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『ベルベット・ゴールドマイン』 Velvet Goldmine (1998)

監督・脚本:Todd Haynes
脚本:James Lyons
衣装:サンディ・パウエル

Story

1984年、NY在住の英国人ジャーナリスト・アーサーは、10年前に時代の寵児としてもてはやされながらも偽装暗殺騒ぎを企て謎の失踪を遂げたグラム・ロック界のカリスマ、ブライアン・スレイドについて取材することになる。スレイドのデビュー前後のエピソードから、妻マンディとの出会いと別離、そしてカート・ワイルドとの愛と葛藤。スレイドの過去を探る記憶の旅は、自分のセクシャリティに悩み、田舎からロンドンに出てきてスレイドに夢中になっていたアーサー自身の過去を引き戻す媒介になっていた。そしてアーサーは目の前に信じられないものを発見するが・・・?
ビザールでグラマラス。グリッターな化粧と、羽毛の衣装を身につけた妖しい70年代ロンドンを描く。

Check!

グラム・ロック

グラム=グラマラス。1970年代初頭、ラブ&ピース世代やモッズ(*)に続いて突如として現れた、時代の徒花的存在のムーヴメント。両性具有的イメージ、グリッターな化粧が特徴的。デイビッド・ボウイ、T-REXのマーク・ボラン、Roxy Musicのブライアン・フェリーとブライアン・イーノなどが活躍。

プラットフォーム・シューズ(厚底ブーツ)、細眉、ラメを多用した化粧、ユニセックスな衣装・・・に代表される70年代の風俗は、そのまま90年代の日本でもリバイバル流行した。歴史は繰り返されるということか。

*モッズ=Modern Boysの略。細身のスーツを着こなしスクーターに乗ったスタイリッシュなファッションが特徴。映画『さらば青春の光』にも描かれている。ブライアン・スレイドも本格デビュー前、一時期モッズ・ファッションでキメていた時期があった。

モデルとなったアーティスト:デヴィッド・ボウイ

「ベルベット・ゴールドマイン」は、デヴィッド・ボウイが「スペース・オディティ」のシングルB面としてレコーディングした曲のタイトル。ブライアン・スレイドのモデルはデヴィッド・ボウイ、カート・ワイルドのモデルはイギー・ポップだと言われている。実際、D.ボウイがアルバム「ジギー・スターダスト」で人気の頂点を極めていた頃「私は舞台で暗殺される」と発言し引退宣言(1973年7月)をしたエピソードにもインスパイアされたとか。また、ブライアン・スレイドがバイセクシュアル宣言したのも、ボウイと同じ1972年のこと。しかしD.ボウイはブライアンの歌としてこの作品に楽曲提供することを断っている。自分自身にだぶって見えるところが多々見受けられるからかもしれない。

オスカー・ワイルド

19世紀末の作家オスカー・ワイルドから、グラムの先駆者ジャック・フェアリーへ、そしてブライアン・スレイドからカート・ワイルド、アーサーへと渡っていったエメラルド。ダブリンからロンドンに上京し、半ズボンに絹のストッキング、長髪という人目を引く服装で大英帝国の首都を闊歩したダンディ〜バイセクシュアルでスキャンダラスなこの伊達男の系譜が1970年代のグラム・ロッカーたちに脈々と受け継がれていったさまをあらわす心憎い演出だ。

また、ワイルドが遺したさまざまな洒落た言い回しもアレンジされて作中に活かされている。たとえば「人生の第一の意義はポーズを取ること。第二の意義はまだ誰も発見していない。」という台詞は「人生における第一の義務はできるだけ人工的になること。第二の義務はまだ誰も発見していない。」のもじりだろう。

アーサーの少年時代

マンチェスター郊外に育ったアーサー。ロンドンと違って田舎町では親や他人の目も意識しなくてはならないし、グラム・ロックのような"異形の美"に対する風当たりも強かった。アーサーがレコードショップでブライアン・スレイドのアルバムを買おうとすると、兄に「こいつはオカマの歌手(Pansy Rocker)に夢中なんだ」と馬鹿にされる。グラムのファンらしいファッションも、コートの下にかくして家を出る。

新聞いろいろ

"Top of the Pops"

ブライアンがビジュー・レコードの社長ディバインに見出されてから出演した番組だが、これは1964年からBBCで放映中の実在の人気音楽番組。
>>Top of the Pops

 

ロケ地

ロンドン

Blackheath, London(SE10)

マンチェスター

 

音楽:

1. Needle In The Camel's Eye - Brian Eno
2. Hot One - Shudder To Think
3. 20th Century Boy - Placebo(オリジナル:T-REX)
4. 2HB - The Venus In Furs(オリジナル:Roxy Music)
5. T.V. Eye - Wylde Rattz
6. Ballad of Maxwell Demon - Shudder To Think
7. The Whole Shebang - Grant Lee Buffalo
8. Ladytron - The Venus In Furs
9. We Are The Boys - Pulp
10. Virginia Plain - Roxy Music
11. Personality Crisis - Teenage Fanclub & Donna Matthews
12. Satelite Of Love - Lou Reed
13. Diamond Meadows - T. Rex
14. Bitter's End - Paul Kimble & Andy Mackay
15. Baby's On Fire - The Venus In Furs
16. Bitter-Sweet - The Venus In Furs(オリジナル:Roxy Music)
17. Velvet Spacetime - Carter Burwell
18. Tumbling Down - The Venus In Furs
19. Make Me Smile (Come Up And See Me) - Steve Harley

"2HB"
ブライアン・フェリーが、ハンフリー・ボガードに捧げた曲。ボガードの『カサブランカ』にある有名な台詞「君の瞳に乾杯(Here's looking at you, kid!)」が出てくる。

 

Awards

 

キャスト

Christian Bale .... Arthur Stuart(新聞記者/マンチェスター出身)
Jonathan Rhys-Meyers .... Brian Slade(グラム・シンガー/バーミンガム出身)
Ewan McGregor .... Curt Wild(アメリカ人ロッカー)
Toni Collette .... Mandy Slade(ブライアンの元妻・アメリカ人)
Eddie Izzard .... Jerry Divine (ビジュー・レコード社長)
Emily Woof.... Shannon (ブライアンのスタイリスト)
Michael Feast .... Cecil (ブライアンの最初のマネージャー)
Micko Westmoreland .... Jack Fairy (グラムの先駆者)
Osheen Jones .... Jack Fairy (7歳)
Alastair Cumming .... Tommy Stone (大物スター:1984年)
Janet McTeer .... ナレーター (声のみ)

Lindsay Kempがパントマイムの場面に特別出演。

Osheen Jones .... 1980年代に一世を風靡した歌手ハワード・ジョーンズの息子。RSC版『夏の夜の夢』、『タイタス』(小ルーシャス)など、名子役として活躍。

関連リンクとソフト・書籍

Official site(Miramax/Filmfour)

DVD

『グラム!―真実のベルベット・ゴールドマイン』
Barney Hoskyns/Todd Haynes・著、今野 雄二・訳(1998/11/01)徳間書店 ; ISBN: 4198609411

『ベルベット・ゴールドマイン―ストーリー・ブック』
トッド ヘインズ・著/大森さわこ・訳 (1998/11/01) 徳間書店

Amazon.Japan: Video(輸入版)/サウンドトラック

Amazon.com: Video/Book(Screenplay)/Soundtrack

(1998年 イギリス 124分)


『ベリー・アニー・メアリー』Very Annie Mary (2000)

監督・脚本:サラ・シュガーマン

Story

南ウェールズの谷あいにある小さな町オグー(OGW)。 アニー・メアリーは30代になってもまだ父親と同居しており、その抑圧から逃れられない。 彼女は15歳のときに出場した音楽コンテストで声楽の才能を見出されたものの、その直後に母を亡くし、本格的なオペラ歌手になる夢をあきらめてパン屋である父のもと、不器用だグズだと罵られながら家事手伝いをしていたのだった。おりしも町は年に一度のチャリティ・フェスティバルに沸いていた。今年の目標は結核療養中の少女ベセルをディズニーランドに連れて行ってあげることだった。 ある催しのさなか、町一番の美声の持ち主である父がパヴァロッティばりのテノールを披露していたところ、突然卒中に倒れてしまった。 これで自立した生活が送れると喜んだのもつかの間、父は命をとりとめ重い障害が残った。 アニー・メアリーがささやかながら自分の家を買いたいと貯めてきたお金も生活苦で取り崩し、日々父の介護に向き合う身となってしまう。そんな時、優勝者に多額の賞金が出るタレント・コンテストがカーディフで開かれるというニュースを聞き、親友のベセルのために出場しようと思い立ったのだが・・・。

Check!

歌う民族、ウェールズ人

パヴァロッティのお面をかぶって拡声器で自慢の美声を披露する村一番の歌い手アニーの父ジャック。 「歌が好きであること」はウェールズ人の国民性のひとつとして広く知られており、特に男声コーラスが有名。 病院から帰ってきたジャックを出迎えたり、カーディフでのタレント・コンテストから凱旋した一団を迎えるときも、男声合唱団が美しい声を聞かせてくれる。教会に集まった人たちもみんなで楽しそうに歌う。

Beven's Chip Shop

アニーの親友ベサンの家は、チップス(=フライドポテト)を中心とした揚げ物のファースト・フード店を経営している。チップスはイギリス人にとって最も人気があり身近なファーストフード。

タレントコンテストに出るブロドたちの集まりに顔を出した下宿人のフィリップも、エッグ&チップス(目玉焼きにフライドポテトを添えたもの)を食べている。

Hob-Nob

アニー・メアリーに歌のレッスンを受けているカップルのあだ名は「Hob」と「Nob」。「Hob-Nob」といえばイギリスで人気のあるビスケットの名前を連想したが、あらためて辞書でチェックしてみたら「仲良し」という意味があるらしい。

ちなみにこのふたりを演じている俳優のヨアン・グリフィズマシュー・リスは七歳のときからの大親友で、一緒にRADAで演劇を学びロンドンでもフラットメイトとして共同生活をしている。 親友同士で楽しそうに恋人の役を演じているのがまた面白い。

フル・モンティごっこ

子供たちが集まって庭で「フル・モンティ」ごっこをしている場面がある。 このように男性ストリップに使われるズボンは、ひっぱるとバッと一気に外れるように加工してある。

スーパーのある風景

どうやらこの町にある唯一のスーパーはco-op(生協)のよう。 イギリスのスーパーで売られているお徳用の食パンはビッグ・サイズ。 日本の食パンの2-3倍も入っている。 配達した食パンに「一袋30p(60円くらい)がいいところね」と言われてアニーが落胆する場面があるが、実際イギリスで売られている食パンは驚くほど安い。

ウェールズ語で教育

小学校では教室の壁にウェールズ語が添えられた子供の絵が貼ってある。近年になって民族固有の言葉であるウェールズ語を見直す動きが起こり、学校では英語・ウェールズ語両方での教育が行われているところが多い。道路標識や看板なども英語・ウェールズ語の二ヶ国語表記。

「その年で親元にいるなんて」

日本なら30代、40代になっても独身の子供が親と同居することは珍しくないが(結婚を機に独立することが多いのではないか)、イギリスの若者は高校を出る年齢になったら、学校や勤め先がたとえ親の家から通える範囲であっても、独立することが多い。 アニー・メアリーが30を過ぎても親の支配下にあることは、一般的なイギリス人から見ると奇異に映るようだ。

手作りのお菓子

パーティーの場面などに手作りのお菓子が出てくる場面が多いので注目。 アイシングがべっとりかかったケーキなど、見るからに甘そう。
三段になった皿にスコーンや焼き菓子が盛られていることも。

ブラック・プディング

イヴァンズ夫人がアニーの父に何かと世話を焼いている場面で、テーブルにブラック・プディングがのっている。ブラック・プディングはオートミールに豚の血を混ぜた太いソーセージ状の食べ物。

ロケ地

Pontycymer(Pen-y-Bont ar Ogwr), Bridgend, Wales

Cardiff, Wales

Millennium Stadium, Cardiff, Wales
http://www.millenniumstadium.sportcentric.com/

音楽

「誰も寝てはならぬ」オペラ「トゥーランドット」より
「帰れソレントへ」イタリアのカンツォーネ
「ヤングマン」byヴィレッジ・ピープル
「私のお父さん」プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」より
・・・この作品の軸が父と娘の葛藤であるだけに、このアリアの使われ方は非常に効果的。

キャスト

Rachel Griffiths .... Annie Mary
Jonathan Pryce .... Jack Pugh (Annie Maryの父)
Ioan Gruffudd .... Hob (雑貨屋・Nobの恋人)
Matthew Rhys .... Nob (雑貨屋・Hobの恋人・ブロドのいとこ)
Joanna Page .... Bethan Bevan (Annie Maryの親友・結核療養中)
Josh Richards .... Mr Bevan(Bethanの父)
Donna Edwards .... Mrs Bevan(Bethanの母)
Rhian Grundy .... Kelly, Bracket(コンテストに出場するポップ・グループ)
Wendy Phillips .... Megan, Hinge(コンテストに出場するポップ・グループ)
Anna Mountford .... Blodwyn, Minge(コンテストに出場するポップ・グループ)
Gwenllian Davies .... Gwenllian, Twinge(コンテストに出場するポップ・グループ)
Ruth Madoc .... Mrs Ifans(未亡人・Annie Maryの父の愛人?)
Rhys Miles Thomas .... Colin Thomas (Annie Maryが片思いしている青年)
Lynn Hunter .... Mrs Thomas (Colinの母)
Llyr Ifans .... Ginger(墓堀り)
Rachel Isaac .... 不動産屋
Ray Gravell .... Frank(賭け屋)
Radcliffe Grafton .... 町長
Kenneth Griffith .... 牧師
David Devreaux .... Phillip (ブロドの下宿人)
Morgan Hopkin .... Big fat walloper カーディフの太った警備員

レイチェル・グリフィス・・・オーストラリア出身の実力派。 イギリス関係の出演作品は
『シャンプー台の向こうに』Blow Dry (2001)
『ディボーシング・ジャック』 Divorcing Jack (1998)
『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』 Hilary and Jackie (1998)
『マイ・スウィート・シェフィールド』Among Giants(1998)
『日蔭のふたり』Jude(1996)

墓堀屋のLlyr Ifansは俳優Rhys Ifansの弟。『ツイン・タウン』Twin Town (1997)で共演している。

参考資料とソフト

日本ではNHK-BSで放映されましたがビデオ・DVDともに未発売。
DVD: amazon.co.uk(リージョン2ですがPAL変換のできるデッキでないと見られません)

Soundtrack CD:amazon.com/amazon.co.uk

(2000年 イギリス 104分)


『ヘンリィ五世』 Henry V(1945)

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『ヘンリー五世』 Henry V(1989)

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