翌朝朝食を用意してくれたのはだんなさん(若い)の方だった。 「おっさんが作る朝メシなんてヤダ」 まぁまぁ、そう言わずに。
しかし、結果的にその「おっさんが作る朝メシ」 はいまひとつだった。手際が慣れていないのか、シリアルの後しばらく待たなければいけなかったし、卵・ベーコン・ソーセージ・トマト、すべて焼きすぎで固くなっていた。 シャムロック・マークがついていないB&Bに泊まったのは初めてだったけど、今度からちゃんとマークの有無を確認しよう。 部屋にティーセットがなくてがっかりしたし。
#シャムロック・マークがついているB&Bはアイルランド政府観光局の厳しい審査を通過した優良B&B。 定期的に抜き打ち検査があるそうだ。
Visitor Centre内を見学してウォーキングに出発しようとしたら、滝のような豪雨が。 ちょっと普通でない感じの雨だったので、残念ながら退散。 鹿が見たかったのに・・・
樹木の生い茂った山を背景に、静まり返った湖面に映ったゴシックスタイルの修道院・・・というロマンティック極まりない名所。先刻まで降っていた雨のためか、霧に包まれてそれはそれは神秘的。
もとは19世紀にマンチェスターの大富豪が建てた城だったそうだが、20世紀初頭にベネディクト会に売却されて修道院となったそうだ。 そういえば内部は修道院とは思えないほど、趣向を凝らした造りになっている。 ダイニング・テーブルにはクリスタルと銀器が。 家具もいいものを使っている。 ここでは今回の旅行で初めて日本人団体ツアーに遭遇したが、季節柄年配の方が多いグループだった。
奥の方にはゴシック・スタイルの教会もある。 同敷地内に寄宿学校もあるらしく、案内書も置いてあった。 誘惑に屈しやすい年頃の女の子たちを人里離れた森の中の寄宿舎でしつけてもらうのはいいかもしれない?
「土産物屋」といえないほど、ショップ・コーナーの品揃えはすごい。ウォーターフォードやゴールウェイのクリスタル、ベリーク焼、リネン、アクセサリーと、lovelyなものが揃ってたが、団体さんでごったがえしていた。 隣にはセルフ・サービス方式のカフェもある。
手前に「ヴィクトリアン庭園」との看板があったが、こちらのガーデンもカイルモア・アビーと同じ経営らしい。 共通入場券も売っていたので。
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N59を東に向かうと、泥炭を切り出しているところがたくさん見られた。 このあたりは一大泥炭産地らしい。
泥炭(peat)とは、湿地(bog)などに生えた植物が腐らずに堆積し炭化したもの。 乾かして燃料として使用したりもする。 泥炭層の土地では川の水もうっすら茶色いピート色に染まっていることが多い。ハイランド地方も典型的なピート色の川が流れていたし、ここコネマラ地方の川もそうだ。 昨夜のレストランでは水道水にも色がついていたっけ。 こういった水はウィスキー作りに適しているらしく、ハイランドもコネマラもウィスキーの名産地である。もっともハイランドはWhisky、アイルランドはWhiskey。
養殖いかだがたくさん浮いたKillary湾の一番奥に位置する村Leenane。 地図にもView Pointマークがついている通り、氷河に侵食されたフィヨルドのような地形のKillary Harvourと背後の山が美しいコントラストを作っている。
村の中心に(といっても道が一本しかないのだが)パブ"Gaynor"を発見。 これはコネマラ地方の土地に執着する男を描いた悲劇『ザ・フィールド』The Field (1990)が撮影されたパブで、看板にも「The Field's Bar」と書かれていた。 昼時とあって、地元の人たちが次々と戸口に吸い込まれていく。
風が強い日で、カメラを構えながらも吹き飛ばされそうになる。 「ははは、たいへんな天気だ。飛ばされないようにね!」 怪しい旅行者に声をかけてくれる人が多くてけっこう楽しい。
N59からR335に入ったところにAasleigh Fallsのありかを示す小さな表示板が。 案内に従って進むと、日本のものに比べると小さいが、周りの風景と絶妙に溶け合った滝があった。 他にも何組かこの滝を見に来ているグループがあり、Clifdenの土産物屋でもこの滝を大写しにしたポストカードが売られていたということは、地元では(というより、単に日本語の旅行案内に載っていないだけ?)知られた名所なのだろう。 この滝もやはり『ザ・フィールド』が撮影された現場なのであった(ショーン・ビーンが土地を買収しようとやってきたアメリカ人をボコボコにする悲劇的な場面)。
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