ウェールズ民族博物館 (Museum of Welsh Life)

翌朝7:30、朝食は私たちが一番乗りだった。 ジュースにシリアル、カリカリの薄切りトースト、ベーコン、ソーセージ、目玉焼き、焼トマト、焼マッシュルーム、紅茶の、フル・ウエルシュ・ブレックファストだ。 Weetabixという小判型に固められた胚芽入りのシリアルを牛乳の中でつぶしながら懐かしい味に舌鼓を打った。夫は大のコーヒー党なのだがイギリスで飲むコーヒーがそんなに美味しくないことに気づき、次の日の朝から紅茶ばかり飲んでいた。 昨夜魔女のように見えたおばあさんも、朝の光の中で見るときびきびと働くかくしゃくとした老婦人だ。手伝いをしている若い女性も他に2人いた。量がたっぷりしているのでいつも朝食には1時間近くかかってしまう。私たちが食べ終わる頃に眠気まなこの次の客が朝食に降りてきた。

支払いを済ませ宿に荷物を預かってもらい、カーディフ郊外にある「ウェールズ民族博物館(Museum of Welsh life)」に行くためにバス停へ。バスは1時間も遅れ、博物館お目当ての客が何組もうだるような暑さの中で辛抱強くバスを待っている。どうやら予定していたバスは突然運休になってしまったらしく、次のバスが来た。カーディフのダブルデッカーバス)は緑色だ。なぜか博物館までの往復切符よりもファミリー一日券のほうが安いと言われそちらを購入。お釣が出ないバスで、細かいのをあまり持ち合わせていないと言ったらアッサリまけてくれた。カーディフはウェールズの首都とはいえのどかなものだ。

バスの1日券カーディフ バスの一日に何度でも乗り降りできるファミリー・チケット(4人まで有効)。我々は2人だったが、ファミリーチケットの方が割安だったのでこれを買った。

 

ウェールズ民族博物館(草葺屋根の民家)「博物館」と名は付いているが、実際は大きな公園のようなもので広さは40ヘクタールもある。一回りするのに4時間はかかった。 起伏ある丘陵地を上ったり降りたりするので、良い運動になる。 ウェールズ各地から移築された農家や畜舎、さまざまな年代の家々が園内にぽつんぽつんと建っており、人々の暮らしに触れることが出来るようになっている。

面白いのが、何百年も前の畜舎の中に実際牛や豚が飼われていることである。 昔の染め物工房や木工所の中にも職人がいて黙々と何かを作っていたりする。 日本の○○博のパビリオンのように見物客がぎっしりと言う状態とは程遠く、中心から外れた工房などには全然人がこないのにひっそりと作業している職人さんもいて「こんなところに人がいたのか!」と、ドキッとさせられることもしばしばだ。何もかも自然のままにおいてあると言う趣で、家の中にも照明や説明板は特になく、明るい戸外から暗さに目が慣れるまでに時間がかかるのもまた新鮮。あるところで係員同士が全然聞いたことのない言葉を歌うような調子で話していた。多分あれがウェールズ語だったのだろう。

ウェールズ民族博物館(昔の雑貨屋の展示)

園内のあちこちで家畜が飼われている。 白豚、野豚、白羊、黒羊、馬… 遊歩道には園内を走るずんぐりとした馬の落とし物が湯気を立てている。 芝生の上には近所から来たらしい家族がお弁当を広げたり、ボール遊びをしたりしている。 本当に良いお天気。 中央の唯一の近代的な建物には各年代の衣装や農機具の展示や、土産物売り場、ティールームがある。 ここでは紅茶とウェルシュ・ケーキなどの素朴なお菓子をいただいた。


ウェールズの民族衣装

民族博物館のガイド

帰りのバス停で行きのバスに乗っていた人たちを何組か見かけた。 じっくりまわるとちょうどこれくらいの時間になるのだろう。 (日曜日でバスが一時間に一本しかなかったという事情もあるが)

バスは途中住宅地の中を抜けていくので、普通の人々の暮らしが覗けて面白い。 植え込みを大きなハサミで刈ったり、花壇に水をやったりして老いも若きもガーデニングにいそしんでいる。 何しろ、庭いじりはアンケートでも趣味の1位に常にランクされているそうだから。途中、やせたホルスタイン模様の変わった馬がたくさんいて一瞬牛かと思った。

陶芸の指導ウェールズ民族博物館(Welsh Folk Museum

Cardiff郊外St.Fargansにある野外博物館。ウェールズ各地から移築された古い農家や納屋、商店のなかで実際に家畜が飼われ、職人が黙々と作業をしている。

Access:
Cardiff
駅からバスで約20分。本数は一時間に一本くらい(1997年7月当時)


<<<Back   Next>>>

Copyright (c)1997 Cheeky All Rights Reserved
当サイトに掲載されている情報・記事・画像など、全ての内容の無断転載を禁止します。
引用される際は、必ず出典として当サイト名とURLを明示してください。