『遥かなる大地へ』 Far and Away (1992)
トム・クルーズ扮するアイルランドの小作農とアメリカに近代的な自由を夢見ているニコール・キッドマン演じる地主の娘が、何もかも捨てて、ボストンに向かう蒸気船のデッキで、ニコールが優雅にお茶を楽しもうと、トムに用意をさせる。この時点での、二人の間の階級の差(立場の差でもある)を象徴しているシーン。トムはむっとしながらサーブするので、「この船代を払ってあげてるのはわたしよ。言っておくけど」などとニックはとどめの嫌味すら言う。このシーンの前にも、地主たち上流階級の奥方たちとニコールがお茶をしながら、カードゲームを楽しんだり、ピアノを演奏したり、とトムから見たら「あちら側の人」というニコールを描いている時にお茶が登場します。アイルランドのシーンでは、比較的二人ともIrishなまりに近いと思うんですが、ボストンに上陸してからはすっかりアメリカ英語になっているのがなんとも。

(by Kokkiさん・2002/6/2)

『日の名残り』The Remains Of The Day(1993)
日系イギリス人カズオ・イシグロが原作。アンソニー・ホプキンスが感情を表に出さないバトラー(執事)で好演。劇中、彼が銀のティーセットを捧げ持ってご主人用のアフターヌーンティーを庭に運んでくるところが印象的でです。貴族のマナーハウスの情景が映し出され秀逸。

(by きのっぴ教授さん・2002/3/6)

『ぼくの国、パパの国』 East Is East (1999)
パキスタン人の移民のパパとイギリス人ママの間に生まれた子供たち。(驚くほど子だくさん!!)その中の一人(たぶん4男?)がティーポットから紅茶を注ぎ、大きなガラスビンのミルクをカップにそのままダイレクトに(ミルクピッチャーなんて使わずに!)入れてお茶を飲んでいたのが印象的です。

(by Nicoleさん・2002/2/15)

『フィオナの海』The Secret of Roan Inish (1994)
小さな少女フィオナが、祖父母とともに囲むテーブルで飲むお茶のシーン。
海辺で仕事をするおじいさんに、お茶を届けに行って2人して飲んでいるシーン。
金銭的に豊かではなさそうなのに、素朴で豊かな気持ちにさせる心に残るシーンです。

(by pokichiさん・12/26)

『ハワーズ・エンド』Howards End (1992)
まず、「ハワーズエンド(題名違ってたらごめんなさい)」。
傘を間違えたのにも気づかず、自分の家に戻ってきた女性。その女性を追いかけてきた男性。傘を返してもらって、帰ろうとする男性に、女性の家族がしきりにお茶を勧めるシーンが、なんかイギリス人らしい(笑)。以降、この男性は、たびたびこの家を訪れ、そしていつしか、その女性と恋に落ちる(が、男性は既婚者)。

そして、「デリカテッセン」。お茶を飲むシーンとは、ちょっとニュアンスが違うけれど、主人公を助けたい一心で、肉屋の娘が主人公に眠り薬の入ったお茶を飲ませるシーンが、印象的。しかし、これって実際にあったすごく有名な噂が元になってたって最近知ったのであった。(噂だよね?)。

(by SAKURAさん・10/29)

*Cheeky註:Delicatessen『デリカテッセン』...最終戦争後のパリ郊外にある精肉店が舞台のカニバリズムをテーマにしたブラック・コメディ。(1991年 仏 100mins.)