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タイトル*つ


『追憶のアイルランド』 I Could Read the Sky (1999)

監督・脚本:Nicola Bruce
原作:Timothy O'Grady/Steve Pyke(小説)
音楽:Iarla O'Lionaird

■Story

ロンドン、ケンティッシュ・タウンにあるフラットの一室。ベッドに横たわるアイルランド移民の老人の過去がフラッシュ・バックのように蘇る。田舎の大家族で育った少年時代、アメリカやイギリスへと散り散りに渡っていった兄弟姉妹のこと、アコーディオンと着替えの詰まったトランクだけ持ってリバプール行きのフェリーに乗り込んだこと、イングランドに渡り工事現場を渡り歩いていた壮年期、愛する妻の死・・・。全編に流れるアイリッシュ音楽が美しい。

 

■Check!

□大家族

アイルランドの片田舎に育った老人は大家族で兄弟姉妹が多かった。長兄のダーモットは農場を継いだが、他の子供たちはニューヨークやイングランド各地、ロンドンなど、新天地を求めて移民していった。

□偽名は"マイケル・コリンズ"

主人公を含めイングランドの工事現場では偽名を名乗る者が多かったようで、ある場所では「二人に一人が"マイケル・コリンズ"を名乗った」とか。参考:映画『マイケル・コリンズ』Michael Collins (1996)

イプスウィッチ、ノッティンガム、ケント、ベドフォード、コヴェントリー・・・と、現場を転々とし、その度に違う名前を名乗っていたようだ。

□リバプール行きのフェリー

アイルランドからイングランドに向かうフェリーはリバプールに着く。ここはアイルランド移民の玄関口で、アイルランド系住民も4割近くいる。主人公はここからBrit Railで移動した。

□じゃがいも

主人公は"苦手なもの"として、「芋のない食事」を真っ先に挙げていた。アイルランドの食事には必ずと言っていいほどつくじゃがいもへの思い入れは強かったのだろうか。

□パブで黒ビール

仲間と飲むのは、ブラウン・エールやスタウトなどの常温で飲む黒っぽい色をしたビール。

 

■ロケ地

アイルランド、ロンドン、リバプ ール他

■音楽

伝統的なアイリッシュ音楽の他、挿入歌としてシニード・オコナーの曲などが使われている。

■Awards

ロッテルダム国際映画祭Tiger Awardノミネート

■キャスト

Dermot Healy .... 老人
Maria Doyle Kennedy .... Maggie Doyle(妻)
Brendan Coyle .... フランシー(仲間)
Stephen Rea .... P.J.(従弟)
Aidan O'Toole .... ダーモット(長兄)
Calm O'maoneae .... マーティン(兄)
Jake Williams ....
Roy Larkin ....

#IMDbにStephen Raeで登録されているのはReaの誤り。

(1999年 アイルランド=イギリス 86分)


『ツイン・タウン』 Twin Town (1997)

ドキュメンタリー出身のKevin Allenの初監督作品。製作総指揮に「Trainspotting」のDanny BoyleとAndrew Macdonaldが名を連ねている。

■Story

舞台は南ウェールズ海辺の田舎町スウォンジー。ドラッグ大好き悪ガキ兄弟JulianとJeremyが盗んだツートン・カラーのBMW 525を時速150kmでぶっとばす場面から物語が始まる。彼らは兄弟だが、いつも仲良くくっついていることから"3歳違いのツインズ"と呼ばれている。

"双子"の父親Fattyが町の資産家Brynから請け負った屋根の修理の最中に大怪我をして入院。ツインズは慰謝料をもらいにブリンの家を訪ねてきたが、小遣い程度の金であしらわれてしまう。怒ったふたりは仕返しを計画。ブリンらが楽しむカラオケ大会に入場を断られたツインズは、先日の恨みもあわせてブリンの愛娘Bonnyに××× ツインズに恨みを持っていたドラッグの闇取引に手を染める汚職警官Terryも加わって、壮絶な報復合戦が繰り広げられる。(犬好きな人にはツライかも)

波間に浮かぶウェールズのドラゴンの旗や民族衣装を着た少年楽団などのウェールズらしさと、ブラックな笑いにあふれた元気のいい作品。

■Check!

双子の家族

父は日雇いの賃金の安い仕事で糊口をしのいでいる。母は犬に話し掛ける時もウェールズ語。姉は風俗店の受付嬢で、お金を貯めていつかこの田舎町から逃げ出したいと思っている。双子は父がプラモデル作りに使う接着剤から、水パイプで吸うマリファナまで幅広く楽しむドラッグ好き。その上冒頭のベンツだけでなくいろいろな盗難車を乗り回している。

ブリンの家

町の実力者であるブリンはラグビークラブのオーナーでもある。双子の父ファティに修理を頼んだのは、ラグビーのクラブハウスの屋根だった。資産家なので、家は室内プールまである豪華なもの。○○(秘密!)の葬式後、ガーデン・パーティで故人(?)の好きだったソーセージ・ロールとWelsh Cakeを用意していた。

カラオケ

ナイトクラブ・バロンズでのカラオケ大会は大盛況。「I will survive」などのスタンダードナンバーが人気。カラオケ好きのダイは「東京はカラオケの本場だ!」と言っていた。
ウェールズ人は歌好きなことでも有名で男声合唱団もたくさんあるが、カラオケはそういった伝統文化を損なうものとしてとらえられているのかも。

ディラン・トーマス

Dylan Marlais Thomas (1914-1953)
スウォンジー生まれのウェールズが誇る郷土詩人。スウォンジーを「この醜くも素晴らしき町(This Ugly, lovely town)」と詩に記したことで有名。20歳でスウォンジーを離れ、ロンドンに出る。30代半ばに南ウェールズ・ラーンの町に戻り、ボート・ハウスと呼ばれる海辺の家を永住の地に選んだ。(現在はディラン・トマス博物館になっている。)歌手のボブ・ディランは自分の芸名をこの詩人にちなんでつけた。

スウォンジー(Swansea)

ウェールズ語でAbertawe。南ウェールズGower半島の付け根にある産業都市。ディラン・トーマスの時代には銅の精練業で栄えていたため煤煙で空が曇るほどだった。現在は海のリゾート地として発展。ロンドンPaddington駅から鉄道で3時間ほど。

キレた刑事Terryを演じるDougray Scottは、スピルバーグのSF大作「ディープ・インパクト」では、主演のTVレポーターと行動を共にするカメラマン役で出演。続く「エバー・アフター」では主演ドリュー・バリモアの相手役の王子様を演じる。

■ロケ地

Pant-Y-Celyn Road, Swansea, Wales


映画の冒頭の場面

Swansea railway Station, Wales


テリーとグレヨが到着した駅
駅前の地面に刻みつけられた言葉「ambition is critical」は詩人デービッド・ヒューズの言葉。

Mumbles Pier

ツインズの父親が水葬される場面

   

Mumbles Pier
Old Lifeboat Cottage, Mumbles Rd, The Mumbles, Swansea SA3 4EN
https://www.mumbles-pier.co.uk/

chemical plant, Baglan, Port Talbot, Wales

■キャスト

Llyr Ifans .... Julian Lewis
Rhys Ifans .... Jeremy Lewis
Huw Ceredig .... Fatty Lewis (”双子”の父)
Rachel Scorgie .... Adie Lewis (”双子”の姉)
Di Botcher .... Jean Lewis (”双子”の母)
Dorien Thomas .... Greyo (警官・Terryの相棒)
Dougray Scott .... Terry Walsh (警官)
William Thomas .... Bryn Cartwright (町の実力者)
Jenny Evans .... Bonny Cartwright (Brynの娘)
Sue Roderick .... Lucy Cartwright (Brynの妻)
Mary Allen .... Olive
David Hayman .... Dodgy (イングランド人・ドラッグ売人)
Brian Hibbard .... Dai Reese (カラオケキング・Bonnyとつきあっている)
Morgan Hopkins .... Chip Roberts (Daiの友達)
Sion Tudor Owen .... Dewi
Buddug Williams .... Mrs Mort
Ronnie Williams .... Mr Mort

(1997年 イギリス 99分)


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