王宮を見に行った後、その隣のベルギー王立美術館へ。
広々としたエントランスから左手に入って、クロークに手荷物を預けてチケット売り場へ。 ちょうどブリューゲルの特別展をやっているというので併せて購入。 ツーリスト・パスポート・クーポン適用施設。
この美術館は、14〜18世紀のフランドル派の絵画やルーベンスを中心に古典美術部門と、マグリットやデルヴォー他ベルギー出身の芸術家の作品を収めた近代美術部門のふたつに分かれており、それぞれが通路でつながっている。
まず古典美術部門、ブリューゲル特別展から。 Pieter Brueghel the Elder (1525-1569)は16世紀のフランドル絵画を代表する画家。 同じモティーフ・構図でいくつもの作品を仕上げていることでも知られるが、この特別展ではそのバージョン違いの作品が一同に会し、細かな違いも見比べられるようになっている。 寓意・風刺画の細部に潜む細かな描写に見入るのが楽しい。 「子供の虐殺」などの不気味絵はあまりしっかり見ると悪夢にうなされそうだ。幼児が虐殺される様を微に入り細に入りマニアックともいえるほどの筆致で血糊も赤々と描いている。 有名なのは 「イカロスの墜落」や「ベツレヘムの戸籍調査」。 学生の頃、池袋でやっていたブリューゲル展を見に行ったことがある。 その時も濃密な描写に釘付けになってしまったが、本場で目にするとまた違った感慨がある。
ルーベンスにもひと部屋があてられている。彼の前時代までの潮流を撃破るかのように躍動的で生き生きとした筆致は、フランダースの犬のネロ少年でなくても魅了されてしまうだろう。 ファン・アイク、ヨルダーンス、メムリンク、クラナッハ「アダムとイヴ」、デューラーなど、この美術館ならではの北方の空気を感じられるいい展示だった。
疲れてきたのでカフェでひとやすみ。 カプチーノ、ちょっとインスタントっぽい味で失敗か。
お次は近代美術部門。 こちらもベルギーを代表する近代画家ルネ・マグリット、ポール・デルヴォーをはじめとして、近現代の名作が揃っている。 幻想的なクノップフの作品群、バーン・ジョーンズ「プシケーの婚礼」、アンソール「不思議な仮面」。 マグリットやデルヴォーの部屋はさすがに充実している。 美術の教科書や画集で目にしたような大作が勢ぞろい。 シュール・レアリズムでは他にジョルジュ・デ・キリコ、サルバドール・ダリ「聖アントニウスの誘惑」も。 楽しみにしていたフランシス・ベーコン「法王とふくろう」のオーラに圧倒される。
注意すべき点は、昼休みはフロアごとに閉鎖されること。 リフトも動かないし、階段にも綱が張ってある。 入り口でもらうリーフレットにも昼休み予定が書かれているので(館内放送でも案内される)、この時間に見学するなら見たい作品を考えて効率的に回らなければならない。
Koninklijke Musea voor Schone Kunsten van Belgie
Muses Royaux des Beaux-Arts de BelgiqueRue de la Regence 3, 1000 Brussels
www.fine-arts-museum.be
王宮を背にしてRue Royal/Konigsstraatを公園沿いに歩き出し、ンまいっ!と評判の王室御用達のショコラティエMaryへ。 店の構えは小さく他に支店はないものの、その品質は他の追随を許さないと言われる高級店である。 (日本のMaryチョコレートとは何の関係もないだろう、たぶん) 知る人ぞ知る老舗だそうで、昨年ここで2箱も買ってしまったというたけうちさんに教えていただいた。 大感謝♪
店の雰囲気はたいへん大人っぽくposh。 中身を説明してもらって、好みのものをピックアップ。 どれも艶やかで何ともいえない妙なる香りがし、あれもこれもとずいぶん買ってしまう。 ソリッドな板チョコや、棒状の中に生クリームが入ったタイプも店の奥に見つけ、あわせて購入。 ツーリスト・パスポートの割引券が使えた(5%off)。
ベルギーで買ったチョコレートはアイルランド旅行中に少しずつ食べてしまった。 中に生クリームが入っていたりするのであまり日持ちがしないからだ。 クリームの入ったタイプはとろけるように美味しい。 キャラメル入りはその甘さが強烈に主張するのでチョコの味わいをそいでしまうような。 ヘーゼル・ナッツのペースト入りもたまらない。
ベルギー王室御用達のチョコレートは、Mary、ゴディバ(Godiva)、Cotr D'or、Gallerに加え、2000年に新たにノイハウスとWittamerが選ばれた。 Gallerはスーパーで板チョコを買った。
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