「あれがハイドパーク、サーペンタイン湖…あの丸い建物がロイヤルアルバートホール!」飛行機がヒースロー空港へと向かう途中でロンドン上空を通った。心配されていた天気も綺麗に晴れ上がっていて、街並みまでくっきり見下ろせる。
入国審査も簡単に済ませいざ出発!ヒースロー空港のセントラル・コーチ・ステーションへと向かう。コーチとはイギリスでは長距離バスのことで、鉄道に劣らず発達した交通手段である。空港から直接地方へ出る場合、わざわざロンドン市内まで出てから鉄道で目的地まで行くより、このバスで行ったほうが時間もお金も大いに節約できる。チケットを買ってから待合室で他の旅行者達を眺めながら、売店で買った飲み物やお菓子を食べて過ごす。待合室の中まで雀がたくさん入ってきている。ヨーロッパの雀は日本のものと種類が違うらしく、実に人懐っこく向こうから近寄ってくる。
コーチに揺られて2時間45分、ウェールズの首都カーディフに到着。 「Croeso Cymru / Welcome to Wales」Cymruとは「ウェールズ」をさすウェールズ語だ。ここでは看板がみなウェールズ語と英語の2か国語表記。ヒースローを出たのが夕方6:20、カーディフに着いたのが夜の9:00。だが、緯度の高いイギリスはサマータイムの効果もあってまだまだ明るい。こんな時間だと言うのに半袖でも暑いくらいだ。明るいうちに今夜の宿探しをしなければ。
![]() Cardiff City Hall |
Cardiffへの交 通 コーチなら: 車なら: Intercity(鉄道)なら: |
駅前に貼ってあった地図で位置関係を確認し、B&Bが多いと言うタフ川沿いの通りに向かって歩き出す。前日まで寒くて雨続きだと言われていたのでウィンドブレーカーくらいは持っていたが、夏なので二人とも軽装だ。25Lのザックに一人当たり4kgくらいの荷物。 普通の店はもうみな閉まっていて、賑やかなのはパブとレストランくらい。カーディフ城の城壁にはたくさんの動物の形をした像があしらってあり、目を楽しませてくれる。 B&B街といっても思ったより数はなく、もう「No Vacancy(満室)」の札を掛けたところも多い。静かそうなところを見つけて訪ねてみる。少し薄暗くなりかけていたためもあってか、出てきたおばあさんはまるで魔女のように見えた。 一人14ポンドとカーディフにしては安いが、内装は値段に見合ってそんなにlovelyじゃない。ただ、一応部屋にTV、お茶セット、シャワー&トイレも付いているし、古いながらも掃除はきっちり行き届いていてちり一つ落ちていない。お年を召した方が仕切っているB&Bはたいていこんな風によく手入れされている。荷物を降ろしてシャワーを浴びて出てくると夫は長いフライトの疲れもあってかもう寝入っていた。私は備え付けのポットで湯を沸かして紅茶をすすりつつ、明日からの計画に胸を弾ませていた。 |
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