ランズエンドを見て落ち込んでしまったのだが、セント・ジャストを過ぎてしばらくした頃また景色が「ムーア(=荒野)」化してきた。海岸線とヘザーの花咲くムーアの取り合わせ…素敵!素敵!やっと気分が浮上してきた。
そうこうしているうちに、いつのまにか「セント・アイヴズ」に着いていた。 もう夕闇も迫り始めていたので本格的に見るのは明日にしてちょっとだけ街並みを覗いてみた。 もう8時も過ぎているというのに、通りにはまだかなりの人が出ている。 坂の多い曲がりくねった小路は一方通行も多くアップダウンが激しい道を通りぬけるのには苦労する。
テイト・ギャラリイ前で海を眺めた後は引き返して、パブで夕食にする。 ビターと呼ばれるイギリス独特のビールはコクがあって美味しい。 チップス(じゃがいもの細切り揚げ)にはたっぷりとモルト・ヴィネガー(酢)をふる。
セント・アイヴズから5kmくらい離れた街道沿いのB&Bに泊まる。 ここは今回の旅行では一番安かったのだが(一人朝食付き£14)、疲れていたこともあってか選択を誤ったと後で思った。 そこは空いている部屋を旅行者に提供するといったかたちで、家族と共同の大きなバスは一見綺麗だったのだが、仕切っているのが若いお母さんだったということもあってか、掃除がテキトウだった。 ティーセットの上にはうっすら埃がたまっていたし、お風呂の石鹸は石鹸台に水がたまって片面がぐちょぐちょだった。他の多くのB&Bの名誉のために言っておくが、今まで泊まったB&Bは宿泊料の高低に関わらず、インテリアの凝っている無しに関わらず、水周りと掃除だけはすべて、きっちりしすぎるほどきっちりしていた。
客室は見たところ二部屋だけで、泊まっていたのは私たちだけのようだった。
翌朝の食事があまり進まなかったのは、夕べのパブのご飯が胃にもたれていただけではなかったかもしれない。 ソーセージの混ぜモノの割合が多くて、「ツブツブ」したかんじ。他にベーコン、スクランブルエッグ、チリビーンズに生トマト。「トマトは火が通っていなければ嫌だ」と言う夫にトマトを半分押し付けられたので、私もその妙なソーセージを半分食べてもらった。
窓から庭にいたその家の二人の娘が見えた。ちょうど学校に行くところだった。そういえば昨年パリに旅行したときに描いてもらったと言う娘たちの似顔絵も廊下に飾ってあった。
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