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タイトル*そ


『草原とボタン』War of the Button(1996)

監督:John Roberts
製作:David Puttnam

原作は フランスのLouis Pergaud(ルイ・ペルゴー)が1912年に出した小説。この作品は『わんぱく戦争(La Guerre des boutons)』(1961)の舞台をアイルランドに移したリメイク。

Story

南アイルランドの渓谷を挟んだ隣町、バリー(漁村)とキャリック(町)の子供達のグループは互いに仲が悪く、毎日のようにケンカを繰り返していた。戦利品は少年の誇りの象徴でもある洋服のボタン。男のメンツを賭け智恵を絞ってぶつかり合う少年団の抗争は次第にエスカレートしていき・・・

 

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アイルランドの情景

子供の情景

ロケ地

Union Hall, Ireland
Skibbereen, Ireland
Rosscarbery, Ireland
Castletownshend, Ireland
West Cork, Ireland

キャスト

Barryの子供達:
Gregg Fitzgerald .... Fergus (リーダー)
Gerard Kearney .... Big Con
Anthony Cunningham .... Little Con
Darragh Naughton .... Boffin
Brendan McNamara .... Tim
Kevin O'Malley .... Fishy
John Cleere .... Peter
Thomas Kavanagh .... Riley
Eveanna Ryan .... Marie
John Crowley .... Pat
Stuart Dannell-Foran .... Tich
Danielle Tuite .... Fionnuala
Helen O'Leary .... Helen
Yvonne McNamara .... Maeve

Carrickdowseの子供達:
John Coffey .... Geronimo (リーダー)
Paul Batt .... Gorilla
Karl Byrne .... Mickey Moon
Barry Walsh .... Willie
Niall Collins .... Chick
Derek O'Leary .... Brendan
Rory White .... Bernard

Barryの大人たち:
Liam Cunningham .... バリー町の教師
Maureen Bennett .... 教師の妻
Johnny Murphy .... Jonjo(郵便屋)
Jim Bartley .... Fergusの父
Ger Ryan .... Fergusの母
Alan Devlin .... Mr Riley
Brid McCarthy .... Mrs Riley

Carrickdowseの大人たち:
Colm Meaney .... Geronimoの父
Bairbre Dowling .... Geronimoの母
Frank Kelly .... Gorillaの父
Martin Dunne .... Willieの父

子供達はアイルランドで行われた一般オーディションで選ばれた。

(1996年 イギリス 95分)

Video


『相続王座決定戦』 Splitting Heirs(1993)

製作総指揮&脚本:Eric Idle
監督:Robert Young
音楽:Michael Kamen

Story

ボーンマス公爵の跡取り息子ヘンリーと、ひょんなことから友人となった貧しいインド系移民の息子トミー。しかし、実はこのトミーこそが生まれて間もない頃に料理人の息子とすり替えられた公爵の息子だったのだ。

莫大な財産、美しい婚約者・・・自分のものになるはずだったものすべてを持っているヘンリー!クレイジーな弁護士に煽られ、トミーはヘンリーを殺して跡継ぎの地位を手にしようとするが・・・

モンティ・パイソンのEric Idleが、アメリカの人気コメディアン、リック・モラニスと共演したスラップスティック・コメディ。キレた弁護士を演じるJohn Cleeseの怪演も楽しい。

 

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舞台となった場所あれこれ

移民の街Southall:
トミーが育てられたSouthallはインド系移民が多く住むロンドン西部の下町。トミーの養親はNews Agent(=街角の雑貨屋)を経営。トミーは(金髪碧眼なのに)自分もインド人だと信じていた。

金融街シティ:
トミーは偶然にもボーンマス家の所有するボーンマス証券で、株式ブローカーとして金融街シティで働いていた。

ハロッズ:
ヘンリーが発見されたのは、高級デパートHarrodsの裏手にある電話ボックス。

64 Billingsgate Road:
クレイジーな弁護士が事務所を構えていたのは、ロンドン東部Billingsgate Road。

60年代の風俗

トミーの母である公爵夫人はアメリカ人で、60年代のラブ&ピース世代にどっぷりつかっていたので、自分の息子を「トーマス・ヘンリー・バタフライ・レインボー・ピース」と名づけた。

アメリカ人

ヘンリーは、パブ「リチャード三世」のことを指して、勝手に「ディック(リチャードの愛称)」と呼んでいる。アメリカ人は断りも無しにすぐ他人を愛称で呼ぶことを揶揄しているのか。ヘンリーはパブリックスクールを嫌い、アメリカで教育を受けていた。

置き去りにされた赤子

ボーンマス公爵の赤ちゃんは置き去りにされた時、モノグラム入りの毛布と、銀のガラガラ玩具という、いかにも貴族の子にふさわしいものを身に付けていた。

美女キティ

キティは元モデルで、ビール会社の社長令嬢。室内プールまでついた超高級フラットに一人暮らし。ヘンリーとの婚約記事は、ゴシップ好きで有名な「The Sun」紙の一面を飾った。

お屋敷拝見

ボーンマス一族が暮すサドラーズ邸は、観光客にも一般公開して見学させている。豪華な調度品、絵画、銀食器など貴族の館らしく見事なものがいっぱい。絵画に描かれているボーンマス家先祖代々の顔が・・・?

 

ロケ地

Southall(トミーの家周辺)
Shriram Mandr Hindu Temple, Southall

シティ周辺(タワー・ブリッジ)

Harrods

The Gunnersbury Park Museum
Address: Popes Lane, Acton, London W3 8LQ
Gunnersbury Park Museum

Longleat House, Whiltshire

南フランス(新婚旅行)

 

音楽

主題歌はエリック・アイドルが担当。

"SOMEONE STOLE MY BABY"
Words and Music by Eric Idle / Performed by Eric Idle

"LA MRE"
Music by Michael Kamen / Lyrics & Performed by Eric Idle

"I PUT A SPELL ON YOU"
Composed by Jay Hawkins / Performed by Nina Simone

 

キャスト

Eric Idle .... Tommy Patel
Rick Moranis .... Henry
John Cleese .... Raoul P. Shadgrind (弁護士)
Barbara Hershey .... Duchess Lucinda (
トミーの実母)
Catherine Zeta-Jones .... Kitty (ヘンリーの婚約者)
Sadie Frost .... Angela (トミーの秘書)
Stratford Johns ....
執事
Brenda Bruce .... Mrs Bullock (料理人)
Jeremy Clyde .... 14th Duke (
先代公爵・トミーの実父)

(1993年 アメリカ 86分)

Video


『狙撃者』 Get Carter (1971)

監督・脚本:Mike Hodges
原作:Ted Lewis _Jack's Return Home_
撮影:Wolfgang Suschitzky
音楽:Roy Budd

Story

ジャック・カーターはロンドンの暗黒街に生きるギャングスター。兄の葬式に参列するために故郷のニューカッスルに戻るが、しだいに兄の死因は事故ではなく何者かに仕組まれたものであると確信するように。 ニューカッスルを牛耳る地下組織に渦巻く嘘や裏切り。兄を殺した犯人像が見えてきた時、カーターの復讐が始まった・・・!
世界のイギリス映画好きの間でカルト的人気を誇る、クライム・アクションの傑作。

 

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ニューカッスル行きの列車

ロンドンからニューカッスルに向かう列車はKing's Cross駅始発。長距離列車なので食堂車がついており、洗面所設備もきっちりしている。目的地に着いた時にはとっぷり日が暮れてしまった。
注:列車のコンパートメントで、ずっとカーターの対角に座っていた男(反対側の窓際、カーターが食堂車から戻ってきた後タブロイド紙"The Sun"を読んでいた男)の指輪に注目。

ニューカッスルという街

舞台となったのは、どこか煤けたような色合いの重厚な煉瓦造りの建物が並ぶ街、ニューカッスル。煤けているのは長く重工業で栄えてきたためか。名前が挙がるIron BridgeSwing Bridgeは、ともに町の中心を流れるTyne川にかかる橋。

パブ

指を鳴らして「A pint of bitter ... in a thin glass.」とオーダー。やっぱりカーターが頼むビールは、ラガーじゃなくてビター(上面発酵の、常温で飲むコクのあるビール)でしょう。原作ではこのせりふの後に「Please」がついていたそうだが、映画版ではPleaseなし。仕事帰りの地元のオヤジたちが集まるようなパブで、バリッとスーツを着込んだカーターの存在は目立つ。

ビンゴ・ホール

カーターがマーガレットを待ち伏せしていたのは、彼女がビンゴ・ホールから出てきた時。マーガレットのようなワーキング・クラスの女性は、週末に大きなホールで催されるビンゴ大会が大好き。
参考:『ガールズ・ナイト』Girls' Night (1998)・・・工場勤めの女性たちが週末ごとにやってくるビンゴ大会を楽しみにしている様子が描かれている。

原作「Jack's Return Home」について

原作の舞台はニューカッスルではなく、作者が6歳まで住んでいたBarton-on-Humber(ドンカスター近郊)。

 

オリジナル(本作)とリメイクの違い

この作品はのちにリメイクが作られている。

リメイク:『追撃者』Get Carter(2000)・・・Stephen Kay監督作品、シルベスター・スタローン主演>オフィシャルサイト

舞台設定

オリジナル:ロンドンのギャングの一員(=幹部クラス)であるカーターが、故郷ニューカッスルへ帰る

リメイク:ラス・ヴェガスの借金取立て屋(=下っ端ということか?)カーターが、故郷シアトルへ帰る

カーターのルックス

オリジナル(撮影当時ケイン30代後半)は若くて細身、渋くてクール、セクシー、スタイリッシュ。 黒いロングのトレンチコートの下は、ネクタイをきっちり締めたスーツ姿。

リメイク(撮影当時スタローン50代前半)はちょっとくたびれているかんじで、ネクタイも崩している。年齢相応の疲れが顔や皮膚ににじみ出ており、両腕に大きなタトゥーを入れている。

カーターの性格

オリジナルはより複雑で謎めいた性格。点鼻薬やサプリメントを愛用していたり、食堂車のカトラリーをぬぐってから使ったり、人前でボスの妻とテレフォン×××をしたりという行動に端的に表れている。また、クールなようでいて内面には熱い感情を抱えている。

宿泊場所の違い

ケインのカーターはB&Bに泊まっているが、スタローンのカーターはホテル。(ゆえに、リメイクではあの印象的な年増の大家エドナは出てこない)

Doreenの描き方

Petra Markham演じるドリーンは、世間知らずで純情そうな、暗黒街とは何のかかわりもない世界に生きている少女。 ウールワースに勤めている設定。
Woolworth's: リバプール発祥の小売りチェーンで、イギリス全土に約800の支店を持つ。ニューカッスル周辺にもいくつも支店がある。

レイチェル・リー・クックのドリーンは、鼻にピアスをつけ、タバコをふかす翳のある性格。 裏社会の男と交際している。

衝撃の真実

カーターが知ってしまった真実の衝撃は、オリジナルのほうが数段大きく感じられる。

鼻ピアスの"オシャレで個性的なツッパリ娘"ではなく、学校を出てすぐスーパーで働き出すような"普通の女の子"があのような酷い目に遭わされてしまった・・・というギャップがあるからこそ、カーターの怒りや衝撃が伝わってくるのだから。

また、その事実を知ってしまうきっかけになった媒体についても、効果が大きく異なる。

オリジナルは普通のなんということもないフィルムなので、カーターは最初それと気づかず、笑顔さえ浮かべて眺めていた。 ゆえに途中で真実を知ったときの表情の変化が非常に劇的で、ドラマティック。

リメイクは、一見していかがわしい内容が入っていると想像がつくCD-ROMなので(ミッキー・ローク演じるポルノWebサイト経営者とのからみで)、最初から怪しんで再生しているため、意外性がない。

結末が決定的に違う

リメイクはハリウッド製らしく、めでたしめでたしハッピー・エンドだが、オリジナルには衝撃の結末が・・・!

キャスト

リメイク・・・キャスト、脇を英国勢が固めているので楽しめる。(オリジナルは下記参照)

ミランダ・リチャードソン .... Gloria Carter (カーターの弟の妻)
マイケル・ケイン .... Cliff Brumby (バー経営)
アラン・カミング .... Jeremy Kinnear (エリート・プログラマー)
その他レイチェル・リー・クック(カーターの弟の娘Doreen)、ミッキー・ローク(ポルノWebサイト経営者Paice)、グレッチェン・モル(ボスの妻)など

 

ロケ地


Newcastle

音楽

Roy Buddによる、最高にクールなテーマソングが有名。この曲はリメイクでも使われている。

Awards

1972年英アカデミー賞助演男優賞ノミネート(Ian Hendry)

1999年度英国映画協会によるベスト100作品:16位にランクイン

2001年2月Hot Dog Magazine(イギリスのDVD雑誌)が選ぶ英国映画50本のうち、堂々の一位

キャスト

[カーターとその周辺]

Michael Caine .... Jack Carter
Dorothy White .... Margaret(カーターの兄フランクの元愛人)
Petra Markham .... Doreen(カーターの兄フランクの娘・16歳)
Alun Armstrong .... Keith(カーターの旧友)
Godfrey Quigley .... Eddie (フランクの友人)
Rosemarie Dunham .... Edna(B&B大家)

[ロンドンのギャングたち]

John Bindon .... Sid Fletcher
Terence Rigby .... Gerald Fletcher
Britt Ekland .... Anna Fletcher(ボスの妻)
Tony Beckley .... Peter
George Sewell .... Con McCarty

[ニューカッスルの裏社会に生きる人々]

John Osborne .... Cyril Kinnear
Geraldine Moffat .... Glenda(愛人)
Ian Hendry .... Eric Paice
Bryan Mosley .... Cliff Brumby(クラブのオーナー)
Liz McKenzie .... Mrs Brumby
Glynn Edwards .... Albert Swift
Bernard Hepton .... Thorpe

ジョン・オズボーンは、アラン・シリトーらとともに"怒れる若者たち"を代表する作家のひとり。代表作は『怒りを込めて振り返れ(Look back in anger)』。1963年には『トム・ジョーンズの華麗な冒険』で、米アカデミー賞脚色賞を受賞。

Britt Eklandは、『007黄金銃を持つ男』のボンドガールとして知られる。

参考資料とソフト

http://www.getcartertour.co.uk/
ロケ地案内

 

国内版ビデオは廃盤? 大手レンタル店で探してみてください。

輸入版ビデオ(字幕なし)

Soundtrack_(UK Import盤)
二枚組Special Edition

原作: _Get Carter_ by Ted Lewis

(1971年 イギリス 112分)


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