能天気なeasyjet

カウンターに駆け込んだのは、チェックイン終了時間ぎりぎりという綱渡りだった。 グラスゴーからロンドンLuton空港へは、ネットで予約しておいた格安航空会社のイージー・ジェット。 ここはコストを極限まで削減して料金を下げているので、事前にチケットは発券されず、ネットで申し込んだときの予約番号を告げて整理券をもらう。 搭乗時間になったら整理券番号の若い順にゲートに並んで、早い者勝ちで席取りをするのだ。 待合室に入って荷物を降ろし、Irn-Bruを飲みながらほっと一息。 スコットランドの1ポンド札(イングランドでも使えるがあまり歓迎されないとか)を使い切るべく、クリスプスなどのスナック菓子を売店で買っておく。

やがて搭乗案内のアナウンスが流れ、指示に従って列を作って、白い機体にオレンジ色で「easyjet.com」とペイントされた能天気な飛行機に乗り込む。 我々の整理券は最後の方だったので、続きの席は望めないかと思いきや、なんとか隣同士の席を確保。 この会社では機内サービスがなく、飲み物・食べ物はすべて有料で提供されるのだが、頼んでいる人も少なくない。 乗務員も揃いのポロシャツ姿で、名前の通りイージー、お気楽主義。 う。東洋系はどうみても私たちしかいないので目立ってる気がする・・・。

easyjet(イージー・ジェット)
大手格安航空会社のひとつ。 電話でも申し込めるらしいが、ネットで手続きするとさらに割引に。 出発までの期間が迫ってくるとチケットの値段も上がるので、旅行日程が確定したらすぐ予約することをおすすめ。 紙のチケットは発券されないため、手続き完了時に発行される予約番号を控えておき、空港のカウンターで告げて整理券をもらう。 席は早い者勝ち。
難点をひとつ挙げれば、ヒースロー空港には発着しないこと。 安いからといって行きにヒースローからロンドン市内に出て、さらに郊外の空港へ・・・というのでは、時間がかかってしまう。 私たちは帰りの便に利用した。 電車で帰るより早くてリーズナブル。
>>www.easyjet.com

 

Luton空港からキングズクロス駅へ

グラスゴーから約1時間、あっという間にルートン空港に到着。 小さいけれど近代的な雰囲気のところで、国内線や欧州への近距離線が主に発着する。 空港から無料送迎バスで最寄の駅に向かい、そこからロンドン行きの列車に乗る。 車窓の景色は、厳しい自然と対峙するスコットランドとは正反対に、木々が茂り、人里の"匂い"がする。

何度来ても、キングズクロスの駅を見上げると感慨を覚えずにはいられない。 初めてイギリスを訪れた時に、大好きなペット・ショップ・ボーイズの"King's Cross"の実物を一目見ようと用もないのにわざわざ出かけたのだから。 上野もそうだが、北へ向かう駅の雰囲気は一種独特。 隣のフォトジェニックで優美なセント・パンクラス駅の建物もまた格別。

外に出ると小雨がぱらつく雨模様。 街行く人の顔つきも、歩く早さも、服装も、言葉も、すべてが違う、ここはロンドン。

ルートンからロンドン市内に入る
空港最寄の駅から出ているThameslink社の列車で、King's Crossまで約30分。 easyjet利用者には特別割引が適用される。 easyjetの予約完了画面からThameslink社のチケットを買う画面へのリンクをたどってオンラインで申し込む。 こちらは紙のチケットが発行されるので、イギリスから郵送される時間を見積もって出発ぎりぎりには申し込まないほうが無難。 (郵送料は無料)
>>ThamesLink (www.thameslink.co.uk)
 
King's Cross Station
いまやPet Shop Boysよりも、「ホグワーツ行き特急が出る9 3/4番ホーム」がある駅としての方が有名になってしまったか。 Thameslink社のキングズ・クロス駅は、下の写真の本家キングズ・クロス駅から少し離れている。

St. Pancras Station

King's Cross Station
■この地域で撮影された映画
 
キングズ・クロス周辺
『ハリー・ポッターと賢者の石』 Harry Potter and the Sorcerer's Stone (2001)
『ブリジット・ジョーンズの日記』 Bridget Jones's Diary (2001)
『キャリア・ガールズ』Career Girls (1997)
『リチャード三世』Richard III(1995)
『チャーリー』 Chaplin (1992)
『ナンズ・オン・ザ・ラン』Nuns on the run(1990)
『モナリザ』Mona Lisa (1986)
『アルフィー』 Alfie (1966)
『マダムと泥棒』The Ladykillers (1955)

セント・パンクラス駅

『ブリジット・ジョーンズの日記』 Bridget Jones's Diary (2001) (UK公開版のみ)
102102 Dalmatians (2000)
『リチャード三世』Richard III(1995)
『ハワーズ・エンド』Howards End (1992)
『チャーリー』 Chaplin (1992)
『国際諜報局』 The Ipcress File (1965)

 


今度こそちゃんとしたインド料理

すでにかなり重くなった荷物をかかえて(ティータオルやTescoで買った食料品が原因だ)、我々Budget-mind-Travellers(予算を切り詰めたい旅行者)向けの宿に到着。 ああ、前に来たときとちっとも変わっていない・・・と思いきや、ベッドカバーが、雑巾色から妙ちきりんな桃色に少しだけグレードアップ?

County Hotel
8-11 Upper Woburn Place, london

もう夕方から夜になっていたので、まずは近くのスーパーSafewayまで足を伸ばす。 客層は主に学生っぽい若者、移民系なので、品揃えとしては手軽に食べられるものに重点を置いている。 隅から隅まで棚を観察して、やはり荷物になったけれど、インヴァネスの郊外型大型Tescoで大量に自宅消費用お土産を買い込んでおいたことは大正解だと実感することになる。 飲み物やカップ入りトライフルなどのデザートを調達し、インド料理レストランに向かう。

いくら中華料理とインド料理はイギリス中で食べられるとはいっても、エスニック料理は人が集まる大都会のほうが本場仕込みの味にありつける。 カントリーサイドではその国の舌に合うように変えられてしまって、本物とは似ても似つかないものになるからだ。 余談だが我々の現住所である日本のカントリーサイド某市にある唯一のインド料理屋も、悲しくなるほど"たるたるーのぼやぼやーん"なので、この法則は国境を越えて適用できるということだ。

閑話休題。 スコットランドのリベンジとして家人はまたチキン・ティッカ・マサラ(鶏肉のクリーミーなカレー)、私はマトン・ブーナ(羊肉のスパイシーなカレー)。それにミートサモサ(薄皮の餃子のような、羊挽肉を包んで揚げた前菜)、タンドーリチキン、ナン。 他のテーブルで食べていたスペシャル・フライド・ライスが美味しそうだったので、それも頼んでみた。 このレストランもそうだが、たいていの店では頼めばお持ち帰り用に包んでくれるものなので、take-awayして部屋でゆっくり食べることにした。

し・・・至福・・・! やっぱりインド料理はこうでなければっ。 深みがあって切れもあるバランスって、簡単なようでいて難しい。

食後はふたりでBBCのコメディ番組に見入ってしまった。 ああ、仮にも国営放送だというのになんてオゲレツな内容(大汗)。 家人は表情や身振り手振り、台詞の断片から大体の内容はわかっているようだったが、下ネタ満載、お下品な英国スラングてんこもりの台詞をいちいち訳して解説してあげたところ、感謝されるどころか「おまえはいったい日頃どんな映画を見てるんだ・・・? 」と。 やぶへび、やぶへび。

 


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