第二巻の冒頭では四人がそれぞれ男子校・女子校の寄宿生パブリックスクールに向かうために汽車に乗ろうとする場面がある。

フィッシュ&チップス、ティータイム

ビーバーさん夫妻の家でペベンシー兄妹は暖かなおもてなしを受ける。ビーバーおくさんは"フィッシュ&チップスよ"ととれたての魚をフライにしてくれる。ティータイムには毛糸を編んで作ったポットカバーを付けたポットで紅茶を飲んでいる。

原作者C.S.ルイス(1898-1963)

北アイルランド ベルファスト生まれの作家・学者で、『指輪物語』のトールキンとも深い親交があった。アンソニー・ホプキンス主演『永遠の愛に生きて』Shadowlands(1993)はアメリカの詩人ジョイ・デービッドマン・グリシャムとの出会いから恋、死別までを描いた映画。ルイスとも親しく暮らしていたジョイの息子ダグラス・グレシャムは、この作品のラジオ・アナウンサー役として声のカメオ出演をしている。
原作者C.S.ルイスにはキリスト教に関する著作も多数あり、アスランの描写などにキリストの隠喩を見て取ることが出来る。
http://en.wikipedia.org/wiki/C.S.Lewis

ロケ地

Bewdley Station, Severn Valley Railway, Worcestershire

その他
ニュージーランド
チェコ共和国
ポーランド
アメリカ

キャスト

Georgie Henley .... Lucy Pevensie (末っ子)
Skandar Keynes .... Edmund Pevensie (次男)
William Moseley .... Peter Pevensie (長男)
Anna Popplewell .... Susan Pevensie (長女)

Tilda Swinton .... 白い魔女
Kiran Shah .... Ginarrbrik (白い魔女の手下の小人)

James McAvoy .... タムナスさん(フォーン)
James Cosmo .... サンタクロース
Patrick Kake .... Oreius(セントール、ナルニア軍隊長)
Lee Tuson .... 巨人ごろごろ八郎太

Jim Broadbent .... カーク先生(Pevensie兄妹の疎開先の主人)
Elizabeth Hawthorne .... マクレディさん(Kirke先生のハウスキーパー)
Judy McIntosh .... Pevensie兄妹の母

[声の出演]
Liam Neeson .... Aslan (ライオン)
Ray Winstone .... ビーバーさん
Dawn French .... ビーバーおくさん
Rupert Everett .... Fox
Douglas Gresham .... Radio Announcer
Michael Madsen .... モーグリム (オオカミ、魔女の手下)

参考資料とソフト

http://us.imdb.com/title/tt0363771/

オフィシャル・サイト
http://NARNIA-jp.com
http://disney.go.com/disneypictures/narnia/


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