ペール・ラシェーズ墓地(Cimetiere de Pere-Lachaise)

今回のパリ訪問のメイン・イベントのひとつがこれ。 すなわち「オスカー・ワイルドの墓参り」。 ダブリンに生まれロンドンで活躍した時代の寵児が、投獄生活の後、落ち延びた先がパリ。 1900年の11月30日、20世紀の声を聞く直前にパリ左岸の「オテル・ダルザス(現L'Hotel)」で息を引き取った。 前回パリに来た時(12年前)果たせなかった墓参りがようやく実現したのだ。

地下鉄番線の終点Pere Lachaise駅で下車。 墓地の入り口にある花屋に"地図あります"の貼り紙を見つけてまず購入(1.80EURO)。 通りの真ん中にあるキオスクでも売っていた。 墓地の入り口には有名人の墓がどこにあるのかという案内板があったが、なにしろパリ最大の墓地。 案内板を記憶していくだけでは区画番号を確認しながら進めない。

まずはワイルドとも縁の深いフランスの女優サラ・ベルナール。 イギリスで上演禁止された問題作「サロメ」フランス語版で主役を演じたのは彼女だった。 しかし彼女の墓を探しているうちに突然の土砂降りに見舞われる。 折りたたみの傘はもっていたが、これではたまらない。 失礼して屋根つきの大きな墓の中で(!)ちょっとだけ雨宿りさせてもらうことにした。

まもなく雨も止み、再び石畳の道を歩き始める。 ちょうど目の前を軍服を着た集団が通り、目が吸い寄せられる。 隊列を組んで更新し、何かのセレモニーをしているようだった。

オスカー・ワイルドの墓は、おそらくペール・ラシェーズで最も目立つ墓のひとつだろう。 Jacob Epsteinによる彫像は、どことなく彼自身の面影があるような。 台座に無数のキスマーク(口紅の跡)がついている。 女性からの接吻の嵐を彼が喜ぶかどうかは知らないが(笑)


オスカー・ワイルドの墓

サラ・ベルナールの墓

他に訪問者の多い墓といったら、ショパン(作曲家にしてピアニスト)、マリア・カラス(オペラ歌手)、イサドラ・ダンカン(舞踏家)、ジム・モリソン(ドアーズのヴォーカル)、バルザック(作家)・・・お目当ての墓を探すのはなかなか骨が折れるもので、行き交う人同士で「○○の墓は見なかった?」と声をかけたり、地図を持っていない人は持っている人が通りがかったら見せてもらうなどといった現象が良く見られる。 私も何度か声をかけられたり、教えてもらったりした。 ジム・モリソンの墓は通路から離れているのでわかりにくいが、記念写真を撮りに来た人が何組もいた。

墓地の周りはやはりお墓関連産業が栄えているようで、墓石屋、お供え物屋が並んでいる。 パリといっても20区のどんづまり。 中心の繁華街とは違ったテンポで時間が流れていた。

注:パリは1〜20区に区分けされており、時計回りの渦巻き状に数字が大きくなっていく。 だから20区といったら一番外れの地域。

有名人のお墓がどこにあるか検索できるサイトFind a Grave>>Le Pere Lachaise


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