スコットランド激走1,000マイル(4日目・その4)



大型スーパーでアドレナリン全開

さて、コーダー城はもうとっくに閉まっている時間だから明日にまわすとして、できればその近くの静かな場所に宿を取りたい。大都会(?)インヴァネスの中心から離れて。

このあたりのガソリン価格は他のハイランドの地域に比べてもぐっと安いので、手近なスタンドに入る。 驚いたことにこれだけ長距離を走っているのに旅行中まだ二度目(一回目はスカイ島Broadfordで)の給油だ。 コンパクトなリッターカーってずいぶん燃費が良いものなのだな。コーダー方面に向かって進む途中、ラウンドアバウトのすぐ横に巨大なTescoの看板を発見。 針路変更、まずはスーパーに寄らなくちゃ。

この典型的な郊外型の大型支店は、24時間営業らしい。まずは雑誌コーナーに入って、それぞれの好みの雑誌を探しに散る。 ビーチサンダル、ビニールバッグ、ネイルアートキット・・・イギリスの雑誌はかさばるオマケがついていることが多いので、どの棚もモコモコしている。 夫がよく買う釣り雑誌にも、救急キットがついていた。 私の買おうとしていた雑誌にも、プロムスのCDが・・・! そういえばもうプロムスが始まる時期だ。(注:プロムス=毎年7月から9月にかけてロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで毎晩催されるクラシックのコンサート。)

広々とした売り場には、おもちゃから旅行用トランクまでありとあらゆる雑貨が並び、景気のよいポップ文字が躍っている。 大型店だけあって、メインの食品売り場の品揃えも素晴らしいこと。 しかも安い! 特売コーナーや、「buy 2 get 1 free(この商品を二つ買ったら一つ無料サービス、つまり二個分の値段で三個買える)」というキャンペーンの甘い誘惑。 「ここで買ってしまうと荷物になるから、自家消費用のみやげはロンドンのスーパーで」という考えも頭を過ぎったが、もうすでに理性がふっとんでいる。 しかし後から考えると、ここで本能の赴くままにかさばるもの、重いものまで買ってしまって正解だった。 ロンドンの街中にあるようなスーパーでは、とてもこんな豊富な品揃えも、ディスカウント価格も望めなかったからだ。

このTescoで買ったものの一例
(全部は書ききれないので覚えているものだけ)

紅茶:
トワイニングス黒箱リーフティーひと箱(125g)99p均一(レディ・グレイ、アール・グレイ、アッサムなどなど)、テイラーズ・オブ・ハロゲイトのYorkshire Tea

菓子(ほとんどドライブ中に食べてしまった):
キットカットのオレンジ味、ベルギーの貝チョコGuylian3箱(@£2.99)、MILKA、Dairy Milk、クリスプス(ポテトチップ)

その他:
Birdsのカスタード・パウダー(トライフルを作ったりする時に便利)
ハンドソープなど

 

ファームハウスでアンティーク家具にうっとり

幹線道路から外れて細いローカルな田舎道を走っていた時に見かけた、広い庭のある大きな家。 素敵だなぁとみとれていたら、塀の上に小さな「B+B」という看板発見! わくわくしながら玄関に近づいて行くと、ちょうどこの家のご主人らしきウェリントンブーツを履いた男性が帰って来たところだった。 「やぁ、いらっしゃい。B&Bは妻がやってるんです。呼んできますからちょっと待ってて。」
やがて現れたにこにこした奥さんに案内されたのは、趣味の良いオーク材のアンティーク家具がしつらえられた、広々とした部屋。ファブリックはローズピンクを基調にまとめられており、ダブルベッドの他に子供用と思われるエキストラベッドまでついていた。
(窓際には海のイメージの小物、キャンドル、硝子細工。すべて青系で統一)
en-suiteでないのでバス・トイレは別なのだが、広ーーいバスルームに入ってまたびっくり。 壁紙、絨毯、バスタブ、トイレ、ガラス小物、子供のおもちゃまで青と黄色に統一されたLovelyな空間だったからだ。 おそらくこの時の私の目はキラキラのハート型になっていたに違いない。 ああ、まるでインテリア雑誌から抜け出したような。それでいて暖かな生活感もあってcozyな空間。 木製のタオル掛けも良い感じのアンティーク。ボディソープは、The Body Shopのジュースみたいな香りがするものでまたゴキゲン。

TVを観に一階の居間に行くと、そこもまた好みのインテリア。深々としたソファの上には、ウィリアム・モリス柄のクッションが置かれており、壁際には暖炉、重厚なカーテン、そして絵画、コレクションしていると思われるレジン製の動物の置物多数、棚にはビデオや写真集がいっぱい、そしてたくさんの家族の写真が。 結婚式の時の写真なのだろうか、ご主人がキルトを着ている。子供たちやご両親・・・スコットランドらしく男性がキルト姿のものがけっこう多い。ひとしきりTVを観てから寝室に引き上げる。

 

バスルームに行く途中に子供部屋があり、ドアが少し開いていて入り口に絵が貼ってあるのが見える。 ご主人の部屋のドアも軽く開いていて、軽い寝息が聞こえてくる。廊下に置かれた、ダークカラーのチェストも素敵で、上にはまた写真立てがたくさんあり、キャビネットの中にはアルバムがたくさん。

今回、これまで泊まって来たB&Bでは、明るい色をしたカントリー調のパイン家具がほとんどで、それはそれで可愛らしくて良いのだが、自分としてはこのB&Bにあるような、ダーク・ブラウンのシックで使い込まれたアンティーク家具が似合う部屋の方が好きだ。 ワードローブ(洋服入れ)の下の引き出しには家の人の洋服が入れたままだったというのもまたご愛敬。

「ファームハウス」と言っていたけれど、きっとあの長靴を履いたご主人が農業を営んでいる傍らで、奥さんがB&Bをやっているのだろう。


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