Budget Mind Travelers」にぴったりのホテルとは

Intercityに揺られて2時間、夜の9時には懐かしいロンドン・パディントン駅の喧騒の中にいた。予約していた安ホテルには去年と同じキー係の男が働いていた。ここのいいところ(?)は、チップなどに頭をわずらわせる必要がないという点だ。部屋までポーターに荷物を運んでもらうこともないし、チェックアウトの後荷物を預かってもらうにも一個に付き50ペンスと決まっているので、いくらあげようかと悩まなくていい。 おまけに部屋のベッドメイキングの人にチップをと思って、枕元に「Thank you !」(*わからないといけないので)と書いたメモと一緒に置いておいても、帰ってくるとテーブルの上にきっちり戻してある。なにかそういった規則があるのかもしれない。

何の変哲もないベッド
実物より綺麗に撮れている気がする(笑)
この付近の安いB&Bはこのベッドカバーを使っているところが多い。

ここの部屋はそこそこ広いが、真っ白に(しかもかなりイイカゲンに)塗りっぱなしの壁に、照明はすべて業務用の長い蛍光燈。 バスとトイレはもちろん共同で、遅い時間になると足拭きタオルは前の人が使った後でびちゃびちゃになっていて使えない。 神経の細い人にはとてもお勧めできない。 はっきりいってウツクシクないのだが、何といってもこの地域の他のB&B並みかそれ以下に安いのと、朝食がフル・イングリッシュ・ブレックファストを出してくれるので、常宿化してしまった。 ロンドンのB&Bは田舎とは別物なのだ。

ホテルの案内に「Budget-mind-travellers(=意訳すると、‘ビンボーで予算を切りつめたいお客様’とでもいおうか)に最適!」とあったので大笑いしてしまった。それ以来、我が家ではこの「バジェット・マインド・○○」というフレーズが気に入ってしまって、日本に帰ってからも「俺ってバジェット・マインド・アングラー(=釣り人)だから、今日の釣りエサ2パックしか買わなかった」などとやっていた。でも、確かに朝食の時に他の泊まり客を観察すると、無精ひげを生やしてインドあたりを放浪していそうなバックパッカー風の男はいても、「金が有り余ってるぞ」という感じの客は皆無だった。

County Hotel
8-11 Upper Woburn Place, london

お買い物 in ロンドン

翌朝は、ミューズリ(シリアルの一種)にいつもの組み合わせ+スモークト・キッパー(薫製にしん)やベイクドビーンズ、卵も目玉焼きとスクランブルドの2種類食べて腹ごしらえした後、地下鉄の一日券を買って街へ出た。 地下鉄の対面式の切符売場はいつも長い行列が出来るので、できれば自動販売機で買ったほうが早い。

この時期のロンドンはどこでもバーゲンの嵐だ。「Sale!」の赤い貼り紙がどの店先にも踊っている。 小規模なマーケットも教会の庭などで行われている。Laura Ashleyのお店もすごい人だかり。早速二階に行き、日本ではなかなか手が出ないファブリックをこの機会にディスカウント価格で買い求める。

この日のメインの買い物は、昨年に引き続きテディ・ベアだった。 ロンドン一の玩具店「ハムレーズ」で下見をしてから、ハロッズへ。 夫のネクタイを選んでからハロッズ限定版のチーキーを一匹買うが、さっきハムレーズで見た全身真っ青な毛並みのものも欲しかったので、VATの手続きをしてから戻ることにした。 ハロッズの免税コーナーはいつも混んでいる。 なんと日本語で手続きできるデスクまであるが、そちらはさらに混んでいるので一般のデスクへ行く。 どうせレシートを見せて住所やパスポート番号などを記入するだけなのだから、どちらでやってもたいした違いはない。

 

ハロッズの豪華トイレに無料で入るには

 

ハロッズハロッズのトイレは「ラグシャリー・トイレット」と名づけられているだけあって、広々して何もかもゴージャスで、オー・ド・トワレのようなものまで用意されている、目が覚めるような豪華なものだ。

しかし以下の条件に当てはまらない客は、入場料1ポンドを支払わなければならない。 (1)ハロッズ・アカウント所有者(たいていの旅行者は持っていないはず) (2)レストラン利用客 (3)妊婦 …ただし、その下に「£100(約2万円)以上お買い上げのお客様もご利用いただけます」とも書いてある。 「わたくし…100ポンドほどお買い物したんですけど、よろしいわね?」という雰囲気で話し掛け、ぬいぐるみで膨らんだあの緑色のビニール袋を入り口に立っている厳しげな顔付きのオバサマにさっと見せて入ってしまった。

実は「100ポンドのお買い物」には少しばかり足らなかったのだが、紳士の国の王室御用達デパートのこと、レシートを見せろなどと野暮なことは言わない。だが見ていると、意外と入場料を払っている客は多かった。 ハロッズでトイレに行きたくなったら、この方法を試してごらんになることをお勧めする。(しかしこんな事を言ってしまっていいのだろうか…)

ただセールの時期はともかくとして、ハロッズに入るのにあまりラフ過ぎる格好をしていくのも考えものだ。田舎歩きの時はザックを背負ってジーンズにスニーカーといういでたちをしている我々だって、ハロッズには少なくともチノパンやカットソーを着て、普通のバッグを持っていく。(ザックはホテルやコイン・ロッカーに預けてしまえばよい)

「デパート」と一口にいっても、庶民でも気軽に目の保養を楽しめる日本の三越や高島屋と違って、Harrodsはもう少し敷居が高い。ジーンズで入ろうとして警備員にやんわりと注意されたという話も聞くので、服装には気を付けたほうが良いかもしれない。


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