スコットランド:ネイチャー・トレイル1,000マイル(二日目・その2)


バラエティに富んだガーデン: トローゼイ城 (Torosay Castle)




私たちは乗らなかったのだが、このインフォメーションからA849沿いに少し歩いた所にミニチュア鉄道(Mull Rail)の駅があり、そこからこのトローゼイ城まで線路がつながっていた。

庭園は良く手入れされており、何人ものガーデナーがあちこちで作業している姿が見える。 薔薇、クレマチス、フォーカル・ポイントとしての日時計、イタリア風の彫像・・・オリエンタル・ガーデンとして日本庭園風のものまである(が、これは日本人の目から観ると今ひとつ)。 下に降りてWall Gardenから城を見上げて撮るのがベスト・ショット。

トローゼイ城 (Torosay Castle)
1858年竣工。 ヴィクトリア朝スコットランドを代表する建築家David Bryce(1803-1876)の手による、最も保存状態が良い作品のひとつ。


怪しい日本庭園

 

 

要塞のようなマクレーン一族の本拠:デュアート城 (Duart Castle)

デュアート城にはA849から逸れて細い一本道を入る。 見通しの悪いカーブ、アップダウンも多く、運転には少々注意が必要。 近くに羊や牛(Highland Coo)が放牧されていることもあってか、途中にCattle Grid(家畜が通れないように設けられた鉄製のスノコ状のもの)が設けられているので滑らないように。
この細道を通って眼前に城が見えてきた時の感慨は、何とも言い難い。 崖の上に海と対峙するように聳えているそれは、名高いマクレーン一族の本拠だった。 およそ華やかさからは対局にあるような城だが、質実剛健、砲台に囲まれて要塞のごとく佇んでいた。 城の中ではグレイト・ホールや寝室、キッチンなどを公開。ダンジョン(牢獄)には照明もないのでよけいに恐ろしい。
展示の中に、見慣れた写真を発見。フォトジェニックなこの城は、かつていくつかの映画のロケ地として使われてきた。 『八点鐘が鳴る時』の若き日のアンソニー・ホプキンス、『エントラップメント』のキャサリン・ゼータ・ジョーンズのスナップ写真。『エントラップメント』に主演したSirショーン・コネリーは、母方がこのマクレーン一族の末裔で、そのこともあってか撮影の際も非常に温かく迎えられたという。

人ひとり通るのがやっとという狭い急勾配の階段を上ると、屋上に出られる。 海の色がなんと蒼いことか。

デュアート城 (Duart Castle)
13世紀に創建されたMaclean一族の居城。ジャコバイトの乱(1745)後の1758年にイングランド人によって焼き払われたが、1912年に第26代当主Sir Fitzroy Macleanによって再建。現在の当主はマクレーン一族の第28代当主Lachlan MacLean卿。
CLAN MACLEAN(Maclean一族のサイト)
 
ここで撮影された映画
『エントラップメント』Entrapment (1999)
『八点鐘が鳴るとき』When Eight Bells Toll (1971)
 

 

Fionnphortまで35マイル、山道を行く

A849に戻って今度はGlen More(谷)沿いにマル島の先端フィオンフォート(Fionnphort)に向かって針路を取る。細長く上に伸びるピンク色の花と黄色いバタカップ(キンポウゲ)の取り合わせが絶妙。遠くには河の中流にできたいくつかの小さな湖や湿原に見入っていると、突然顔が黒くて険しい顔付きをした羊(サフォーク種ではない)が車のすぐ近くまで寄ってきたりして驚かされる。
この道路は一車線しかない(=Single Truck Road)ので、ところどころに待避所(=Passing Place)が設けられており、ところによってはひどく曲がりくねっていてアップダウンも激しい。 一車線しかないのにアップダウンが激しいということは・・・坂を昇りきるその瞬間まで対向車が来ているかどうかわからない危険な個所(=Blind Summit)に頻繁に遭遇するということである。 これはアイオナ島に通ずるほとんど唯一の道路であるだけに、交通量も少なくはない。 運転に自信のない方はどうぞ慎重に。

Glen Moreを抜けると海沿いの道に出るが、相変わらず走りにくい道が続く。


霧の彼方に湖が浮かんでいるような幻想的な風景

<<<Back highland_coo Next>>>

Copyright (c) 2001 Cheeky All Rights Reserved.
当サイトに掲載されている情報・記事・画像など、転載・引用をご希望の方は必ずメールでお知らせください。