UK雑記帖

West End Girls & East End Boys 〜「階級」について〜


 

「新聞に見る階級」に引き続き、「階級」の話をもう一つ。

今から10年以上前、ペットショップ・ボーイズという二人組が「ウエスト・エンド・ガールズ」という曲を大ヒットさせた。

ロンドンは「シティ」…現在は金融の一大中心地になっている地域を中心に発展していったが、大まかに分けると「シティ」をはさんで西側が「ウェスト・エンド」、東側が「イースト・エンド」だ。

ウェスト・エンドはピカデリーからコヴェントガーデンあたりの劇場街、そしてショッピング街、平たく言えばちょっといいトコの人たちの集まる街である。 反対にイースト・エンドはコックニーとよばれる強いロンドン訛りがとびかう庶民の街。 観光名所も有名な店もないので観光地図には載っていないようなところだ。 元祖連続通り魔「切り裂きジャック」が震撼させたホワイトチャペルもこのイースト・エンド。 雰囲気ががらりと変わるのには驚かされる。
(註:厳密な定義では「コックニー」とはセント・マリ・ル・ボウ教会の鐘の音が聞こえる範囲で生まれた人のことを指す)

ペットショップ・ボーイズのヒット曲も、「ウエスト・エンドでお買い物するいいトコのお嬢さん」と、「イースト・エンド育ちのワーキング・クラスの青年」との出口のない恋…と解釈して聴けば、より味わい深いものになるのではないだろうか。


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