対岸に着く: Moidart-Arisaig-Morar

約30分あまりの船旅を終え、対岸のKilchoanに着くが、これまで見た港と違い、まわりには何にもない。 B8007道路を東に向かって走っていると、丘の向こうに動物の群れを発見。 よく目を凝らすと枝のような角が・・・野生の鹿だ!! 昔の貴族はよく鹿狩りを楽しんでいたくらいだから、イギリスに鹿がいること自体には不思議はないのだけれど、こうして実物を目の前にすると、わけもなく興奮してしまう。 林の中に民家がぽつぽつと点在しているようで、道路際に大きな車輪付きのごみ箱が出してある。


「ローカル・ヒーロー」に登場する浜辺
SalenでA861道路に入り・・・と、またSalenって地名だ(マル島にも分かれ道にSalenという地名があった)。 Moidartあたりの複雑な海岸線も美しく、続くA830道路が通るArisaigでも何枚か記念撮影。

中でもとりわけ印象に残ったのがMorar。翡翠を溶かしたような澄んだ海水の色が、白い砂浜の色に被さって、うっとりしてしまう。

Morarで撮影された映画
『奇跡の海』Breaking the Waves (1996)
『ロブ・ロイ』Rob Roy(1995)・・・Loch Morar, Castle Tioram
『ハイランダー3/超戦士大決戦』 Highlander 3(1994)・・・Castle Tioram
『ハイランダー/悪魔の戦士』Highlander (1986)
『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』Local Hero (1983)

 

ヒースが満開: ウェストハイランド鉄道


見えにくいが、画面中央に平行して線路が。

Morarを過ぎるとA830道路と並行して、右手の岩場に段差らしきものが見える。 地図で確認すると、これが鉄道ファン垂涎のウェスト・ハイランド鉄道の線路らしい。 線路脇の岩場に張り付くようにして咲き誇っている、ピンク色のヒースの群れ。 鉄道ファンならずとも、心奪われる風景に違いない。

 

マレイグ(Mallaig)の夜はフィッシュ&チップス

太陽は沈まないけれど21.00になったので、今日はこの辺でまでにして翌朝はここからSkye島に渡ろう。 フェリーが出る場所を確認してから、おなかも空いてきたのでフィッシュ&チップスを買うことにする。 「スコットランド一美味しい」とか「ウェストハイランド一美味しい」という宣伝文句が踊っていた"The Cabin"というシーフードレストランの看板にふらふらと吸い寄せられる。 Take Away用には、店の裏手で作っているらしい。

注文を受けてから揚げるので時間はかかるが、揚げたてのフィッシュ&チップスが食べられる幸せには代え難い。 待っている間に厨房を覗いていると、レストランからの注文だろうか、立派なシーフード・プラター(海老や貝、サーモンなどが美しく盛りつけられた大皿)が運ばれていくのが見える。 いいなぁ。明日か明後日には絶対美味しいレストランで食事しよう。 まもなくできあがったフィッシュ&チップスに塩とモルト・ヴィネガーをふり、わら半紙と新聞紙にくるんでもらう。大きなハドックで一人前3.50ポンド。立ち昇ってくるモルト・ヴィネガーの香りが鼻孔をくすぐる。

 

Mallaigで撮影された映画
『奇跡の海』Breaking the Waves (1996)
『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』Local Hero (1983)

 

MorarのB&B

ざっと見たところマレイグ市街のB&BはほとんどNo Vacancy(満室)の札が下がっていたようだったので(鉄道の駅に近く、フェリーの発着地なので)、ひょいと戻って景色のいいMorarに宿を取ることにする。 部屋の広さも充分で、お一人さま14ポンド。

「明日の朝食は何が食べたいですか? ベーコンとか卵とか・・・普通のフル・スコティッシュ・ブレックファストか、Kipper・・・ええっと、これは魚を薫製にしたやつで。 食べたことある? それからVegan(厳格なヴェジタリアン)用メニューもできるよ。」
こんなに早くキッパー(ニシンの薫製)を口にできるとは。 一も二もなくキッパーをリクエストした。明朝が楽しみだ。

夜も22.30を過ぎた頃、玄関の方で何やら話し声。 どうやらこんな時間にもう一組宿泊客がやってきたようだ。 複数の子供を含む家族連れ。 時間が多少遅くなっても、車さえあれば予約なしの宿探しはそう難しくない。


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