モンマルトルで『アメリ』気分 (Montmartre)

ああ、我ながらつくづくミーハー。 前にもひとりで来たことがあるのだが、『ムーラン・ルージュ!』と『アメリ』を観たあとではモンマルトルを訪れないわけにも行きますまい。 地下鉄Blanche駅で降り、まずムーラン・ルージュを撮影。 続いて坂を上ってアメリがウェイトレスとして働いていたカフェ「ドゥー・ムーラン」を見に行く。 店の窓ガラスには、アメリのポスターが。


Diamonds are girls best friends♪(byニコール)

アメリのカフェ

メトロでひと駅移動しピガール(Pigalle)へ。 パリの歌舞伎町こと大歓楽街ピガールには、さすが怪しげな看板がいっぱい。 この駅前からサクレ・クール寺院などがある丘の上に登るバス「モンマルトル・ビュス」が出ている。 このバスは嬉しいことに一日券(MOBILIS)が使えるのだ。 バス停近くにはスーパー「モノプリ(MONOPRIS)」あり。

"こんなところがよくバス路線になってるなあ"と、感心するほど狭くて傾斜のきつい坂道を登ってゆく。 地域柄、"いかにも"な化粧のきつい女性が何人かを歩いている。 夜になったらもっと増えるだろう。 途中で、ギマールのアール・ヌーヴォー装飾で著名なAbbesses駅のメトロ入り口も見える。 モンマルトル・ビュスは観光用でなく、地元の足として位置づけられているようなので、乗っているのは地域住民がほとんどだった。 ある停車場で停まった時、近くにいたおじいさんが「ここで降りるんじゃない?」と声をかけてくれたので、お礼を言って降りた。 あの目立つサクレ・クール寺院(Basilique du Sacre Coeur)も見えない、何でもない裏通りなのにおかしいなといぶかりつつ歩くと、突然目の前にかの有名なテルトル広場(Place du Tertre)が。 ああ、よかった。 教えてもらわなければ気づかずに乗り過ごしていたところだ。 一般に広まっている「個人主義で冷たい」というイメージと違い、普通のフランス人って意外なほど旅行者に親切にしてくれる。


Basilique du Sacre Coeur

アメリな気分

相変わらずスケッチブックを抱えた似顔絵描きが声をかけてくるテルトル広場を抜け、サクレ・クール寺院へ。 眩暈がしそうなくらい高い天井と、壁面を彩るステンドグラスや彫刻。 ほの暗い聖堂内でキリストだけに光が当たっているように見える自然の照明効果は、ほんと、ずるいよなあ。 こんな闇と光のコントラストを見つめていたら、無信心者だって敬虔な気持ちになってしまうじゃないか。 聖堂前には階段があり、展望台から市街を見下ろすとすっかりアメリな気分である。

広場からまた路線バスに乗って、モンパルナスに帰る。

 

スーパー「INNO

モンパルナスに帰って、昨日は日曜で閉まっていた駅前のスーパーINNOに寄る。 食料品はどこだと目を泳がせると、地下一階に降りていくエスカレーターが。 下ってゆくと、そこにはパラダイスが・・・♪ 超巨大食料品売り場が広がっていた。 お惣菜コーナーには美味しそうなパテやハム、ソーセージ、タブーレ(クスクス)、サラダ、フライ・・・まさにフレンチなデリカテッセン。 目が回るほど多種類なチーズやバター、菓子、スパイス! まだまだ先は長いので、スパイスミックスなど軽量でかさばらないものと、チョコやクリスプスなど旅行中に消費するものだけ買う。

 

カルチェ・ラタンの雑踏 (Quartier Latin)

ホテルに寄って荷物を置いてから到着日に下見をしておいたレストランを再訪するが、臨時休業なのか休業日が変わったのか、月曜夜の営業時間が過ぎてもまだ閉まっている。 付近を歩いたが、結局昨日ヴェルサイユ行きのRERを乗り換える時に見たSt. Michael駅周辺の、活気に満ちた食堂街に行ってみることにした。

St. Michael駅前というのはパリ五区、いわゆるカルチェ・ラタンと呼ばれる学生を中心とした若者の町である。 昼間と違って夜の(といっても、9時でもまだ明るい) カルチェ・ラタン界隈はまた一層人口密度が高くなっている。 「前菜+メイン+デザートの三点セットで○ユーロ」と安さと充実度を競い合うレストランがしのぎを削る。 店頭では呼び込みのおにいさんが"どうぞー"と道行く客の気を引こうと一生懸命。 ブロシェット屋(串焼きのラムやシーフードを出す店)や、アラブ系のエスニック料理店も多数。 そのなかで客の入りが最も良さそうな店を一つ選んで入る。 前菜+メイン+デザートの三点セットで15ユーロなり。

シーフード・スープ+バゲットのアイヨリソース(ガーリック風味の卵を乳化させたソース)添え、家鴨のオレンジソース煮、三色ソルベ(シャーベット)

エスカルゴのガーリックロースト、ラムのブロシェット(子羊肉の炭焼き)、クレーム・ブリュレ

安いのはいいのだが、やはり料理は払った金額に見合う質が提供されると考えて良かろう。 昨夜のビストロと比較すると、ラムの火の入れ方の技術が全く違うし、クレーム・ブリュレにはバニラ・ビーンズのツブツブが見えず、表面もパリッと焼けてない。 これじゃあ「アメリ」できない(怒) バゲットは使い回しをしているのだろうか、表面が堅くなっている切れもある。 当然バターはエシレバター(発酵バター)であるはずもなし。 家鴨のオレンジソース煮はまあまあ美味。 肉類にこういった甘いソースを合わせるの大好き。


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