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イギリス映画とフットボール(サッカー)


えげれすではサッカーのことを「football」と呼ぶ。 それぞれにごひいきのチームがあって、試合の結果に一喜一憂、勝っても負けてもそれをネタにパブで盛り上がる口実にする・・・。 フットボール(サッカー)に注目すると彼らの生活の一面が見えるかも。


『シーズン・チケット』Purely Belter (2000)

「早目に競技場に行ったらまずは紅茶だ。砂糖は二つ、ミルクもたっぷり入れる。席に座ってゆっくり紅茶を飲みながら観戦…最高だ!」

主人公の少年二人は、Newcastle Unitedの大ファン。ひとり500ポンドもする年間観戦券=シーズン・チケットを手に入れるために悪戦苦闘する。 ニューカッスル・ユナイテッドのライバルは、ホームスタジアムも近いSunderland FC。 不運にもライバル・チームのサポーター席のチケットをもらってしまったふたりは、もぞもぞと落ち着かない。

アラン・シアラーもゲスト出演。

 

『ドリームゴール』 When Saturday Comes (1996)

優れたフットボールの才能を持ちながらも、プロ選手になる夢を諦め工員生活に甘んじていた主人公。 アマチュア・チームでのプレイが認められ、地元のセミプロチームに引き抜かれ、長年の憧れだったシェフィールド・ユナイテッドのプロテストを受けるチャンスを与えられるのだが・・・

シェフィールド出身でシェフィールド・ユナイテッドの熱狂的なサポーターショーン・ビーンの主演作。 彼は腕に「100%Blade」というタトゥーを彫っているほど。 「Blades」というのはシェフィールド・ユナイテッドの愛称なのだ。

暇さえあれば校庭でフットボールに興じる子どもたち、昔の試合のパンフレットや切抜きなどを熱心に集める主人公の弟、パブに集まって地元チームを応援する人々の姿など、フットボールにまつわるエピソードがいっぱい。

シェフィールド・ユナイテッドLeeds United FCや、マンUことマンチェスター・ユナイテッドと対戦する場面も。(当時、プレミアリーグとファースト・ディヴィジョンのシェフィールドの対戦はありえなかったのだが)

 

『リトル・ストライカー』There's Only One Jimmy Grimble (2000)

マンチェスター・ユナイテッドファンの中で、ひとりマンチェスター・シティFCを応援する少年の物語。シングルマザーである母の昔の恋人に連れられてマンチェスター・シティの観戦に出かけた思い出、そして彼が通う学校にやってきた元マンチェスター・シティの選手という経歴を持つコーチの過去など・・・

『ベッカムに恋して』Bend It Like Beckham (2002)

ベッカムに憧れるインド系移民の女の子が、女子フットボールチームに入って活躍する物語。 伝統的な価値観を大切にする両親との葛藤、チームメイトとの友情、コーチへの淡い思い・・・ 冒頭にリネカーらが特別出演する場面も。

『ケミカル51』The 51st State (2001)

主人公はリバプールF.C.の熱狂的なサポーターで、Fowlerの名が入ったユニフォームを着ている。恋人とベッドにいても「Come on, Reds!!」と絶叫するほどだったという。
*Reds=赤いユニフォームであることからリバプールの愛称。

彼はリバプールのユニフォーム(胸にカールスバーグのロゴ入り赤いユニ)を着てリバプールの応援歌ともなっている「You'll Never Walk Alone」を歌いながら、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターが集まるパブに入ってひと悶着起こす。

クライマックスは、アンフィールド・スタジアムのリバプール対マンチェスターユナイテッドの試合中に起こるのだが・・・

『ミリオンズ』Millions (2004)

主人公の子供たちが転校してきた学校では、尊敬する人の名を挙げさせるとロイ・キーンやニステルローイ等サッカー選手の名前ばかり(注:両者とも2005年当時マンチェスター・ユナイテッド所属のプレイヤー)。先生が「マンチェスター・ユナイテッドの選手以外に尊敬する人はは?」と聞いても、挙がった名前はマンチェスター・シティの選手の名。

強盗団を追跡する警官が身動きが取れなくなったのは、ハイベリー(ロンドン郊外)で行われたアーセナルとニューカッスル戦にやってきた観客たちの人出があまりにすごかったせい。

『ひかりのまち』 Wonderland (1999)

離婚した妻のもとにいる息子を連れて、ごひいきのCrystal Palace FCの応援に、セルハースト・パークに出かけた父親。 「アーセナルとかもっとましなのを応援しろよォ」なんて言いつつも、親子二代で同じチームに声援を送っているところがほほえましい。

 

『ケス』Kes(1969)

主人公の少年が通う学校では、体育教師がマンチェスター・ユナイテッドの赤いユニフォームを着て授業をしている。クラスを半分に分け、自分のチームをManchester Unitedに、他方のチームTottenham Hot Spursに見立てて紅白試合をする。

SWEET SIXTEENSweet Sixteen (2002)

主人公の部屋にはスコットランドリーグMorton FCのマフラーが貼ってある。 甥っ子とサッカーボールで遊ぶ場面も。
(主人公を演じたのは、元Morton FCのレギュラー,マーティン・コムストン)

g:mtGreenwich Mean Time (1999)

入院中のチャーリーが親しくなった同室の男は、いつもマンチェスター・ユナイテッドの赤いユニフォームを着ているような、熱狂的なマンUサポーター。 一方、チャーリーの方は地元のミルウォールF.C.のファンらしい。 打ちのめされがちな入院生活で、ミックの語るフットボールの話はチャーリーにとって大いに慰めになっていたのだが・・・

 

『アシッド・ハウス』 The Acid House (1998)

三部リーグに低迷しているという弱小チームを応援する男たちは、負け試合後にチームのメンバーとパブに繰り出していつものように憂さ晴らし。 このチームは試合場のゴールにもネットが張られていないというお粗末さ。

エディンバラを本拠地とする「ヒブズ」ことHibernian FCのサポーターたちが集まるパブでは、みなTV中継を見ながら大騒ぎ。 この熱狂の中でクライマックスを迎えるのだが・・・

気が弱い男が上の階の住人にTVを奪われ、楽しみにしていた好カードを見られないという事態も。

 

『ビューティフル・ピープル』 Beautiful People (1999)

主人公のひとりは頭もスキンヘッズにしていて、ほとんどフーリガンに近いタイプ。 友達と一緒にロッテルダムまで、わざわざワールドカップ予選(イングランド対オランダ戦)の応援に行った。

フーリガンとは熱狂的なサッカーファンのことで、国粋主義的であることが多い。 国際試合にも自国チームの応援に駆けつけ、行く先々で暴れまわることで有名。この青年はリネカー選手の大ファンであるらしく、彼の背番号である10番をつけたユニフォームを着ている。

その後紆余曲折あって、ボスニアから難民の少年を連れて戻った彼は、フットボールのサポーターたちが集まるパブに連れて行き、「僕らのチームはTottenham Hot Spurs」と言いながら、少年の顔にイングランドの旗(白地に赤十字の聖ジョージ旗)をペイントしてあげる。

 

Go NowGo Now(1996)

ブリストルの工事現場で働く主人公の楽しみは、休日にフットボールで仲間と汗を流すこと。 しかし突然病魔が彼を遅い、レギュラー・ポジションも奪われ、職も失い自暴自棄になりかけるのだが・・・

チームの監督が怒鳴る姿で試合の様子を見せる。

 

『マイ・ネーム・イズ・ジョー』My Name Is Joe (1998)

グラスゴーでアルコール依存症から必死に立ち直ろうとする主人公は、地元の草フットボールチームの監督。 なぜかここの選手が着ているのはドイツチームのユニフォームらしい。

『マンボ!マンボ!マンボ!』 Mad About Mambo (2000)

北アイルランドのベルファストで、マイノリティのカトリック系住民である少年が、プロのフットボール選手になるために、ラテン・ダンスを習ってリズム感を身につけようとする。 ベルファストのチームは当然プロテスタント系なので、カトリック系住民が選手になるには厚い壁があったのだが・・・

『トレインスポッティング』Trainspotting (1996)

この登場人物たちも、もちろんフットボール好き。 こそこそと話しているところを女の子たちに「何話してたの?」聞きとがめられると、答えは「フットボール!」

友達の家で見つけた彼女とのHビデオ。 こっそり中身をフットボールの試合ビデオとすり替えておいたらとんでもない悲劇が・・・

『ロック、ストック&ツー・スモーキング・バレルズ』Lock, Stock and Two Smoking Barrels (1998)

家のTVが壊れてしまったからと、パブのTVでごひいきのチームの試合を見守る男。 するとその場にいた酔客が勝手にチャンネルを変えてしまう。 チャンネルを変えられた恨みを晴らすために男は・・・?!

 

『ヴァーチャル・セクシュアリティ』 Virtual Sexuality (1999)

ナヨナヨした青年に"Do you support Arsenals ?"(アーセナルのファン?)という質問をする男。ゲイはサッカーを見ないものだと思っているので、アーセナルズが好きと聞いて安心するのだ。ラグビーやクリケットが上流階級の好むスポーツであるのに対し、フットボールは労働者階級のもの。当然フットボールのサポーターはマッチョ思想も強い傾向にあリ、ゲイを毛嫌いする人も多い。

 

『フル・モンティ』The Full Monty (1997)

シェフィールドで失業中の男たちが結成したストリップ・チーム。 なかなか踊りの振りが揃わない時に主人公が「アーセナルのオフサイド・トラップだよ!」と叫ぶと、みんなコツをつかんでピタリ。 マンチェスター(マンU?)に対抗意識を燃やしているところがシェフィールドらしい。

『同級生』 Get Real (1998)

主人公の男の子のベッドサイドの壁には、フットボール選手の切抜きが一杯。 しかしゲイである彼はフットボール・ファンというよりは選手そのものに興味があるのだが。

彼の恋人となる男の子が自分のセクシュアリティを自覚したのは、野外学習で出会ったアーセナルサポーターの他校生がきっかけ。

『キリング・ミー・ソフトリー』 Killing Me Softly (2002)

ヒロインが初めて会った男との情事から戻ると、フラットには同棲中の恋人がビール片手にTVでフットボール観戦。 恋人そっちのけで試合にのめりこむ姿に、彼女は急速に彼への愛が色褪せてしまったのを感じていた。

 

『チャーリング・クロス街84番地』 84 Charing Cross Road (1986)

手紙だけのやり取りながらも、まだ見ぬ相手に親近感を感じている男と女。 ニューヨークに住む女がごひいきの野球チームであるブルックリン・ドジャース」の応援をしてちょうだいと書き送ると、ロンドンに住む男はかわりに「Tottenham Hot Spurs」を応援して欲しいと応える。

 

『逃亡者2001』 Bodywork (1999)

主人公たちはChelsea FCのサポーター。行き違いがあった後でも試合が始まると、一緒にTVの前で熱くなる。

 

『トゥエンティフォー・セブン』 24 7: Twenty Four Seven (1997)

登場人物のひとりの親父はサッカーファン。応援しているチームStockport County FCの2部優勝記念マグカップを大切にしていた。

 

『ボクと空と麦畑』Ratcatcher (1999)

普段は子供たちを可愛がっている優しいお父さんも、息子に買ってきてやったサッカー・シューズをいらないと拒絶された時は激昂する。

 

『夜空に星のあるように』 Poor Cow (1967)

ヒロインの暴力亭主はFulham FCの大ファン。

 

『ナンズ・オン・ザ・ラン』Nuns on the run(1990)

Chelsea FCのスタジアムが見える裏の駐車場で、主人公たちが車を強奪するシーンが。

『アバウト・ア・ボーイ』 About a Boy (2002)

主人公が恋をするシングルマザーの息子の部屋には、アーセナルの旗が。 舞台がアーセナルのお膝元であるイズリントン界隈なのと、原作者のニック・ホーンビィが熱狂的なアーセナルのサポーターだから。

『シャクルトン〜南極海漂流からの生還〜』Shackleton (2002) (TV)

南極で撃ったアザラシを取りに行くために船を停止させ皆で氷上に降りた時、乗組員たちはフットボール(サッカー)に興じていた。審判もしっかり「オフサイド!」と叫んでいたりして。

 

 


未見のためタイトルのみ紹介:

『ジョージ・ベスト 伝説のドリブラー』Best(1999)

劇場未公開・未ビデオ化・WOWOWで放映のみ

ジョージ・ベストについて>>Geeorge Best official.com

『ザ・フーリガン』I.D. (1995)

ロケ地を見ると、ミルウォールF.C.Crystal Palace FC、ブラッドフォード・シティFCなどが登場するようだ

 


日本未公開

Fever Pitch (1997)

ニック・ホーンビー原作のの話題作。 アーセナルに熱を上げるフットボール狂の悲喜こもごもを描いた作品。主演コリン・ファース

Arsenalの愛称が「Gunners(銃手)」なのは、もともとこのチームのメンバーが、軍需工場ウーリッジ兵器庫(=Woolwich Arsenal)の労働者たちによってできたからだとか。

原作:『ぼくのプレミア・ライフ』新潮文庫
原書:_Fever Pitch_ by Nick Hornby
サウンドトラック/輸入版VHS(字幕なし)

imdb.com/Title?0119114

 

 


リンク

The Football Association
http://www.thefa.com/

Yahoo UK & Ireland
http://uk.dir.yahoo.com/recreation/sport/football/

 

 

書籍など

『イングランド―母なる国のフットボール』
東本 貢司 (著) (2002/04/01) 日本放送出版協会
イギリス社会とフットボールを絡めて解説した興味深い本。サッカーファンならずとも楽しめる語り口。
 
『ベッカム すべては美しく勝つために』
デイヴィッド・ベッカム (著), 東本 貢司 (翻訳) (2002/04/18) PHP研究所
イングランドのサッカーといったらこのひと!マンチェスター・ユナイテッドの人気MF。
 
_David Beckham - My World_
David Beckham (著), Dean Freeman (著)
上記の本の原著。
 
『フーリファン―傷だらけの30年』
Martin King / Martin Knight (原著), 東本 貢司 (翻訳)広済堂サッカーセレクション
英国といえばフーリガンという悪名も。 "イギリスで最も危険なサッカーギャング"といわれた著者によるフーリガンの実態。
 
DVD『デビッド・ベッカム THE REAL DAVID BECKHAM』
 
 

 


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