ブルージュから約1時間、列車は18.30にブラッセル南駅(Bruxelles-Midi)に着いた。 そこから地下鉄を乗り継いで予約しておいたホテルに向かう。
目的のホテルはすんなり見つかった。 聖カトリーヌ教会(St.Catherine)を見上げると午後の光が眩しい。 観光局にもらった冊子から選んだのだが、ブラッセルで一番小さな家族経営のホテルだって。 フロントにいたご主人は愛想が良くとてもにこやか。 チェックインして案内されて部屋はこじんまりとして感じが良かったが、シンナーのような刺激臭が満ちていてウッときた。 換気をすれば匂いも薄くなるだろうと部屋中の窓を全開にしたが、状況は改善されない。 この部屋に一時間もいたらそれだけで病気になりそう。下に降りていってご主人に聞いてみる。「あの・・・もしかして最近あの部屋を改装しました?」 その通り、前日に絨毯を換えたばかりだという。 壁のペンキも塗ってからまだ間がないようでピカピカだった。 ご主人は換気をすればよくなると思っていたらしいが、この臭いは窓を開けたからといって簡単にとれるものではない。とても耐え難いので他に空き部屋はないかと聞いたら、気持ち良く部屋を交換してくれたのでほっとする。 他に空いている客室があってよかった。 なにしろ小さいところだから。
新しい部屋は、海をテーマにしたインテリア。 船の絵やロープ結びの額、船についているような鏡などが飾ってある。マリタイム屋(船関係の商品を売っている店がヨーロッパにはよくある)などで買ってくるのだろうか。
昼食がヘヴィだったので、夜はお菓子をつまめばいいくらい。 散歩がてら冷たい飲みものを買いにホテルの近くを歩く。 スーパーがあるがもう閉まっているらしい。 明日来よう。 中華料理店が立ち並ぶ地域も見た。 雑貨屋で飲み物を色々買う。 コントレックス(ミネラル・ウォーター)、オランジーナ(微発砲のオレンジジュース)、コーラで2.50ユーロ。 夫はコントレックスをひと口飲むなり「ううー、硬水!」と嫌な顔をする。 たぶん利き水させたらなんでも一発で飲み分けるだろう。
あと数週間で夏至を迎えようとするヨーロッパの長い夕べ。 グラン・プラスの夜景を見に行きたかったが、なかなか暮れないので移動で疲れていたこともあって翌日行くことにした。
ベルギーの公用語はフランス語とフラマン語(オランダ語に似ている)。 北部のフランドル(フランダース/フランデレン)地方ではフラマン語、南部のワロン地方ではフランス語が主に使われ、その中間に位置するブラッセルではその両方が使われる。 ブラッセルでは通りの名前から、駅名、バス停、観光地の名前まで、すべて二ヶ国語が併記されていてややこしい。
たとえば「王の道(Kings street)」を意味する王宮前の通りは、それぞれ「Rue Royal」「Konigsstraat」と書かれている。
一国の首都としては地下鉄路線は極めてシンプル。 そのぶんトラム(路面電車)がカバーしているらしい。
切符は買ったら入り口に立っているオレンジ色の機械にカシャっと入れるようになっているのだが、何のバーも扉もないので無賃乗車なんて簡単に出来そう。 フランスの地下鉄入り口の、これでもかっというほどの背の高いドアと対照的だ。 係員もいないし、良心市状態? 実は、無賃乗車が見つかったときの罰金が厳しいらしいのだ。 一日目、二日目は何もなかったが、三日目に抜き打ちの検札に遭遇した。 有効な切符を持っているかどうか、警官のような制服を着た職員(本当の警官だったかも)が全員を呼び止めて検査していた。
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