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『ケミカル51』The 51st State (2001)

監督:Ronny Yu
脚本:Stel Pavlou

Story

薬学部を出ながらも薬剤師免許を剥奪されてしまったエルモは、ドラッグの調合等、非合法な世界でその才能を発揮していた。彼が作り出した強烈な効き目を持つ究極のドラッグPOS-51をめぐって、アメリカ・イギリス両国の裏社会の人間たちの間で争奪戦が始まる。イギリスの大物ディーラーに招かれリバプールに渡ったエルモは、アメリカ人嫌いのフットボールマニア フィリックスと出会い、ケンカしながらも奇妙な友情が芽生えてゆく。そこにフィリックスの元恋人や ナイトクラブのオーナー、スキンヘッズのネオナチ少年たち、アメリカからの追っ手も加わって・・・

Check!

スコットランドの民族衣装キルト

エルモは黒人だが姓は「McElroy」というスコットランド風のもの。黒人がスコットランドの民族衣装であるキルトを着て、腰にスポーラン(袋)を下げている様子はあまりにもインパクトが大きい。スポーランの中にはドラッグがたっぷり入っている。さらに、スコットランド発祥のスポーツであるゴルフの用具一式も持ち歩いている。

アメリカ人嫌い

フィリックスは大のアメリカ人嫌い。昔の恋人ダコタ(ドーン)が自分を捨ててアメリカに行ってしまったことも、その遠因のひとつかもしれない。「アメリカ人が俺に"どこで英語を習ったんだ?"なんて聞きやがった!」と憤慨しているが、確かに彼の英語は標準語とは程遠い訛り方なのだが。

アメリカで暮らし現地の暮らしに溶け込んでいたはずのドーンも、「故郷に帰れ」と言われて思わず「シャイト!(sh*tのイギリス的な言い方)」と悪態をつく。

一方でアメリカ人たちもイギリスを見下しており、リザードは「イギリスなんてアメリカの51番目の州だ」などと馬鹿にする。

ヴァージンでイギリスへ

エルモがアメリカからイギリスに行く際に利用したのは、ヴァージン・アトランティック。ただし機内の風景の場面で撮影に使用されたのは、ガトウィック空港内にある訓練用のもの。到着した空港の場面は、マンチェスター空港で撮影された。

リバプールF.C.

フィリックスはリバプールF.C.の熱狂的なサポーター。ダコタの話によると、ベッドの中でも「Come on, Reds!!」と絶叫するほどだったという。リバプールの愛称(Reds=赤いユニフォーム)。
フィリックスが着ているのはFowlerの名が入ったユニフォーム。Fowlerはこの映画の公開2週間前にLeedsに移籍している。

マンチェスターユナイテッドのサポーターが集まるパブに入る時にフィリックスが「When you walk through a storm, Hold your head up high... 」歌っていたのは、リバプールの応援歌ともなっている「You'll Never Walk Alone」という曲。アンフィールド(リバプールFCのホーム)での試合の場面にも「You'll Never Walk Alone」という看板が見える。

ちなみに、アンフィールドのレセプションにいた人物を演じていたのは、リバプールを舞台にしたTVシリーズ「Brookside」の出演者だとか。

リヴァプールの選手としてプレイしていたのは、実際はチェスターの選手たち。

LiverpoolF.C.
Anfield Road,
Liverpool L4 OTH
www.liverpoolfc.tv

リバプールv.s.マンチェスターユナイテッド

フィリックスがデュラントから報酬としてもらうことになっていたのは、翌日のサッカー(フットボール)の試合、リバプール-マンチェスターユナイテッド戦のチケット。人気強豪チーム同士の対決とあって、このチケットを手に入れるのは至難の業。イキがこの試合を観戦する客向けの特別室を用意していたが、このような試合で特別室を予約できると言うことは彼の力や人脈の幅広さを示すもの。

パブのある風景

リバプールF.C.の熱狂的なサポーターであるフィリックスは、マンチェスター・ユナイテッドのサポーター(Vodaphoneのロゴが入った赤いユニ着用)が集まるパブに、ひとりリバプールのユニフォーム(胸にカールスバーグのロゴ入り赤いユニ)を着て乗り込み、店の客たちを挑発する。
この店は看板に「Live Football」と掲げてあるように、試合のある日は店内で中継が見られる。イギリスでは地上波のTVで試合の中継をすることが少なく、衛星放送に加入していなかったり他のサポーターたちと一緒に盛り上がりたい人々は、このようにパブに集まって観戦することが多い。

フィッシュ&チップス

フィリックスが屋台で買ってきたイギリスの国民的ファーストフードであるフィッシュ&チップスを見て、エルモは「食糧難か?」と文句を言う。フィリックスは「美味しい食事がしたければパリにでも行け」と、そして「フランス人もアメリカ人が嫌いだ」と付け加えることを忘れない。結局F&Cが気に入らないエルモは、車の窓から投げ捨ててしまった。

fag

Port Liverpool Hotelのエレベーターの中で、フィリックスは「(キルトを指して)そのスカートを買うのにいったいいくら払ったんだ?」と尋ねたすぐ後に「fag?(タバコ吸う?)」と煙草の箱を差し出す。英語では「fag」はタバコを意味するスラングだが、米語では「オカマ」を意味する差別用語。"スカート"の話をした直後だけに誤解を招きかねない。

「左を走れ!」

アメリカでは車は右側通行、イギリスでは日本と同じく左側通行。カーチェイスで、アメリカ人のエルモはつい道路の右側を走ってしまい、注意される。真っ赤の派手なジャガーで狭い路地を走り抜ける手に汗握る場面。その後に登場するオンボロのミニ・クーパーとの落差が笑える。

イギリス人の食生活

ホテルで取引のために集まったデュラント一味とエルモ。ルームサービスには、イギリス風のソーセージなどをオーダーしていたようだ。あの混ぜ物の多いむっちりした英国風ソーセージを。

フィリックスの家でエルモとダコタに出されていた朝食は、フル・イングリッシュ・ブレックファスト。目玉焼き、ベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズ(大豆のトマト煮)、焼きトマト、焼きマシュルーム、そしてブラックプディング。ブラックプディングを「豚の血が入ったソーセージ」と説明され、米国人のエルモは嫌な顔をする。

 

ロケ地

リヴァプール

その他

キャスト

Samuel L. Jackson .... Elmo McElroy
Robert Carlyle .... Felix DeSouza
Emily Mortimer .... Dakota Phillips(殺し屋・Felixの元恋人)

Meat Loaf .... The Lizard (米国人ドラッグディーラー)
Sean Pertwee .... Detective Virgil Kane (悪徳警官)
Michael Starke .... Arthur(警官・Kaneの相棒)
Ricky Tomlinson .... Leopold Durant (大物ドラッグディーラー)
Rhys Ifans .... Iki (ナイトクラブオーナー)
Anna Keaveney .... Shirley DeSouza (Felix の母)

参考資料とソフト

http://uk.imdb.com/title/tt0227984/

国内盤DVD
特典:音声解説、CM集等

(2001年 英=米=カナダ 92分)


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