『リタと大学教授(Educating Rita)』 のダブリンを訪ねて


『リタと大学教授』 Educating Rita (1983)

『アルフィー』 (1966) のルイス・ギルバート監督作品。 マイケル・ケイン&ジュリー・ウォルターズを主演に迎えた、ロンドンで20年間続演されたウィリー・ラッセルによる舞台劇の映画化。舞台でもJ・ウォルターズがリタ役を演じていた。 設定はイングランド(おそらくリバプールあたり)だが、撮影はアイルランド・ダブリンで行われている。


Trinity College

ブライアント教授が教鞭を取る大学のロケ地として、アイルランド最古の伝統ある大学、トリニティ・カレッジが選ばれた。

トリニティ・カレッジはアイルランド最古の大学(1592年、エリザベス一世の勅許により創立)で、最高の教育機関として知られている。 かのオスカー・ワイルドやサミュエル・ベケットもここで学生時代を過ごした。

このトリニティ・カレッジには「ケルズの書」という世界で最も古く(9世紀初頭)典麗な装飾写本のひとつがある。 ケルト美術に興味のある方は必見。 このラテン語の福音書は、アイオナ島の修道院の僧によって写本されたと言われており、バイキングの侵略を避けるためにダブリン北部Kells Abbeyにもたらされたもの。 他に「ダロウの書」「アーマーの書」という装飾写本も展示されている。

古めかしい皮表紙の書籍で天井近くまで覆い尽くされた図書館(ロング・ホール)は壮観。 アイルランド最古のハープもこのロング・ホールに展示されていた。

ここのミュージアム・ショップの充実ぶりには目を見張った。ケルズの書をモチーフにしたケルト模様グッズ、タラ・ブローチやクラダー・リングなどのアクセサリー、ワイルドやジョイス、イエイツなどをモチーフにしたアイルランド文学グッズなど、街の土産物屋より洒落た高級感あふれるお土産が揃っている。

正面玄関や中央の鐘楼など、このトリニティ・カレッジで撮影された映画『リタと大学教授』の世界そのもの。 ふっと建物からマイケル・ケイン演じるブライアント教授が歩いてきそうな錯覚にとらわれる。

 

 

Trinity College and Old Library

住所:Fellows Square, Trinity College, The University of Dublin, Dublin 2
www.tcd.ie

 


Stag's Head (Dame Court, Dublin)

「もっと違う歌があるはずよ・・・」 家族や親戚に囲まれながらも、リタがひとり孤独感を味わっていたパブ。

照明を落とした薄暗い店内は、ちょうどワールドカップのアイルランドチームの勝利に沸きかえっており、熱気にあふれていた。 映画に出てきた通りのついたてや窓ガラスの模様などに見入りつつ、クリーミーな黒い液体をじっくり味わう至福のひと時。


正面玄関

店内はダブリンっ子でごった返している

リタが座っていたところからも綺麗なステンドグラスやついたてが見える

Stag's Headという店名通り、鹿の頭が飾ってある。

フェニックス・パーク(Phoenix Park)

フランクがリタとウィリアム・ブレイクの話をしていた公園。

都市型公園としては世界最大規模の1730エーカーという広さを誇るこの公園には、アイルランド大統領官邸や警察本部、ダブリン動物園がある。 ロンドンのハイドパークの五倍というと、いかに巨大な公園であるかわかるだろう。

Phoenix」はゲール語で"clear water"を意味する"Fionn Uisce"が訛ったものだとか。 公園内にそびえるWellington Monumentは、ダブリン生まれのウェリントン公がウォータールーの戦いでナポレオンを打ち破ったことを記念したもので、ヨーロッパにあるオベリスクとしては最も高いものだそうだ。

 


Information

アイルランドへは日本からの直行便が出ていないため、英国ヒースロー空港乗換えか、他のヨーロッパ諸国で乗り換えていくことになる。 詳しくはアイルランド政府観光庁にお問合せを。

Trinity College、Stag's Headは市内の中心部にあり、徒歩で行ける範囲。 Phoenix Parkへは距離があるので、バスでどうぞ。


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