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Matthew Bourne's Dorian Gray (Sadler's Wells)

19:00 開演、21:00終演 サドラーズウェルズ劇場

こういう題材はやはりマシュー・ボーンの得意分野。ワイルドの原作『ドリアン・グレイの肖像』を下敷きにしながらも、ドリアンの恋人の女優シヴィルを男性バレエダンサー シリルに、ヘンリー卿を「Lady H」という女性に置き換えている。「Picure」を「肖像」ではなく「写真」と読み替えて画家のバジルを『欲望(Blow Up)』のD・ヘミングスばりにシャッターを切り続けるアート系イケメン フォトグラファーにしてしまった。ドリアンとバジルのパ・ド・ドゥは官能の極み。ファインダー越しに見つめるバジルの視線によって自分の美しさに気付いていくドリアン。「Immortal pur Homme」という香水らしき広告写真が掲げられ、回転する壁を挟んで2つの場面が展開する。第二場の冒頭はドリアン、バジル、シリル、レディHがひとつのベッドから次々に登場し笑いを誘う。原作では自分の肖像画を破るところを、この舞台ではドリアンのドッペルゲンガーを殺してしまう。原作の画家バジルはどちらかというとうっとおしいキャラクターだがこの写真家バジルはメロメロに素敵。どのダンサーもほとんど足音を立てずに滑らかに踊っていたので物語世界への没入を妨げず良かった。(余談:私の両脇もそうだったが観客に男性2人連れがやけに多かったのがちょっと気になったりして・・・。)


パンフレット表紙

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