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3日目:ケントとサセックス

シシングハースト・カッスル・ガーデン(Sissinghurst Castle Garden)

今回の旅行のメインイベントの一つが、このシシングハースト。旅行時期を6月中旬にしたのも、シシングハーストが最も時期といわれているからだ。

ガイドブックにはシシングハーストへの行き方はロンドンから鉄道でStaplehurst(ステープルハースト)駅で下車してタクシーで15分・・・と紹介されているように、公共の交通機関では不便な場所にある。最寄りの村からも少し距離があるし。

ナショナルトラストのパスを提示したので、入場料金も駐車料金もかからなかった。

Sissinghurst Castle Garden
Biddenden Road, near Cranbrook, Kent TN17 2AB
Garden, shop and restaurant:10:30-17:30(LA45分前)水・木曜休み
入場料大人11ポンド
http://www.nationaltrust.org.uk/sissinghurst-castle/
データは2012年6月時点のもの

検索:シシングハースト・キャッスル・ガーデン

シシングハーストは世界で最も名高いガーデンの一つで、ガーデナーの聖地とも言われている。詩人ヴィタ・サックヴィル=ウェストと彼女の夫で外交官・作家のハロルド・ニコルソンは 1930年代に廃墟となっていた館とその周辺の農地を購入し、夫婦で20年掛かってこの素晴らしい庭園を造り上げた。夫のハロルドが幾何学庭園やレイアウトを担当し、ヴィタが植栽を担当した。カラースキームについてはガートルードジーキルの影響を受けたらしいが、特に白い花を集めたホワイトガーデンは有名。

美しいガーデンであるということの他に、私が特にシシングハーストに興味を持ったのは夫妻の息子ナイジェル・ニコルソンが著した『ある結婚の肖像』を読んだから。ヴィタ・サックヴィル=ウェストはイングランド最大級のマナーハウス ノール(Knole) に第3代サックヴィル男爵ライオネル・サックヴィル=ウェストのひとり娘として生まれながら、女性であるがゆえに家を継げなかった(サックヴィル=ウェスト男爵家は男系相続されるため、ヴィタの叔父が爵位とノールの館を相続した)。そんな彼女が自らの庭としてシシングハーストを作り上げたのだ。

ヴィタとハロルドは深い愛情と信頼に結ばれていたが、他のブルームズベリーグループの仲間の多くと同様 オープンマリッジで、互いに同性の恋人を作っていた。ヴィタとヴァイオレット・トレフュシス(エドワード7世の愛妾アリス・ケッペルの娘)の駆け落ち等、当時の社交界を騒がせた事件もあった。ヴィタの恋人として最も有名だったのはブルームズベリーグループの作家ヴァージニア・ウルフだろう。ヴァージニア・ウルフは、ノールの館を継げなかったヴィタのために彼女をモデルにした小説『オーランドー』を書いた。息子のナイジェル・ニコルソンは『ある結婚の肖像』の中で、『オーランドー』について「文学史上最も長く、最も魅力的なラブレター」と評している。興味のある方はシシングハーストやノールを訪問する前にご一読頂ければ、より深い感慨が得られることと思う。


ナイジェル・ニコルスン著『ある結婚の肖像』

映画『オルランド(ORLANDO)』のDVDと
ヴァージニア・ウルフ著『オーランドー』

書斎

まずは入口近くの書斎へ。暖炉の上の肖像画は『ある結婚の肖像』に掲載されているものと同じだった。ナショナルトラストのプロパティは室内の写真撮影禁止というところが多いのだが、職員に聞いてみたらフラッシュをたかなければOKとのことなので撮らせいて頂いた。

中央にヴィタの肖像画

ホワイトガーデン(White Garden)

  シシングハーストの中でも最も人気のあるエリアは、白い花やシルバーリーフを集めたホワイトガーデン。白いランブラーローズ、タチアオイ、ストック、フォックスグローブ、クレマチス、芍薬、ルピナス、カラー等、ひと口に「白」といっても色々な表情があるものだと感心させられる。


   

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