Kids on Leads 〜「子供には引き綱をつけましょう」?〜


 

イギリスでは、通りで犬同士がすれ違っても、めったに歯をむいて威嚇しあうことはない。イギリスの犬の躾の良さは定評があるが、時として「彼らは子供にも犬のような躾をしている!」と、外国人を驚かせることもある。

繁華街などを歩いていると、たまに犬のような散歩ヒモをつけられた子供を見かけることがある。 もっとも首にではなく、胴に巻き付けるような形になっているのだが。 手首と手首を結ぶ簡易型もある。 リールのような伸縮式になっていて、多少子供が動いても紐の方が伸び縮みするような散歩ヒモもある。これは日本の大型犬の飼い主が良く利用しているようなタイプを思い浮かべていただければわかりやすい。かなり大きくなった子供までつながれているのは不思議な光景だ。

ある日公園を歩いていると、またもや引き綱をつけた親子連れが向こうから歩いてくる。ふと足元の芝生に立っている看板に目をやると「Dogs on Leads(犬には引き綱をつけましょう)」。あまりのタイミング(?)に、しばし呆然としてしまった。

 


1999年7月27日改稿

筆者としてはイギリスの不思議な習慣「子供用散歩ヒモの利用」について、軽い揶揄とウィットをまじえて紹介しただけのつもりだったが、紐をつけられた子供がぞんざいに扱われているさまを目にして胸を痛めていらっしゃる方からご意見を頂いたので、書き手の意図がより明確に伝わるかたちに改稿した。

 


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