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ガイ・フォークス・デイ, ボンファイヤー・ナイト


ガイ・フォークス・デイ | 火薬陰謀事件 | マザー・グース | ガイ・フォークス・デイが登場する映画 | 参考資料とリンク


ガイ・フォークス・デイ(Guy Fawkes Day)

イギリスでは、11月5日はGuy Fawkes DayまたはBonfire Nightと呼ばれ、各地で篝火(かがりび)が焚かれ花火が打ち上げられる。イギリスでは花火は秋から冬にかけての風物詩なのだ。 この日に向けて子供たちはありあわせの材料で"ガイ人形"を作って街を引き回し、「a penny for the Guy」と道行く人たちにお小遣いをねだり、当日花火を買う資金にしたりする。ガイ・フォークス・デイ当日は、そのガイ人形が篝火にくべられることになる。法王の人形も一緒に燃やされることもあるとか。

さて、このガイ・フォークス・デイにはどのような背景があるのだろうか。

 

火薬陰謀事件(Gunpowder Plot)

その起源は今から400年前に遡る。
1603年にエリザベス一世が跡継ぎを残さないまま崩御し、スコットランドのメアリー女王の息子である「スコットランド王ジェームズ六世」が、「イングランド王ジェームズ一世」としてイングランドとスコットランド両方を治めることになった。カトリック教徒の間で、自分たちをを弾圧するジェームズへの不満が高まり、国王を暗殺しようという計略が持ち上がった。それがガイ・フォークスを含む13人のカトリック教徒による陰謀「Gunpowder treason Plot」である。

この事件の首謀者は、カリスマ的リーダーRobert Catesby。ウェストミンスター宮殿(国会議事堂)を開会式の日に爆破することによって、劇的なかたちで国王ジェームズ一世と国会議員たちを亡きものにしようと企んだのだ。彼らは36樽の火薬(gunpowder)を用意し、貴族院の地下室に隠しておき、実行の日を待っていた。ガイ・フォークスは、1570年ヨークシャーに生まれプロテスタントとして育てられたが、後にカトリックに改宗する。スペイン軍に傭兵として加わっていたこともある。

ところが、仲間のひとりFrancis Treshamはカトリックの国会議員たちを巻き込むことに反対し、彼の義兄でカトリック議員である第四代Monteagle男爵William Parkerに、11/5には国会に近づかないよう伝える匿名の手紙が届けられた(10/26)。 Monteagle卿の報告によってこの陰謀が明るみにでた。この手紙は、既に内通者から情報を得ていた国王側の人間によって捏造されたものだとする説もある。

開会式前夜に国会議事堂が徹底捜索され、11月5日未明に36樽の火薬の点火係として地下室に潜んでいたガイ・フォークスが発見され、その場で逮捕された。
拷問などにより獄中で死亡した者たちを除いて、残りのメンバーは1606年1月末に公開処刑された。

この事件の名残で、イギリスでは現在でも国会の開会式前には、"the Yeomen of the Guard"と呼ばれる衛兵たちによってウェストミンスター宮殿中を大捜索することが伝統となっている。

 

マザー・グース(Nursery Rhyme

マザー・グースにも、この事件のことをうたったものがある。

Please to remember
The Fifth of November,
Gunpowder treason and plot;
I see no reason
Why gunpowder treason
Should ever be forgot.

出典:『マザー・グース (3)』
谷川 俊太郎(訳)平野敬一(監修) 講談社文庫

歌い出しを「Remember, Remember the fifth of November」とするもの、4行目を「We see no reason」または「We know no reason」とするものなど、様々なバリエーションがある。

 

ガイ・フォークス・デイが登場する映画

『シーズン・チケット』Purely Belter (2000)

フットボール(サッカー)のシーズンチケットを買うための資金作りをするにあたって、少年たちはまだ9月だというのにガイ・フォークス・デイ(11月5日)に燃やすための人形を作って街頭で売っている。 そのガイ人形もフットボールのユニフォームを着ている。

『帰郷/荒れ地に燃える恋』 The Return of the Native (1994)

物語は11月5日のボンファイヤー・ナイト(篝火の日)から始まる。 ヒロインの家でも篝火が炊かれており、その明りを目印に彼女に逢いに来た男性が。 一年後の篝火の日も描かれている。

『サロメ』Salome's Last Dance(1987)

1892年のガイ・フォークス・デイ(11月5日)に、オスカー・ワイルドのために秘密クラブで『サロメ』が上演されるという趣向の劇中劇。 花火を持った子供たちが通る。

『蜜の味』 A Taste of Honey (1961)

子供たちが干し草に火を付けて人形を燃やし、その周りをくるくる回っている印象的なラストシーン。

『ひかりのまち』 Wonderland (1999)

離婚した父親の家に遊びに来ていた少年は、ひとりで(おそらくガイ・フォークス・デイの)花火大会を見に出かけてしまう。場所はテムズ河近くの遊園地(移動遊園地?)。

『ニュー・イヤーズ・デイ 約束の日』 New Year's Day (2000)

「今日は11月5日だ。Gun Powder Treason Plotの日だ」と言っている場面がある(字幕には出てこない)。

『マイ・レフト・フット』My Left Foot (1989)

少年時代にガイ・フォークスのシーンが出てきます。(情報提供:Nさん)

 

参考資料とリンク

Gunpowder-Plot Society
www.gunpowder-plot.org

Guy Fawkes - Treason in 1605
www.innotts.co.uk/~asperges/fawkes

http://www.britannia.com/history/g-fawkes.html

イギリスの国会議事堂
http://www.parliament.uk/faq/gunpowder_plot.cfm

書籍:『マザー・グース (3)』
谷川 俊太郎(訳)平野敬一(監修) 講談社文庫


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