インフォメーションで教わったとおり、81番のトラム(路面電車)に乗ってオルタ美術館へ。 地下鉄と違って停車場の名前を確認するのに一苦労だが、外の景色を見ながら乗れるのが良い。JANSON駅下車で、歩いて50mほど。
オルタ美術館というのは、"アール・ヌーヴォー建築の父"と呼ばれるヴィクトール・オルタの個人宅だった屋敷を美術館として開放しているもの。 ヴィクトール・オルタ設計によるアール・ヌーヴォー家屋4軒は、ユネスコの世界遺産に登録されている。午後2.30開館
外観はベランダのデザインが目を引くがわりと普通。 しかし一歩玄関を入ると植物の蔓を思わせる流線的なデザイン、徹底したアール・ヌーヴォー様式に圧倒される。 自分と家族のために趣味全開で作っちゃったかんじである。 ドアの一つ一つ、壁紙(ウィリアム・モリスもあり)、家具、部屋の片隅にあるオイル・ヒーターまで装飾が施されている。 ため息が出るような曲線美の螺旋階段から見上げる天井のステンドグラスの見事なこと。
帰りはよく確かめもせずに適当なトラムに飛び乗ってしまったので、郊外に連れて行かれそうになったのに気づき、慌てて降りて乗り換える。 車窓から見る街並みにも、いかにもアール・ヌーヴォーな建築物が散見される。
Musee Horta: Rue Americaine 25, 1060 Brussels
トラムをルイーズ駅で降り、ぶらぶらと歩きつつグラン・サブロン広場へ。 チョコレート王国ベルギーの真髄を体感できるようなmarvellous!なチョコレートをぜひとも手に入れたい。 ただしゴディバやノイハウス、レオニダスは日本でも簡単に手に入るので、今回はパス。
ピンクのパッケージが強烈に可愛いWittamer(ウィタメール/ヴィッターメール)。 店員さんものすごく親切。 美味しそうなのを選んでバラ買いしたのだが、ひとつひとつ中に何が入っているか説明してくれる。 馬型、ハート型、トウモロコシ型・・・試食までさせてもらった。
そして明日は本命を訪ねるのである。どきどき。
Rue des Bouchers (肉屋通り)を中心としたイロ・サクレ地区は、ブラッセルで一番レストラン密度が高い地域で、一歩足を踏み入れたとたん右から左から客引きの声が押し寄せてくる。 日本人観光客もたくさん来るので言葉を覚えたのかもしれないが「コンバンハ」とか「ヤスイヨー」なんて言われちゃ興ざめである。 中心価格帯は、前菜+メイン+デザートの三品で12〜15ユーロと、安さを売り物にする店が多い。しかし店頭に掲げてあるメニューを読もうとするとすぐ客引きが寄ってくるので鬱陶しいことこの上ない。 これでは落ち着いてメニューを読むことすらできないではないか。 安いメニューを掲げてボッタクリをする店も多いと、聞いたことがあるし。
疲れ果てて、結局決められずイロ・サクレ地区を後にする。三品で12〜15ユーロなんて価格設定は、考えてみればカルチェ・ラタンの安食堂街と同じだ。 それならば、味の方もそう過大な期待を寄せない方が無難であろう。 ムール貝をバケツ一杯出すことで有名なシェ・レオン(Chez Leon)など、最初からお目当てのレストランがあるならともかく、あの客引きの群れに押し切られたら、後悔する結果になったかもしれない。
#Chez Leonってチェーン展開しているらしく、パリにもモンパルナスなど、いくつか支店がある。
確か"グラン・プラスの中に美味しいと評判のベルギー料理の店がある"と、どこかで読んだような・・・。 荷物になるからとガイドブックは買わなかったのだ。 かすかな記憶を頼りにグラン・プラスに向かい、店頭に掲げられていたメニューを見てレストランに入る。 階段を降りて入る半地下の店内は、照明を落とした落ち着いた雰囲気だった。 英語メニューもあるからオーダーも安心。
前菜:ニシンの酢締め(Filets de Harengs "Jefke")6.75
メイン:チキンのワーテルゾーイ(Waterzooi a la Gantoise)13.00前菜:本日のスープ:クレソン(Potage du Jour)4.50
メイン:牛肉のビール煮(Carbonnades Flamandes)12.00そして「Belle-Vue Kriek」
Kriekとは、熟成の若いランビック・ビールにさくらんぼを漬け込んで発酵させたフルーティーなビール。
まだ明るいグラン・プラスを後にして歩いてホテルに戻る途中、もうひとつスーパーAD (Ad Delhaize)を見つけて入ってみる。 王室御用達チョコGaller(1.59)、オレンジジュースを買う。
Ste. Catherine 地区は昔運河と魚市場があったエリアで、現在もシーフードレストランが軒を並べている。 運河があった場所と思われる中央の細長い広場に屋台のようなものが出て、通り沿いのレストランから料理が運ばれている。 泊まっているホテルが評判の良いシーフード・レストランも兼営していたので、そこに行ってもよかったのだが、シーフードはアイルランドに渡ってから食べ倒すつもりなので、大陸では肉料理にこだわった。
Midsummer(夏至)も近いヨーロッパには、なかなか夜が来ない。 食事を終え、寄り道をしてから宿に帰っても空にはまだ太陽が。 10時を過ぎないと暗くなり始めないのだ。 疲れたので仮眠をとってからグラン・プラスの夜景を見に行こうと、目覚まし時計を11時にセットして横になったのだが・・・気がついたら2時を過ぎていた・・・。 こんな時間になってふらふら歩いていくのはさすがに危ないだろう。 ああ、なんたること!(号泣) 日が長い時期は夜景を見るのも一苦労ということか。 初日の夜に見に行こうとしていれば、たとえ一度失敗したとてリベンジの機会があったのに。 この夜私は「今日できることは明日に延ばすな」と教訓を学んだのであった。
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