Lismoreからブラック・ウォーター沿いの道を下る

夢のような谷を過ぎ、Lismoreへ。ウォーターフォード・クリスタルのシリーズ名に「リスモア」というのがあるが、これはこの町からとったものだろう。 Black Waterという釣り人の聖地とも崇められる川のほとりに、ジョン王ゆかりのLismore Castleが聳えている。 Black Waterにはウェイダー(防水ズボン)をはいた釣り人が悠々とロッドを振っている。


Lismore Castle

ここからヨール(Youghal)に向けてScenic Roadを下っていくはずが、何の弾みか変な道に入ってしまった。 細くなる一方の、人っ子ひとりいない農道でようやく村人発見。 農機具の手入れをしていたおじさんにヨールへの行き方を尋ねると、わかりやすく教えてくれた・・・これまで聞いたこともないほど訛ったこてこてのアイリッシュ英語で・・・。(それがまた楽しかったりもする)

茅葺屋根の家が点在する農道を抜け、おかげで無事ヨールへの道に出た。 時々視界に入るブラック・ウォーターの流れには、いかにも大物が潜んでいそう。 川沿いに南下し、河口に着いた。

 

ヨール(Youghal)でシーフード

白い砂浜がどこまでも続く海辺のリゾート地ヨール(Youghal)。 トップ・シーズンまでは間があることもあってか、まだ行楽客も少なくのんびりとしており、6時になるとみな店じまいしてしまう。 ツーリスト・インフォメーション近くに「Moby Dick」という名のパブがあり、壁面に大きく白鯨の絵が書いてある。 そう、ここはジョン・ヒューストン監督作品『白鯨』 Moby Dick (1956) のロケ地になった町なのだ。 海沿いに車を走らせると、白い灯台も見える。


Youghal中心部

Moby Dick

町の中心を避け、眺めのいい高台に向かって車を進める。 ひとつの丘を昇ったらゴルフコースだったので、別の丘へ。 ちょうど海が見える絶好のロケーションにB&Bがあったので、そこに泊まることにした。 紅茶を勧められたが、レストランに行く前にお腹を空かせておかなければいけないのでパス。 「この町の良いレストランならAhernsTidesがおすすめよ」と、メニューを用意していてくれた。 その町のB&Bのおかみさん推薦のレストランに概ね外れはない。 『アイルランドのおいしい毎日』で「アイルランドで最も印象に残った食事」と絶賛されていたAhernsは、ちょうど私たちが行こうと思っていたところだったのだから。

『アイルランドのおいしい毎日』松井ゆみ子(著) 東京書籍
豊富なカラー写真とともにアイルランドの食文化を活き活きと紹介した本

 

レストランAherns

Ahernsのレストラン部門は18:30開店。 通りに面したパブ部門は昼からずっと開いているようだった。 Starter(前菜)、Soup of the Day(本日のスープ)又はグリーンサラダ、Main Course、デザート、Tea/Coffeeで構成されたプリ・フィックス・メニューにする。 前菜として一皿追加してシェアした。以下、頼んだもの

前菜1:Plate of Yawl Bay Smoked Salmon
・・・これは掛け値なしに絶品の一言!かつて味わったことがないほど脂がのったこっくりと甘みのあるスモークト・サーモン

前菜2:Mussels cooked in garlic butter
・・・新鮮なムール貝にガーリックバターとパン粉をかけてオーブンで焼いたもの。

前菜3:Prawn cooked in garlic butter
・・・ぷりぷりとした海老にガーリックバターとパン粉をかけてオーブンで焼いたもの。エスカルゴ用の容器に入って出てきた。

本日のスープ:カボチャ・ポタージュ(二人とも)
・・・これは正直言って失敗、味がない() ひたすら塩を振って食べるが、そもそもダシがきいていないので意味がない。

Main1:Grilled wild Blackwater salmon & Hake wild mushrooms & cream
・・・まずまず。ヘイクよりはサーモンの方が好きかも。

Main2:Char-grilled Monkfish with tomato & basil sauce
・・・グリルしたモンクフィッシュ(アンコウ)にトマトとバジルを散らしたオリーブ・オイルソースがかけられたもの。 モンクフィッシュがこんなに美味しい魚とは思わなかった。 炭焼きということで身から味わいが逃げず、ソースとの愛称もマル。

メインにそれぞれグリルした野菜が付く

デザート1:Lemon Tart(爽やか)、
デザート2:三色アイスクリームin Brandy Basket(バリパリとしたカラメルがアイスクリームに合う)

そしてカプチーノ

期待が大きすぎたのか、思ったほどの満足感は得られなかった。 全体の評価を下げたのは、やはり本日のスープの不出来が大きい。 つい「(スコットランドの) Plockton Innの"本日のスープ"は絶品だったなぁ・・・」と遠い目をしてしまう。 スモークト・サーモンは最高に美味しかったけど! ということで、『アイルランドのおいしい毎日』で「二番目に美味しかった」と評価されていたRoundstoneのレストラン行きにはこだわらないことにした。

夜は部屋でバッキンガム宮殿のJubilee Concert中継を見る。 エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ポール・マッカートニーなど老齢にさしかかった大御所たちのロック・コンサート。 世代的にチャールズ殿下はまだわかるとしても、女王自身はこのコンサートを楽しんでいるのか?


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