翌朝はいつものようにヴォリュームたっぷりの朝食を摂ってから、荷物をまとめて出発。 ゲストブックに庭についての感想を書いたら奥さんが目を細めて喜んでいた。

タヴィストックを通り過ぎ、郊外でガソリンを入れ、隣にあったおなじみのスーパー「セイフウェイ」をのぞく。 カメラの電池を探したが置いていなかった。 店員は「カメラの専門店ならあるいは…」と教えてくれたので後で行くことにした。

(ロンドンは別にして)イギリスの店員はたいてい親切で「Thank you!」の笑顔に嫌味がない。ストレートにこちらの目を見て笑いかけてくる。 日頃マニュアル化された「ありがとうございましたー」に慣れたこちらとしてはドキッとしてしまうほどの眩しさだ。スーパーの棚にはイギリスの人気コメディ番組「Mr ビーン」のビデオが並んでいる。欲しいけれど日本とイギリスではヴィデオの方式が違うので諦めざるを得ない。

途中の町でカメラ屋を探す。 通り掛かりの老人に聞くとすぐ教えてくれた。「あそこはいい、すごくいいよ、素晴らしいカメラ屋だぁ」電池を替えるとカメラはまたもとのように快調に動き出した。

 

名も知らぬコーンウォールの浜辺の村々

LiskeardSt. Austelを抜けて半島の先端にある St. Mawesまで。聞いたこともない地名だが海が見たくなったのでなんとなく思い付きだ。海に出るまで牧草地がえんえんと続き、暑くてぐったり。車のクーラーなどまったく効きはしない。もともと日本車のようにヒヤーッとした冷気が出てくる装置はないのかもしれない。諦めて窓を全開にして走ったら少しはマシになった。路肩に轢死した野ウサギを何匹も見た。かわいそうに。

St. Mawesの美しい海岸 急に視界が開けて砂浜が見えた。 嬉しくなって水際に降りて散歩する。近所の人たちが日光浴に来ている。青い海、白い砂浜、遠くに岬が見える。突端まで行くよりこの砂浜のほうが一番のview point(=良い景色が見える場所)だったと後でわかった。
突端は小高い丘になっていて小さな城があった。 城は外から眺めただけだったが、木陰を歩くと木々を渡ってくる風の涼しさに生き返るような気がした。ハイキングに来ていた地元の子供たちの注目をまた浴びてしまった。 St.Mawes

半島をぐるっと回ってもと来た道を戻り、TruroからFalmouthの浜辺。 遠浅で水の透明度が高い。こんなに天気が良くて暑いのに、みな甲羅干しをしているだけだ。 うつ伏せに寝そべって本を読んでいる人が多い。 今週に入って急に強くなった日差しで焦って焼いたためか、どの人の背中も痛々しいほど赤くなってしまっている。 あれでは夜、仰向けで寝るのも辛いだろう。

porthleven
恐いくらいの青空。本当にカラッと晴れて暑い日だった。
Porthlevenは港町で、ちょうどその時は干潮のためにほとんどの船が砂の上でじっとしていた。 ヨットや漁船がいっぱい。 カニを獲るための網がたくさん干してあった。 町の中心は水着やビーチサンダルを売る店が建ち並んでいて、なんとなくチャラチャラした感じなのだが、コーンウォール名物のアイスクリームを手に歩き出すと、人気のない岬の向こうには素晴らしい海辺の景色が広がっていた。聞こえてくるのは波の音だけ・・・

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