ファームハウスの朝

"ファームハウス"といったらいやでも期待してしまうのが朝食。 そう、期待通り素晴らしくLovelyな朝食を味わうことが出来た。 オレンジジュース、半割グレープフルーツ、シリアル、ヨーグルト、パン(白黒)、スコーン、卵(完璧な焼き具合)、ベーコン、ソーセージ、焼きトマト、マッシュルーム、ハッシュドポテト。

陽気な奥さんは話しやすく楽しい人だった。 この日はワールドカップでアイルランドが予選を通過できるかどうかの瀬戸際。 引き分けでも一点差の勝利でもなく、二点差以上をつけてサウジアラビアを破らねばならないという難題が待ち構えていた。 「今日はアイルランドにとって熱い一日になりそうですね。」 「ええ、ほんっと。普段フットボールを見ない人もみんなどきどきしてるわ。」 夜七時から試合が放映されるのだそうだ。

 

ニューグレンジ (Newgrange)再び

昨夜のうちに荷造りしておいて朝食後さっさと出発したので、ビジターセンターに一番乗りできた。 9:30からガイドツアー出発。 橋を渡ったところにある待合場所から、ニューグレンジ行きの専用シャトルバスが出ている。 脇に民家がある一般道を通って遺跡に向かう。 一般道からも遺跡に近づけるが、敷地に入るにはビジターセンターでチケットを買ってバスに乗らないといけない。

古墳のように盛り土をした遺跡の外周を飾る白い石は、遠くウィックロウ山脈からボイン川の水運を利用して運ばれたものだとか。 渦巻状の石の文様について説明を受けたあと、ひとりひとり狭い入り口を入ってゆく。 あまり太っていると通れないかもしれない。 見かけより精巧にできているそうで、石を組んで盛り土をした屋根からは、これまで一滴たりとも雨水が浸水していないとのこと。

見学のクライマックスは、冬至の日の再現。 この遺跡の入り口は冬至の日に太陽光線がまっすぐ奥まで入ってくるように精密に設計されているのだ。 ちょうど冬至の日と同じように入り口に設置された照明の光が少しずつ入ってくる。 古代の人がここを神聖な場としてとらえていたことが伺える。

ニューグレンジの他にノウス(Nouwth)、ダウス(一般公開されていない)を始めとして大小数十個の遺跡がこの地域に点在する。 ニューグレンジのすぐそばにも小さな遺跡があった。

 

マラハイド城からダブリンへ

ニューグレンジからドロヘダ市街を通って、N1を南下する。 大きな幹線道路であるN1はとても走りやすく、皆猛スピードを出している。 SwordsからR106に入り、マラハイド城へ。

入ってびっくりしたのは、まるでゴルフ場のような広い広ーーーい芝生の敷地。 この敷地は一般に開放されており、無料で楽しめる。 庭の遥か彼方に、ツタの絡まったおとぎ話のような愛らしいお城が。

R107を南下、ダブリン市内に入ってからガソリンを満タンにしておく。 ガソリンスタンドで道を聞くと、店員のおじさんとお客さんがふたりしてわいわいと教えてくれた。 Drumcondra RoadからLower Gardiner Streetに入り、ほどなく予約しておいたB&Bの看板を発見。 先に荷物を預けてキルメイナム刑務所に向かう。

 

キルメイナム刑務所(Kilmainham Gaol)

キルメイナムは、アイルランド独立運動の歴史的意義ある有名な刑務所。 市内地図から少し外れた場所にあるので、見つけるのに少し苦労した。 見学はガイドツアーのみで、最初に映画で歴史のおさらいをする。 その映画が上映されていたのはチャペルにあたる場所だったのだが、そこは結婚式が行われたところだった。 イースター蜂起(1916年)のリーダーのチャールズ・スチュワート・パーネル、パトリック・ピアースやイーモン・デ・ヴァレラ、プランケットが投獄されていた房、「マイケル・コリンズ」の文字とイーモン・デ・ヴァレラのエピソード、子供の囚人たちの運動場、イースター蜂起失敗後にピアースらが処刑された広場など、アイルランド独立運動に興味がある方ならひとつひとつの説明が胸に迫ってくる内容だった。 見学者は皆熱心に聞き入っており、時々ガイドに質問する人もいる。 独立運動の資料を収めたミュージアム、ティールームもある。

ちなみにここはよく映画の撮影にも使われており、著名な作品がここから多く誕生している。

Kilmainham Gaol
Inchicore Road, Dublin 8

 

レンタカーを返してB&Bへ

トリニティ・カレッジ前を通って一方通行が多い道路に苦労しながら、ピアース駅を過ぎてレンタカー会社の事務所にたどり着き埃まみれの車を返却。 総走行距離1,456マイル(2,330km)。 よく走ってくれた、お疲れ様。

この事務所を探している時に通りの名を見ようと車を降りて少し歩いていたら、前方から歩いてきた青年に満面の笑顔でいきなり挨拶される。 「はぁい、日本から来たの? 今日は最高だねっ。」 いったい何?? それに、あちこちでパフパフとクラクションを鳴らしまくる車の数々。 いったい何が起こった??・・・その謎は後に明らかになる・・・

リフィー川を渡ってカスタムハウス(税関)を横目に見ながらB&Bにチェックイン。 なんと最上階なのにリフトがない・・・苦労して荷物を持って上がるがその疲れも広々とした綺麗な部屋を見て吹っ飛んだ。 ダブル+シングルベッドの入ったファミリー・タイプの大きな部屋。 ダブリンの中心部にあるとのことで広さについては全く期待していなかったので嬉しい誤算。 家具もアンティークっぽい品のあるもので、ティーセットがないことを除けば理想的な部屋。


Customs House


リフィー川の眺め

 


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