干潮になると道が現れるSt. Michael's Mount

St. Michael's Mountペンザンス近くの村にある有名な島「St. Michael's Mount(セント・マイケルズ・マウント)」を見にMarazionへ。フランスの「Mont San Michael(モン・サン・ミッシェル)」と同じ「聖マイケルの山」と言う意味だ。 イギリス版モン・サン・ミッシェルも、干潮になると島まで歩いて渡れる。 もと修道院だったという建物は、現在ナショナル・トラストの所有になっている。 そろそろ潮が満ち始めていて、島から帰ってくる人たちは靴を脱いでひざまで海に漬かっている。 これから渡ろうとしている人たちもいたが、もう歩いては戻れないだろう。 島から渡し舟が出ているので心配はないだろうが。

この辺りの砂浜はきめが細かくて歩きやすい。 砂のお城も作りやすそうだ。砂浜でクリケットに興ずる親子もよく見かける。 クリケットは野球の原型になったイギリス独特のスポーツで、ピッチャーは腕を大きく回転させてボールを下から投げ、バッターは平たいバットで打つ。われわれの滞在中、テレビでクリケット中継もよくやっていた。

あちこちで苺にクロテッドクリームをかけたものを売っていた。 コーンウォール名物のこのクリームと苺の取り合わせは絶妙だ。

満潮に・・・潮が満ちてきたので靴を脱いで歩く親子 パーキング海岸近くに駐車場がある。 St. Michael's Mountは有名な観光地なので少々料金高め?

 

可哀相な「ランズエンド」

「ランズエンド(=地の果て)」と名づけられたコーンウォール半島の突端、イングランドの西の果いけないものを見てしまったという心境である。俗化されて手垢にまみれた哀れなランズ・エて…正直言って見てはンド。

途中に「The first and last inn of England(=イングランドの最初で最後のイン)」という看板を掲げた店も見かけた。そろそろかと思っていたら、急に道が狭くなって、目の前に大きなレジャー施設と大駐車場。 料金を徴収するゲートがある。ゲートまでの道幅が十分でないので路上駐車は出来ず、ランズエンドに入りたい人はそのちゃらちゃらした駐車場に停めざるを得ない仕組みになっているのだ。嫌な予感はしたが、せっかくこんなところまで来たのだから入ることにした。入り口に独、仏、伊、西、そして日本語でも「ランズエンドへようこそ」の看板。俗っぽい遊戯施設。ショーウィンドウからはランズエンドのロゴ入りマグカップやボールペンが見える。派手派手しい原色のペンキで塗られたおよそ似つかわしくない海賊船、東武ワールドスクウェアまがいのモデル・ヴィレッジ(=小さい建物が並んでいて、中に入った人間がガリバーのような巨人に見える)。見ていて痛々しかった。

遊戯施設の並んでいるところを抜けてみると、ランズエンドの風景自体は美しかった。 ウミネコの群生している崖も切り立っていて見事だったし、水平線が丸く見えるほどの視界も開けていた。イギリス版・東尋坊といったところだ。が、さっきのけばけばしさがどうしても頭を掠めてしまうのだ。振り返るとおもちゃの汽車が岬の先端まで観光客を乗せて走っていくのが見える。それを見ていてどっと疲れてしまった。(そういえば日本海の東尋坊も周りをぐるっと土産物屋で囲まれていて、客引きが盛んに声を張り上げていた。)ナショナル・トラスト所有でないと、どんな景勝地も無残に手を加えられてしまうのだろうか。同団体の活動の有難さに改めて頭が下がる思いだった。


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