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5日目

Bletchley Park:暗号解読と戦争の博物館

Bletchley Park(ブレッチリーパーク/ブレッチレーパーク)はミルトンキーンズ近郊にある邸宅で、第二次大戦中はイギリス政府の国立暗号解読センターや政府暗号学校(GC&CS:Government Code and Cypher School)が置かれており、当時は「ステーションX」という暗号名で呼ばれていた。ドイツ軍のUボートから奪取したエニグマ暗号を解読作業が行われたことでも有名で、Bletchley Parkでの暗号解読によって大戦終結が2年は早まったと言われている。コードブレイカー(暗号解読)要員として英国中の頭脳を集めるためにオックスフォードとケンブリッジの中間地点にあったこの邸宅が選ばれたという説もあり、天才数学者アラン・チューリングもここに勤務していた。ロンドンからの便も良い(ユーストン駅から1時間程)。

Bletchley Park
The Mansion, Bletchley Park, Sherwood Drive, Bletchley, Milton Keynes, MK3 6EB
http://www.bletchleypark.org.uk/

Wikipediaの解説
http://en.wikipedia.org/wiki/Bletchley_Park

施設は鉄道駅からそれほど離れていないので、公共の交通機関で来るのもそう難しくはない。受付で入場料を払うと、1日だけではなく1年間何回でも入れるパスが交付される。展示の準備中のスペースにはここ数年イギリスで流行している「KEEP CALM AND CARRY ON」のフレーズをもじった「準備中」のポスターが貼られている。敷地内には国立コンピューター博物館(The National Museum of Computing)、国立ラジオセンター、軍服やガスマスク、政治・外交資料、プロパガンダポスター、軍事用の伝書鳩、チャーチル博物館から、戦時中の庶民暮らしやおもちゃ、家具まで戦時中のありとあらゆるものが展示されている。また、車庫にはたくさんのクラシックカーがたくさん。1940年代風の郵便局は実際に郵便局として機能しており、私もここからポストカードを出してみた。
HUTと呼ばれる殺風景な建物群と対照的な綺麗な邸宅とその前にある湖。邸宅の中にはアップリケを施したキルトの案内図が掛かっているのもほほえましい。

展示物の中で最も注目を集めていたと思われるのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが用いていたことで知られるローター式暗号機「エニグマ (Enigma) 」や、そのエニグマ解読に用いられた解読機「Bomb(ボンブ)」、世界最古のデジタルコンピューター 「Colossus(コロッサス)」のレプリカ(本物は機密保持のために処分されてしまった)等の展示である。

Bletchley Parkとエニグマをめぐるサスペンス映画:『エニグマ』 Enigma (2001)

 
ドイツ軍の展示
 

ドイツの暗号機 エニグマ
 
「KEEP CALM AND CARRY ON」のフレーズをもじった「準備中」のポスター
 
日本語の学習ノートも
ここでは日本軍の暗号も解読されていた
 
軍事用伝書鳩についての展示
 
通信室の再現

アラン・チューリングに関する展示


スレート(?)で作ったチューリングの像
後にコンピューターの父と呼ばれた天才数学者Alan Turingは第二次大戦中に暗号解読で偉大な業績をあげたが、それらがほぼ軍事機密だったため戦後イギリス国内でも彼の功績はほとんど知られていなかった。ここにはチューリングの業績等についての展示もある。

アラン・チューリングについて詳しくは
wikipedia

アラン・チューリングを描いた映画
『ブレイキング・ザ・コード』Breaking the Code (1996)

ちなみに、TVシリーズ『シャーロック』や映画『スタートレック イントゥダークネス』等への出演で人気沸騰中のベネディクト・カンバーバッチがチューリングを演じる映画『The Imitation Game』が現在制作進行中。詳細は→imdb
 
 
チューリングが可愛がっていたチャドバレー社のテディベア!
英国人男性にとってテディベアは必須アイテム

邸宅


元々はイートン荘園の一部だった敷地に、1711年にBrowne Willisがマナーハウスを建てた。最後の所有者Sir Herbert Samuel Leon (1850-1926)の死後、MI6の長官ヒュー・シンクレアが買い取りここを情報機関のために使用することにした。
   

郵便局

1940年代風の郵便局。中では切手やポストカードを売っていたりしてちゃんと郵便局として機能している。

クラシックカー

大きな車庫の中には年代物のクラシックカーがずらり。クラシックカーマニアにはたまらないだろう。


救急車

おもちゃ博物館(Toy Museum)

郵便局の裏手におもちゃ博物館を見つけてテンション上がる、上がる! とにかくテディベアの種類が豊富で、おもちゃの兵隊やミニカー等、当時の子供たちの生活が伺える。
おもちゃの兵隊、ベアの兵隊

目が合っちゃった

ドールハウス
 
ハロッズの名前が入った体重計
 
可愛い服を着たテディベアやゴーリー

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