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タイトル*ロ


『ロック、ストック&ツー・スモーキング・バレルズ』Lock, Stock and Two Smoking Barrels(1998)

監督・脚本:Guy Ritchie
制作:Matthew Vaughn
音楽:David A. Hughes & John Murphy
撮影:Tim Maurice-Jones
編集:Niven Howie
美術:Iain Andrews
衣装デザイン:Stephanie Collie

29歳の新人監督ガイ・リッチーと26歳の製作者マシュー・ボーンという若いふたりが送り出した、痛快なエンターテインメント。1998年度1,140万ポンドという記録的ヒットを飛ばした。

Story

ロンドンの下町で一獲千金を夢見る四人組。カードゲームの達人エディは残りの3人が貯えた資金10万ポンドを賭けて、暗黒街の顔役ハリーを相手に大勝負に出るが、イカサマ・ポーカーではめられ50万ポンドという莫大な借金を背負うことに。1週間以内に払わなければエディたちの指を一本ずつ詰めていく・・・と脅される。ハリーは密かにエディの父親JDが経営するバーも狙っていたのだ。

まともな方法ではとてもそんな大金を作れない。4人は、隣室の悪党ドッグ一味が大麻を栽培しているお坊ちゃんウィンストンたちから麻薬と金を強奪する計画を立てていることを知り、それを横取りすることにした。

横取り計画のためにトムは闇商人ニックから二束三文の古い散弾銃を仕入れるが、実はその銃はハリーが泥棒コンビのディーン&ゲイリーに貴族のお屋敷から盗ませたアンティークだったのだ。

ウィンストンたちを襲撃したドッグたちから麻薬を奪い取った4人組は、JDのバーの常連ロリーに買い取らせようとするが、麻薬王ロリーはマリファナの出所に気付いて激昂。6組の男たちが組んづほぐれつ大混乱、気がつくと行く先々には死体の山、山、山・・・

4人の運命は?大金、麻薬、銃の行方は?最後に笑うのは一体誰なのか・・・?

騙し騙され、殺り殺られ。スリルと疾走感にあふれながらも独特のオフビート感覚が心地よい犯罪映画。笑って笑って最後の最後まで目が離せない!

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□タイトルの意味

*お手持ちの英和辞書で「lock」の項を引いてみて下さい。
lock, stock and barrel」とは、「銃の安全装置、銃床、銃身=銃の各部分みな」の意味から、成語で「全部、どれもこれも」を表すとある。

barrel(銃身)」を「Two Smoking Barrels」と言い換えたことで、この映画に登場する2丁のクラシカルな散弾銃の銃口から煙の立ち昇っているようなイメージを付与している。

□コックニー訛り

舞台となったイーストエンドは労働者階級が多く、この地域独特の訛りをコックニーという。(厳密に言うとSt.Mary-le-Bow教会の鐘の音が聞こえる範囲で生まれた者だけをコックニーと呼べるらしいが)「ei」が「ai」(たとえば"eighty"は"アイティ")、「th」が「f」に近い音で発音されるほか、「Stairs」のことを「apple & pears」と韻を踏んで言い換えるなど、イーストエンドの住人以外の人間が理解するのは、はなはだ難しい。一般のイギリス人向けに、英語の字幕が出る場面もある。

悪党ドック役のフランク・ハーパーは、イースエトエンドの精肉市場で10年近く働いた経験がある。また、エディ役のニック・モランの家族(父親が肉の運搬人)もこの地域の出身。バリー役のレニー・マクリーンもイーストエンド出身。

□偽香水売り

ロンドンの繁華街では、よくこういった怪しげな商品を路上で売っている人々がいる。なかにはサクラを使って人だかりを演出している売人もいるので注意が必要。私もロンドンでこうした場に居合わせたことがあるが、まずサクラが夢中になって商品を買うふりをして他のお客の購買意欲をそそる。冒頭でベーコンが路上で人を集めていた時も、最初に「買おう」と言い出したのは、サクラ兼監視役のエディ。

□パブリックスクール仲間

上流階級出身のWinstonは、落ちぶれたパブリックスクール出身の仲間たち(JWillieCharlie)と4人でマリファナ栽培に手を染めていた。彼らの家にはインド製のファブリックや絵画などが飾られている。

□交通監視員(Traffic Warden)

ロンドンのような都市部は特に路上駐車の規制が厳しいので、交通監視員に見つかったら後で罰金を払わなければならない。監視員が庶民に敵視されているのはどこの国でも同じか。

□歓楽街

ロンドンのSOHO一帯は大歓楽街となっている。ピープ・ショウ(のぞき小屋)、ポルノ・ショップなどが軒を連ね、ハリーのような暗黒街に生きる人間たちが活躍する。

□エディのフラット

地下鉄(地上を走っている区間だが)がすぐ近くを走っているような劣悪な環境。おまけに壁が薄いため隣室の会話が丸聞こえ。

□ミニ・キャブ

エディのフラットの隣はミニ・キャブ屋の営業所となっている。ミニ・キャブとはいわゆる「白タク」のこと。厳しい国家試験をパスした一般のタクシー・ドライバーと違って、比較的簡単に開業できる。ボラれることがないとは言えないので、乗る前にしっかり価格交渉を。流しのミニキャブより、電話帳で呼んだ方が安心。深夜の繁華街を歩いていると「Cab? Cab?」と声をかけてくる客引きも。

□キャスティングの妙

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ロケ地:ロンドン

Repton Boys Club(カード勝負の会場となったボクシング場)

Bethnal green Town Hall(ハリーの家。)

Battersea Bridge

St John Street, Smithfield (JDのbar)

CamdenTownの空き倉庫(ウィンストンのマリファナ工場)

Borough Market

Staples Market

Park Street

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Music

オーシャン・カラー・シーン、ストーン・ローゼズ、ロビー・ウイリアムスといった売れっ子の曲から、クラシカル・ナンバーまで多彩なUKサウンドが、憎いほど粋に使用されている。

この作品のオリジナル・サウンドトラックは、1998年度のBrit Awardsのベスト・サウンドトラックにノミネートされた。曲の合間に台詞も入っている。

1. Hundred Mile High City - Ocean Colour Scene
2. Hortif**Kinculturist - Steven Mackintosh
3. Police And Thieves - Junior Murvin
4. Spooky - Dusty Springfield
5. Muppets - P.H. Moriarty/Lenny Mclean/Victor McGuire
6. The Boss - James Brown
7. Walk This Land - E-Z Rollers
8. Blaspheming Barry - Lenny Mclean
9. I Wanna Be Your Dog - The Stooges
10. It's Kosher - Jason Flemyng/Stephen Marcus
11. Why Did You Do It - Stretch
12. I've Been Shot - Steve Sweeny/Frank Harper
13. Oh Girl - Evil Superstars
14. Guns 4 Show Knives 4 A Pro - Nick Moran/Dexter Fletcher
15. Zorba The Greek - John Murphy/David Hughes
16. The Payback - James Brown
17. It's Been Emotional - Vinnie Jones
18. 18 With A Bullet - Pete Wingfield

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Awards

1998年 東京国際映画祭・監督賞を受賞
1999年 UK EMPIRE MAGAZINE英国映画最優秀賞を受賞

 

キャスト

Nick Moran .... Eddy(カードの達人)
Jason Flemyng .... Tom(雑貨屋の奥で盗品売買を営む)
Dexter Fletcher .... Soap(料理人・4人の中で唯一のカタギ)
Jason Statham .... Bacon(腕力自慢・エディの同居人)

Sting .... JD (Eddyの父親・バーの経営者)
Stephen Marcus .... Nick the Greek (ギリシア人の闇商人)

[ポルノキング・ハリー一味]
P.H. Moriarty .... `Hatchet' Harry Lonsdale (暗黒街の顔役・ポルノ界の帝王)
Lenny McLean .... Barry the Baptist(ハリーの手下・借金の取立屋)
Vinnie Jones .... Big Chris (借金の取立屋)
Peter McNicholl .... Little Chris (Big Chrisの息子)

[大麻を栽培するお坊ちゃんたち]
Steven Mackintosh .... Winston
Nicholas Rowe .... 'J'
Suzy Ratner .... Gloria

[麻薬王Rory]
Vas Blackwood .... Rory Breaker (麻薬王)
Stephen Callender-Ferrier .... Lenny(Roryの部下)

[隣室の悪党たち]
Frank Harper .... Dog
Steve Sweeney .... Plank

[泥棒]
Jake Abraham .... Dean (リヴァプール出身の泥棒)

参考文献・ソフト

オフィシャルサイト(英語日本語)

国内盤DVD

サウンドトラック(国内盤輸入版

 

(1998年 イギリス 108分)


『ロック・ユー!』A Knight's Tale (2001)

監督・脚本:Brian Helgeland

Story

ロンドンはチープサイド育ちの貧しい屋根葺き職人の息子、ウィリアム。いつか騎士になりたいという叶わぬ夢を抱きながら騎士Sirエクターに従者として仕えていた彼は、Sirエクターが馬上槍試合(JOUSTING)中の事故で急死した時、主人に成り代わって出場し、見事勝利を収める。 その後もウィリアムは貴族だけが参加を許される馬上槍試合に身分を偽って参戦し、試合を見に来ていた高貴な美女ジョスリンにも一目ぼれ。やがてロンドンに凱旋し宿敵アダマー伯爵との試合に挑むことになるが・・・。

階級や運命への挑戦、友情や恋を織り交ぜて、中世の騎士物語をクィーンやデイビッド・ボウイのロック・ミュージックと融合させた新感覚エンターテインメント。(ロケ地はチェコ。)

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□中世の雰囲気

貴族から平民まで槍試合に歓声を上げる競技場の雰囲気が楽しい。チョーサーがギャンブルをした相手にピーターという免罪符売りがいたが、この当時は教会が資金集めのために免罪符(これを買えば罪が赦されるという札)を盛んに売り出していた。

□サッチャー=屋根葺き職人

茅葺屋根の家をThatched Houseと呼ぶように、Thatcher(サッチャー)という姓は屋根葺き職人の職業に由来している。Taylor(仕立て屋)、Carpenter(大工)、Miller(粉ひき屋)、Smith(鍛冶屋)などの姓も同じこと。鉄の女こと元首相マーガレット・サッチャーも同じ姓。

ウィリアムの生まれ育った家はロンドンのチープサイドにあるが、ここは昔から低所得者層が多く住む庶民的な土地柄。

□騎士道

騎士道では貴婦人を敬い奉仕することを道徳とするため、試合に参加する騎士たちはジョスリンに向かって口々に「あなたのために勝つ」と献身をアピールする。

また、イギリスでは国王がナイト爵を授ける時に抜いた剣で肩を軽くたたく(dub)儀式があり、叙された者は一代限りだが「Sir」を名乗れる。

□ジョフリー・チョーサー(1340?-1400)

ウィリアムたちの前に素っ裸で現れた変な男ジェフことジェフリー・チョーサーは、14世紀イギリスで活躍した実在の文筆家。代表作『カンタベリー物語』で知られ、フランスやスペインにもたびたび旅行していたらしい(スパイだったという説もある)。

ウィリアムの"Herald"をかって出るチョーサー。字幕では"Herald"を「紋章官」と訳していたが、この場合は「布告者、伝令官」でないと意味が通じない。これから試合に出場しようとする主人の来歴を高らかに読み上げて観客に伝える役。まるでK1やPrideの司会のようなノリだ。

『カンタベリー物語』The Canterbury Tales(1971)

□エドワード黒太子(1330‐1376)

皇太子という高貴な身分を隠して試合に参加していたのは、「ブラック・プリンス」ことイングランド王エドワード三世の皇太子。黒い鎧をつけていたことから「ブラック・プリンス」と呼ばれた。父王エドワード三世が1337年に始めた対仏百年戦争に参加し、フランスで大いに軍功を挙げた。残念ながら彼は王位を継ぐ前に亡くなってしまったため、息子がリチャード二世(シェイクスピアの史劇で有名な)として即位した。

□音楽

スコアはカーター・バーウェル。挿入歌はクィーンやデイビッド・ボウイなどのロック・ミュージック。

"We Will Rock You" by Queen
・・・ウィリアムの初めての試合の場面
"Low Rider" by WAR
"Takin' Care Of Business"by Bachman-Turner Overdrive
"Golden Years"by David Bowie
・・・ウィリアムとジョスリンのダンスの場面
"Further On Up the Road"by Eric Clapton
"Get Ready"by Rare Earth
"I Want To Take You Higher"by Sly & The Family Stone
"The Boys Are Back In Town"by Thin Lizzy
・・・ウィリアムたちがロンドンに来た場面
"You Shook Me All Night Long"by AC/DC
"We Are the Champions"by Robbie Williams + Queen

キャスト

Heath Ledger .... William Thatcher (屋根葺き職人の子)
Rufus Sewell .... アンジュー伯Adhemar(ウィリアムの宿敵・槍試合のチャンピオン)

Mark Addy .... Roland (Williamの仲間・元Sir Ectorの従者)
Alan Tudyk .... Wat (Williamの仲間・元Sir Ectorの従者)
Paul Bettany .... Geoffrey Chaucer(文筆家)
Laura Fraser .... Kate(武具師)

Shannyn Sossamon .... Jocelyn (ウィリアムが恋する美女)
Berenice Bejo .... Christiana(Jocelynの侍女)

Scott Handy .... Germaine
James Purefoy .... 騎士Sir Thomas Colvilleことエドワード黒太子
Leagh Conwell .... 少年時代のウィリアム
Christopher Cazenove .... John Thatcher (ウィリアムの父・屋根葺き職人)
Nick Brimble .... Sir Ector (ウィリアムの主人・急死する)

参考資料とソフト

オフィシャル・サイト
http://www.spe.sony.com/movies/aknightstale/
http://www.spe.co.jp/movie/rockyou/

国内盤DVD--ピクチャー・ディスク仕様
[DVD映像特典]
撮影の舞台裏とインタビュー (11種、33分)
未公開シーン (6種)
ミュージック・ビデオ “WE ARE THE CHAMPIONS”ロビー・ウィリアム+クイーン
音声解説 (監督+ポール・ベタニー)
メイキング・ドキュメンタリー
フィルモグラフィ
オリジナル劇場予告編集

サウンドトラック
サウンドトラック輸入盤(1)/(2)

(2001年 アメリカ 132分)


『六年目の疑惑』The Naked Edge (1961)

監督:Michael Anderson
脚本:Joseph Stefano
原作:Max Ehrlich _First Train to Babylon_

Story

ロンドンのある会社で、社長が刺殺されたうえ社内にあった現金6万ポンドが盗まれるという事件が起こる。残業で現場にいたジョージ・ラドクリフは、同僚のヒースが犯人であると証言する。傍聴していた元弁護士クレイは裁判所を出たラドクリフを尾行し、脅しめいた文句を口にして去る。

6年後、運送会社を買収し事業を成功させたラドクリフは、何不自由ない豊かな生活を送っていたが、妻のマーサは遅配された古い手紙を見てあの殺人事件の真犯人は夫ではないかと疑惑を抱き始める。夫を信じたいと思いながらも、調べれば調べるほど疑いは強まる。やがてマーサ自身の身にも危機が迫るが・・・?

ゲーリー・クーパー最後の作品。

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□貧富の差・階級の差

事業に成功したジョージのオフィスは、窓からタワーブリッジが見える眺めの良い一等地に立つ。自宅は広い庭のある一戸建てで、室内の調度品も見事な豪邸。

それに比べて、彼をゆすってきた元弁護士のクレイや、投獄されたヒース氏の家族が住むフラットの周辺は、日も当たらない陰気な高層アパート群で、建物から建物に洗濯物が張り巡らされている。その地区で立ち話するおばさんたちは薄汚れていてセーターに穴が空いていても気にしない。

そんなスラム街のような地域に、三つ揃いのスーツで身を固めたジョージや、仕立ての良いコートを着て高価そうな真珠のネックレスをつけたマーサが出入りするのは、いかにも不自然。通行人にもじろじろと眺められてしまう。

 

ロケ地

ロンドン(タワー・ブリッジなど)
Central Criminal Court, Old Baily Street
ホワイトクリフ

キャスト

Gary Cooper .... George Radcliffe (アメリカ出身)
Deborah Kerr .... Martha Radcliffe (ジョージの妻)
Eric Portman .... Jeremy Clay (元弁護士・ジョージをゆする)
Diane Cilento .... Mrs Heath(容疑者とされた男の妻)
Ray McAnally .... Donald Heath (ジョージの同僚・容疑者)
Hermione Gingold .... Lilly Harris (マーサの年上の友人)
Peter Cushing .... Mr Wrack(リリーの年下のつばめ?)
Michael Wilding .... Morris Brooke (ジョージのビジネス・パートナー)
Martin Boddey .... Jason Roote(刺殺された社長)

(1961年 英=米 99分 B&W)

 


『ロンドン・ドッグス』 Love, Honour and Obey (1999)

監督・脚本:Dominic Anciano / Ray Burdis・・・『ファイナル・カット』(1998) のコンビ
公開時コピー:「右手にピストル、左手にマイク」

検索用:ロンドン・ドッグズ

Story

ギャングの世界に憧れる郵便配達夫のジョニーは、幼なじみのジュードの口利きで彼のおじであるノース・ロンドン一のギャングのボス、レイに紹介してもらい、一味に加わる。美人女優セイディとの結婚を控えた幸せなレイは仲間たちとのカラオケが何よりの楽しみ。 激しいバイオレンスや抗争を夢見るジョニーは、サウス・ロンドンのギャングのコカインを盗んで長年くすぶっていた北と南の抗争に火をつけてしまった・・・

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□原題「Love, Honour and Obey」とは

「汝は(相手を)愛し、敬い、従うことを誓いますか?」結婚式の誓いの定番として、キリスト教圏ではなじみの深い言葉。

□ノース・ロンドンとサウス・ロンドン

テムズ川をはさんで、イーストエンドを含む北側がレイの縄張り、ブリクストンなどを含む南側がショーンの縄張り。メイキング映像によると、北のギャングは服装もラフだが(たとえばジョニーはKangolのジャージなどを着ている)、南のギャングはブランド物の服を着て高級車を乗り回していると説明されている。

北の構成員がほとんどアングロ・サクソン系であるのに対し、南側はウェールズ人や黒人も混じった多国籍編成。 ウェールズ人のマシューは自宅で家族と過ごしていたときに興奮してウェールズ語を口走る。 また、ノース・ロンドンを襲撃するときに、「くたばれアングロ・サクソン!ウェールズの力を思い知れ!(You fuckin' Anglo-Saxon, Enter the fuckin' Dragon)」と叫ぶ。ドラゴンはウェールズの象徴なので。

□田舎に引っ込んで農夫をやりたい

ギャングに憧れる郵便配達夫ジョニーとは対照的に、当のギャングのボスレイはカントリーサイドに引っ越して農夫をやりたいなどと夢見ている。カントリーサイドに隠居してゆったりした暮らしを営みたいと考えるイギリス人は多い。

□女優セイディ

タブロイド紙の見出しを見ると、"Soap Sadie"云々・・・と書かれているので、彼女はソープ・オペラの人気女優であることがわかる。 ソープ・オペラとは昼メロのようなもの。 彼女のでっち上げられたスキャンダルがタブロイド紙の一面を飾るということは、かなりの人気があるということか。

□Karaoke

意外にもイギリスでもカラオケ(カリオーキと発音されている)は大人気。『ツイン・タウン』(1997)などではカラオケ大会が開かれているくらいだ。

□パブ

ノース・ロンドンのギャングたちの溜まり場はパブ。入り口のところにドミニクとバーディスが見張りをしていて、サウス・ロンドンのギャングたちが入れないようにしている。

□Mug

たびたび登場するこのスラングは、イギリスでは「だまされやすいばか、くそ」という意味。

□「アラビアのロレンスみたいだ」

結婚式に使うティアラを調達するために、アラブの富豪に化けて宝石商を襲いに行く場面。 アラブの民族衣装を着てバイアグラ(性的不能治療薬)を面白半分に飲んでいたギャングたちは、「少年を前にしたアラビアのロレンスのようになるぞ」と冗談を言う。 『アラビアのロレンス』ことT.E.ロレンスは同性愛傾向があったことを踏まえてのジョーク。

□イギリスのきゅうり

バーディスを興奮させてあげようと、仲間の妻モーリーンがきゅうりをくわえている場面があるが、このようにイギリスのきゅうりは日本のものに比べるとかなり太くて長めでちょっと大味。

□イタリア語で興奮

モーリーンにイタリア語をしゃべらせて興奮しているのを見て、バーディスは妻にもイタリア語をしゃべらせようとする。(まるで『ワンダとダイヤと優しい奴ら』のようだが) 「アルマーニ」はまだいいとして、「クリスチャンディオール」はフランス人だし、「ヴィダル・サスーン」はロンドンのヘア&メイクアップ・アーティストなのだが。

□ラウンドアバウト

ボス車を運転していた太っちょのアラン。カーナビに「Roundabout(字幕では"迂回路"と)まで直進して」と指示される。ラウンダバウトとはイギリスによく見られるロータリー式交差点のこと。

 

ロケ地

Buxton Rd, Stratford, London

・・・ジョニーが郵便配達夫として働いている場面

Mile End Road,

Tesco's, Bromley-By-Bow, London

・・・マシューの車が落書きされているのが発見されたスーパーの駐車場
www.tesco.com

Capel Road, Forest Gate, London

・・・マシューの自宅

音楽

テーマソング:「フォース・オブ・ネイチャー」はノエル・ギャラガー(Oasis)によるもの。他に出演者たちによるカラオケ・ソングの数々が楽しめる。

Avenues and Alleyways - Jonny Lee Miller
The Harder They Come - Ray Winstone
When You Are a King - Sadie Frost
Rock On - Jude Law
Band of Gold - Denise Van Outen
Bullet - Jamiroquai
Fireball XL5 - Sean Pertwee
Burning Love - Kathy Burke & Ray Burdis
The Blue Peach - Thierry Lang
Overcrowded - Richard Hawes
Bacchus - Feelybooth
Oliver's Song - Thierry Lang
Sleeping With the Enemy - James Graydon

キャスト

[ノース・ロンドンのギャングたち]
Ray Winstone .... Ray Creed (ボス)
Sadie Frost .... Sadie (ボスの婚約者・女優)
Jonny Lee Miller .... Jonny (ジュードの幼馴染・元郵便配達夫)
Jude Law .... Jude (ボスの甥・名門校卒のエリートギャング)
Ray Burdis .... Ray Burdis(手下・性的不能に悩む)
Kathy Burke .... Kathy (Ray Burdisの妻)
Dominic Anciano .... Dom (手下・Burdisの相棒)
Denise Van Outen .... Maureen (Dominicの妻)
William Scully .... Bill (手下・アランと一緒に拷問される元特殊部隊隊員)
Perry Benson .... Perry 'Fat Alan' (手下・太っている)
Mark Burdis .... Mark (手下・結婚式を仕切る)

[サウス・ロンドンのギャングたち]
Sean Pertwee .... Sean (ボス)
Rhys Ifans .... Matthew (ボスの腹心&いとこ・ウェールズ人)
Trevor Laird .... Trevor (腹心の手下・黒人)

参考文献・ソフト

オフィシャル・サイト
UK / 日本(アスミック)
http://www.lovehonourandobey.com/

http://www.asmik-ace.com/London/

国内盤DVD(メイキング映像、予告編、キャスト紹介つき)

サウンドトラック(AmazonUS/UK)

(1999年 イギリス 98分)


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